この夏の主役
シーズンの入荷がピークになると、度々このアイテムつけてたっけと思うことがある。
半年前の自分はこのアイテムのどこに惹かれたのか。
その答え合わせを求められることが多くはないけどあったりする。
僕らも膨大な仕入れをする中で半年前のこととなるとどうしたって忘れてしまう部分があります。カットソーは特に色も枚数も覚えてないことが多い。もちろん良いことではないけれど…
でも逆に半年間頭から離れず、今か今かと待ちわびているアイテムもあります。半年間頭の中で何度も着た時のイメージを繰り返すようなアイテムが。
今シーズン、僕にとってそんなアイテムの一つがAURALEEのWASHED FINXのヘリンボーンシャンブレー。特にグリーン。
細番手のフィンクスコットを先染めし、生地を叩いて洗いをかけたことによる鈍くくすんだ、吸い寄せられるような光沢。
細ピッチで緻密に織られたヘリンボーン。
高密度で打ち込みながらも、薄手の生地感でサラッとした肌触り。
シャンブレー独特のムラ感が生む霜降り。その奥行きのある風合いは靄がかかったように生地全体をぼやっとさせる。
なんとAURALEEらしい風合いか。
ヘリンボーンやシャンブレ―、またその組み合わせ自体は数あれどこれは今までに見たことがない。
このシャンブレー、
緯糸が白ではなく薄いグレー。
どうりで色合いに奥行きがある訳だ。
素晴らしい配色。
トラディショナルな2インプリーツで腰回りはボリュームのある仕様。緩くテーパードした、股上深めのリラックスしたシルエット。
昨年の秋冬から継続して出ている形ですが、ベルトループが8つ。
フロントはスラッシュポケット、後ろにはフラップポケットが2つ。
少し画像が暗いので色が分かりにくいかもしれません…
最近はベルトループが8つのボトムスはあまりみないですが、ループが多い方がベルトをした時のホールド感はますのでウエストが細い方にもおすすめです。
裾はたたきのカジュアルな仕様。
そしてジップはwaldes。
AURALEEでは継続して展開されている形で、スラックスというよりワークパンツのパターンに近いです。
ただクラシカルな2インプリーツが絶妙なバランスを取っていて、ぱっと見た時にワークパンツという印象は受けられないと思います。
チノやデニム、ミリタリーパンツにしても野暮ったくなりすぎるのは今あまり気分じゃない。
少しだけ野暮ったさは欲しいけど、あくまで上品に穿きたい。
その点、パターンと生地で上手くバランスを取ったボトムスです。
パターンは先述の通りですが、このトロっとした風合いと手触り。
上質な素材を用いていることはもちろんあります。
加えて高密度に打ち込んでいるので本来なら生地は硬くなるのですが、その後生地を叩くことでこわばった生地がほぐれ、繊維同士が馴染み柔らかく艶のある風合いになります。
そこからさらに洗いをかけることで、色あせたような独特な風合いを表現。
どっちつかずの曖昧なトーンが上品で良いですね。
AURALEEのWASHED FINXは毎回素晴らしい。
上品な光沢感と何とも言えない独特の「ヌメリ」。シャツだと何枚買ったか分からないほど好きな素材の一つです。
加えて、ヘリンボーンかつシャンブレーにしている訳ですからこれは本当に初めて見た生地。
肌触りが良く、少しひんやりとした
ドライタッチ。夏に丁度いいリラックス感とトロっとしたドレープ。
センスが光る色合いも相まって夏の主役になれるボトムスです。
ブルー系のカラーと相性が良い。
暗めの色よりは明るい色で合わせたいですね。
個人的にはグリーン推しですが、ホワイトも。
こちらは横糸にベージュっぽい色の糸を用いているので、白というよりはアイボリーのような色味に近いです。
薄い色合わせに活躍しそうで、
使いやすいのはホワイトですかね。
でもやっぱりグリーンを推したい。
サラッと白シャツぐらいでも様になりますよ。
池本
AURALEE / WASHED FINX HERRINGBONE SLACKS
グリーンに合わせたトップス。
AURALEE / CASHMERE HARD TWIST KNIT CARDIGAN
ホワイトに合わせたトップス。
Cale / SUPIMA COTTON SHIRT
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