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パイロットに必要な気象学 大気圧

皆様こんにちは

 今回は皆様が住まわれているこの地球(勿論私も同じ地球に住んでいますよ)を覆っている大気について解説していきたいと思います。

大気とは? 

 私たちはこの大気という空気層の底(つまりは地表)で住んでいます。そしてこの空気層もある程度の質量を持っているわけです。簡単なイメージとしては海と同じ構造となっているわけですね。海面が宇宙空間と大気との境目とするならば、海底は地表と見ることができますよね。

 しかしながら、軽いとはいっても質量がある為必然的にその底にいる私達にはその質量がかかってきます。それが俗に言う”大気圧”として計算され、日々のお天気お姉さんが高気圧、低気圧と言っているものに繋がるわけです。気象庁の気象に関する予報用語の定義を参照すると、気圧とは大気の圧力であり、ある地点の気圧はその点を中心とする単位面積上でその上の空気柱の総重量が相当すると記載があります。一応単位はhpa(ヘクトパスカル)ですよ。

 このように定義されており実際に感じることはあまりないですが、通常1平方cmにつき約1Kgの圧力がかかっています。これは1人辺り20tもの重さを支えているのと同じと言っても良いでしょう。

そしてそれがどう飛行機の運航に影響するのかと考えます。

 一般に大気圧の変動において考慮される変数としては、計測する地点の高度(標高)、温度により定義されます。例を挙げると標高が高い山に登るとおやつの袋がパンパンに膨らんでたりとか経験したことありませんか?それの原因は山に登り、高度が上昇したことにより気圧が減少(海底から海面近くまで浮上すれば水圧は小さくなりますよね)する。それによりいままで”海底の水圧”で押さえつけられていたポテチの袋が、”海面付近の水圧”へと圧力が弱くなり、ポテチの袋の中の圧力が逆に優勢になったことによる現象なんです。これが宇宙空間で与圧服を着る主な原因とも思います(勿論その他の要素も多々ありますがここでは省きます)。ポテチの袋が破裂するのと同じ現象が人体に…。

 そしてこれによる影響を航空機はダイレクトに受けます。

大気圧の変動による影響? 

まずはじめに高度の違いによる影響を考えましょう。上記の通り、高度を上げると気圧が下がると言いました。それは何故か?高度が上がり航空機の上にある空気の量が減ることによる質量の低下が原因の内の一つです。これにより飛行中の航空機にかかる気圧は地上付近を飛行している気圧と比較して大きく異なります。

その他にも大気の一般的な原則として、高度を上げれば上げるほどその高度における大気の空気密度は減少していきます。参考値として対流圏と呼ばれる空気層は体積的には全大気の約1%でしかありませんが、密度としては約75%を占めています(つまり対流圏より上の高度は空気がすかすか=空気密度小)。

 そして飛行機は翼で揚力を得て飛んでいます。それには空気が翼を流れる必要があります。その翼を流れる空気の量が減少すればどうなるか?必然的に揚力が減少し、飛行が不可能になりますよね。更に悪いことに飛行機はエンジンにも空気が必要です。そこに必要な空気が流れなくなったら?エンジンも十分な推力を発揮することができませんよね?

 先に大気圧は高度、温度により変動すると記述しました。これらの要素が如何に航空機の運航に密接に関わってくるのかが、簡単ながらも理解できたかと思います。

 では、この続きは次の記事で。