心に花を、装いに彩りを
ご無沙汰しております。
結局口だけの池本です。
まずは謝罪からでしょうか。
年末のインスタライブで今年は週一で更新すると。出来なかったらぶん殴ってくださいと。
そう言っておきながらこの始末。
普段の業務を行う中では中々ブログまで手が回らないという言い訳をしたいところですが、すみません。
普通にサボりました。
という訳で早くも週一更新は無くなりましたが、細々と続けてまいりますのでご興味のある服についての記事などはご覧いただければ幸いです。
さて、このまま続けるとグーが飛んできそうなので、都合の悪い話は何事もなかったように早々に切り上げまして本題に入ります。
今回はシャツです。
いえ、今回もシャツですね。
というか今年にはいってからというものシャツについてしか書いていない気がしますが、一年の3分の2はシャツを着ているぐらい好きなので自然とこうなってしまいまして。
仕入れも春夏はシャツが大量です。
そんなシャツの中でも今シーズン最もオススメしたいカラーリングのCaleのシャツをご紹介します。
Caleのシャツに関しては昨年もご紹介しましたが、あのシャツと形は同じです。
僕が一番好きな形ということもあり、ここ数シーズン当店では継続してご紹介しているこの形。
Cale / 100/2 BROAD CIRCULAR TUMBLER SHIRT
100番手の双糸を用いて高密度に織り上げたブロードクロス。
仕上げにタンブラー加工を施しふっくらとした風合いを出しつつ、シュリンクを入れて少しシボ感のある生地表面。
綿本来のこのふっくら感は袖を通していただかないと伝わらないと思いますが、袖を通すと実感していただけると思います。
フワッとします。
そして一番嬉しいのが何も気にせず洗えるという部分ですね。
洗いざらしのシワシワで着てもカッコいいです。ドレスに見せてカジュアルな要素も多いので。
ステッチレスで独特なパターンの襟元。
品がありつつもちょっと違和感があってそれがクセになる。
裾は前後で着丈に差をつけ、ほぼラウンドしないボックスカット風。
袖先は袋縫いでステッチが出ず、洗練された印象に。けれどガントレットボタンは付けずに抜け感と快適さをプラス。
そしてこの剣ボロ。
剣先のように尖っているから剣ボロなのに、あえて四角にしてしまうこのセンス。個人的に気に入っているディテールです。
前立ての見返し部分あまり見ない細さ。
表から見るとほんのり透けて品のある印象。
そして相変わらず脅威的な運針数に寸分の狂いもなく真っ直ぐに縫われた縫製の精密さ。
デザイナーの佐藤さんも「縫製が服の顔を作る」と仰っていましたが、その信念に違わぬ美しさがある。
一見凄くシンプルなのに存在感がある。
言葉が合っているか分からないけれど、このシャツが持つ存在感は重いという感覚に近い。
ハンガーにかかっていても、実際に着てみても重厚感があるんですよね。
それ程に強烈な個性を発せられるのは、自らに課した誓約に一切の妥協を許さず貫き通しているからこそでしょう。
少なくとも僕はそう思います。
ディテールをご紹介しましたが、ここに加えてやっぱり色がですね、本当に素晴らしいというか、どこまでも僕の好みにドストライクというか外さないというか。
完璧です。
来年はこういう色が着たいなという気分を拾ってくれるんですよ。
半年前の展示会で見た時、その時点で来春に良い色だと思ったのでいざ季節が進んでくると当然ますます気分になっている。
少しクリームがかって
薄ぼんやりとしたYELLOW。
マゼンタに春の青空と
そこに散らばる雲を混ぜたようなPINK GRAY。
2色とも佐藤さんのカラーセンスが爆発していて、2色欲しい方もきっと多くいらっしゃるでしょう。
ここで恒例の池本推しカラーをご紹介します。
お店に通ってくださっている方々はお分かりかと思いますが、僕はイエロー推しです。
半年前からイエローイエローうるさいなと思われていた方もいらっしゃるかもしれませんが(実際本当にうるさかったと思います)、一度ご覧いただくとしつこく言っていた理由を感じていただけると思います。
ぱきっとした主張の激しいイエローではなく、穏やかな春の陽光がたまっていくような淡く優しい色合い。
まさしく春光麗らかな日のように、気持ちの良い暖かさがじんわりと広がっていく。
一難去ってまた一難という風に寄せては返し迫ってくる暗影に、出口が見当たらず暗然たる想いになりやすかったこの数年間。
このイエローはそんな荒んだ心に沁み込んで、ゆっくりと癒してくれる。
二度と太陽は拝めないと諦めかけてしまうような分厚い雲の隙間から、そっと差し込む一筋の光。
それはゆっくりと、退屈な速度かもしれないけれど確実に広がっていきやがて心に一輪の花を咲かせるような。
希望を持って穏やかな気持ちで自分自身に向き合っていける。
気持ちがフワッと軽くなる。
不思議と前を向きたくなる。
そんな感覚をもたらしてくれる色合いです。
展示会で着て直ぐに買おうと決めましたが、佐藤さんにお礼を言って会場を出た後に自然と顔がほころび、なんだか楽しくなってスキップしたいぐらいの気持ちになったのをよく覚えています。
毎度毎度戻ってくるつもりあるのか、という勢いで脱線しまくりで申し訳ないですが、何が言いたいかというと色にはこんな風に感情を揺さぶる力があるので色物を提案させてください、ということです。
装いに彩りを、です。
温度感を感じないカラーリングがずっと流行してましたが、本当に久しぶりに色物がトレンドになっている。
色物に挑戦するなら今シーズンほど周りが味方してくれる時は無いと思います。
ブルーのデニムは間違いないし、ネイビーやブラウンも良さそうですね。
ジャケットのインナーにイエローを挿すのも僕は好きです。
絶妙にこダサい感じが逆にいいというか、決めすぎずダサすぎない感じとも言うんでしょうか。
ただ、勿論ピンクグレーも良い色です。
このブログは僕の庭みたいな感じで好き放題やっているので(その内怒られそう)、どうしても偏りやすくなってしまいますが、単に僕がイエロー好きなだけです。
僕がイエローを見て先程のような感想を持ったように、ピンクグレーに心を揺さぶられる方も勿論沢山いらっしゃると思います。
僕も余るなら2色欲しいですからね。
ようやく着用の撮影時間が取れたと思ったら天気が悪く、あまり写真が取れなかったのでコーディネートはお店で提案させてください。
とりあえずデニム穿けばいいぐらいに思ってますが。笑
明日は午後から雨脚も弱まるみたいですので、ご興味を持っていただいた方は是非お立ち寄りください。
今週のラッキーカラーもイエローな池本が、イエローのシャツを着てお待ちしています。
池本
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