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「トゥー・デイズ」

原題:2 Days in the Valley
監督:ジョン・ハーツフェルド
製作国:アメリカ
製作年・上映時間:1996年公開 104min *Hulu視聴
キャスト:ダニー・アイエロ、ジェームズ・スペイダー、エリック・ストルツ、シャーリーズ・セロン、ポール・マザースキー、グレッグ・クラットウェル

 1996年公開からも分かるように、今の映画に多くみられる速いテンポや内容の濃さ、緻密さはには欠けるが役者が揃うと時代が経っても観られることはローマの休日然り、そこは時代の古さを言い訳にはしない。

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 売れない監督と看護師、その看護師を姉に持つ古美術商と秘書、売春を追う二人、冷酷な殺人者と落ちぶれた温情ある殺人者、殺人依頼者とその友人、総計10名が一つの殺人に夫々の立場で絡んでいく群像劇。
 文字にすると複雑そうに見えるが最初に伝えたように話は全く立て込んでいず、話の展開に合わせてゆっくりと絡み始める。

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 そもそも観ようと食指が動いたのは、この作品でシャーリーズ・セロンがデビューしている只その一点だった。
 「えっ?」と驚く今との違いだが、彼女の美しさは変わらない。私の中では後ろ姿が華奢ではなく、つまり、しっかりしていらっしゃる彼女をずっと観てきた所為か、只々女性を前面に出した演技が予想を超えてしまった。
 日本に限らず、女優としてデビューするそこにはこうした女性をセールスする形も受けざるを得ないのかと悲しい面ではある。

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 夫々の配役のキャラクタがしっかりと描かれていること、加えて少しずつのキャラクタの変化は丁寧で楽しめる。期待もしていなかった面白さの一つは、至って一般的な殺人を扱う作品で笑いを取るものではない筈が挟み込まれるコメディタッチ描写の全体とのバランスが絶妙。最後には、現在のシャーリーズ・セロン女史にはこういうシーンは振られないだろうという、彼女の「成功あって」のシーンが観られる。
★★☆

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