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公的場での私的空間認識

 今回の場面は電車内ではなく、レストランでの驚かされたあるテーブルのこと。
 私自身一人で食事をすることは多い為一人ごはん自体に驚くことはないし、否定もしない。婚姻関係を択ばない人が増える中、加えて高齢化も進む背景がある以上一人で食事する風景は今後も増えていく。
 けれども、問題はそこではない。同じレストラン内に居た彼女のスタイルは誰が見ても浮いていた。こちら側が見てはいけないものを見てしまい見なかったことにするしかなかった。
 ファストフード店ではなく、お高いレストランではないがランチは2,000円前後でサービスも丁寧にしてもらえるレストラン。パートナーともよく利用することもあって顔を覚えられ一人で入店してもスタッフと笑顔で席に着くことができるところの一つ。

 彼女はおもむろに周囲に配慮するでもなく、スマートフォンをスタンドに設置しイヤホンをつけ動画を見始めた。有線イヤホンであった為、イヤホンの線が食事を境界線のように囲みさながら結界風景は更に異様さを目立たせる。
 自宅で一人の時は私もニュースチェック、或いは、動画再生しながら食事をすることは普通にある。
 だが、それを公的な空間で行うことに違和感がある私が世の中からズレていっているのだろうか。お一人様と呼ばれる中身はこれらも許すのか。
 ファストフードならよくてお値段はるところではいけない、そういう話でもない。ファストフードで取り敢えず時間の隙間でエネルギー補充して次の仕事という展開ではメールチェックはじめ行儀悪くても食事をこなしながら同時進行することは生じる。

 自宅では自分で作るしかない食事を外食では誰かが作ってくれ、一皿ごと食べ終わると下げてもらえる。私はお金を払えば当然とは考えられず、これらはしあわせな時間と捉えている。素直に美味しい食事をベストの状態で提供してもらえうれしい。
 耳をイヤホンで塞ぐことで一旦周囲から私的空間を確保しているようでも、貴方は偽物の透明マントを着て周囲から見えないつもりでいるだけ。
 私には構わないでというサインにレストランスタッフもサービスに困られたことだろう。

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