見出し画像

Kaptainの夏パン

ショーツ以外で春夏に涼しく穿けるボトムスはありますか?


この質問は毎シーズン必ずいただきます。


というのも、ショーツを穿かない方からすると本当に必要なアイテムで、夏は何よりも優先して探したい方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。


この質問に対して去年までの僕なら迷わず、

「TEATORAのDOCTOROIDが一番涼しいですよ」

そうお伝えしていたと思います。

TEATORAのDOCTOROIDに関しては前々回の「夏を制す」をご覧ください。


ですが、今年は違います。

DOCTOROIDシリーズの他に、もう一つご紹介したいアイテムがあるんです。

圧倒的な機能性で「夏を制す」TEATORAに勝るとも劣らない、「夏に適応する」ようなボトムスが。


まずはご紹介します。

本日の主役、Kaptain Sunshineの「Sideseamless Easy Pants」です。

Kaptain Sunshine / Sideseemless Easy Pants




このアイテムとの出会いは去年の7月、代官山での展示会。

もう間もなく8月ということもあり、東京はうだるような暑さでした。

雲行きが怪しく今にも降りだしそうな曇天で、湿度も高くてジメジメした天気だったのをよく覚えています。


そういう理由もあってか、とにかく夏に涼しく穿けるボトムスがないか注視していました。


今日の天候で涼しく穿けるなら
これ以上の物はないだろう、と。


元々僕自身があまりショーツを穿かないので、夏にフルレングスで涼しく穿けるボトムスを求めていたということもあります。


このボトムスをパっと見た時には、

あ、これ涼しそう。ぐらいの感想しか出てこなかったのですが、実際に着てみると、


これだよ、求めていたものは。
こういうのが穿きたかったんだよな、と。

「涼しいのにちゃんとしてる」ボトムス。

涼しさを求めるあまりリネン100%の毛羽だった固い風合いだと野暮ったくなり、アルチザンすぎて着るのが難しいのはよくある話。

そうはならないあくまでトラディショナルな雰囲気で綺麗に穿ける、かつ少し男らしくもあるまさにKaptainらしいアイテムです。これは。


それではまず生地から。

経糸にコットン、緯糸にシルクリネンを用いたメッシュ素材。

メッシュと言うとニットなどの編み物をイメージされるかもしれませんが、織物でも網目状の物はメッシュと呼ばれます。


まず良いと思ったのが、メッシュの細かさ。

一般的な織物のメッシュだともう少し織目の粗いものが多いですが、この素材は比較的高密度。

なので透け感がほとんどない。

かと言って全く透けない訳ではなく、近くでみるとわずかな透け感。

通気性を保ったうえでの、このバランス感が上品かつ大人の色気を漂わせる。


抜け感がありつつも、品があり、野暮ったそうで実はちゃんとしている、まさにKaptainらしい「余裕のある男らしさ」を感じます。


そしてメッシュ素材は通気性に優れているだけでなく、構造上肌への接地面積が少なくなるので汗をかいてもべたつかず、サラッと肌触り。

加えて強撚糸とリネンを掛け合わせることによって生まれるシャリっとした質感。


リネンは繊維の中央に細い穴が空いていて、この部分が水分を吸収し、さらに通気口のような役割を果たすので、吸水速乾に優れる特性があります。


TEATORAの時にもご説明いたしましたが、吸水速乾に優れるということは同時に、「涼しさ」にも優れています。


もう一つ良いのが素材感とパターンのこれまたバランス感。


このコットンとシルクリネンの風合い。

リネン特有のネップ感で粗野な風合いもありつつ、ところどころにシルクのきめ細かい光沢が品の良さも生む。

素材も縫製も一級品なKaptainだからこそ作れる至極の生地。


そこに加えて諸々のパターン。


コットンの混紡率が高いことと、サイドシームレスなパターンでふんわり感があり、生地にとろっとした動きが出ている。

緩くかかったテーパードに、センタークリースがスラックスのような佇まい。

かと思えば全てパッチポケット、ウエストはイージー。ややカジュアルでリラックス感のある印象も。



股の縫い合わせ部分にはガゼットも施され、運動量も確保されています。


インシームの裏側、縫い代はオーバーロックでは無く折り伏せ縫いで処理。
細かい部分ですがより肌当たりが良くなるように意匠が凝らされています。


ドローコードは生地と共地なのも細かいポイント。


こういった細かい部分の積み重ね、そしてそれぞれが相互に作用しあうことによって作り上げられたボトムス。


ワークとドレスの丁度真ん中を行くようなパターンのバランス。

野暮ったさと上品さを同時に成立させる素材感のバランス。


惚れ惚れする塩梅です。

展示会の最中に夕立があり、展示会が終わって外に出た時は空気が澄んでとても気持ちが良い気候だったのを覚えています。

その時を思い起こさせるような、夏に適した気持ちの良い服です。

今回ご紹介はしませんでしたが、
セットアップでシャツジャケットもございます。

気になられた方は是非試してみてください。


池本

Kaptain Sunshine / Sideseemless Easy Pants

Kaptain Sunshine / Field Shirt Jacket

Cale / SF天竺 CREW NECK T-SHIRT





































この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?