7/9 それはとてもとても風の強い、軽やかな曇天の日レビュー

全敬称略

作:黒崎ろく

ジーン・ジェイクス:アルコ

ロッカ・ハーシュマン:緋乃司

司会:アルコ

ギルド長:緋乃司

音響・主題歌:アルコ

・・・・・・

男の子の好きなものを全て詰め込んで
綺麗にラッピングしたような作品に
そろそろ不惑だけど性根が男の子の人が発起人となり
全リソースを注ぎ込んで作った一幕でした。

いい大人がガンプラを本気で作ったらこうなった、みたいな上演。

台本は台詞回しがしっかりしているのに抒情的で
心地よい余韻を響かせる名作です。
じゃあそこに音を入れよう、効果音を入れよう、
解釈をすり合わせよう(やったかどうかは知らないが)と
ガンプラでいう素組みから色々な工程を積み重ねていって
本当に一つの架空世界を作って伝えてしまった名演でした。

いい芝居をしよう、という使命感以上に
本当に好きと情熱が最前面に飛び出てきている。

これは一番強い。比肩なき、としかいいようがない。
いい役者たれ、いい芝居たれという取り組みよりも
この一幕を死ぬ気で創ろうという熱意と結果は
何より説得力を持つと痛感しました。熱量の土台が違う。

いい芝居をしよう、いい作品を作ろうっていう
モチベーションもとても大事だと思うんですけども

「俺たちの手のひらにご招待、お楽しみください!」

ってエンタメの究極系だと思う。
その世界に招いてもらえるってのは、畢竟ディズニーランドとかを相手に戦うレベルだと思います。

この役者のここが良かった、みたいなことは今回は書かないです。
それはもう前提であって、語るに及ばないと思う。
この上演は全部通してコンテンツでありプロダクトであり
私は観客として最後まで満喫し尽くしました。

本も役者も演出も本当に良かった。いや本当、面白えなこれ。
アーカイブは残しておいて欲しいです。youtubeも宜しく。
俺たち、楽しかったです!で終わらない傑作だと思う。




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