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羽田から長崎へ

 何度見た景色だろう、それでも眼下に広がる景色を見飽きることがない。
 前夜は片付け等に追われ深夜というか明け方近くというべきか4時近くにやっと眠りに就き、翌朝7時には起床というハードな背景があったにも拘らず飛行機の小さな楕円の窓の外に広がる鳥瞰風景に見入ってしまう。

 季節が冬に向かい陽射しの角度が変わったことで見慣れた風景の筈が、陰影を伴い更新された地図でも目にしているように目新しい。
 特に山間に流れる川は銀色に光り、その光る曲線は昔話に出てくる生きた龍が居るような雰囲気を醸し出していた。昔話が出来た時代はこうして上空から見ることは出来なかった筈だ。それでも、枕草子が今読んでも現代ブログのようで違和感がないように人が空想、想像する世界はそう大差がないのか。
  けれども、先達て訪ねた塩原湖は地上から見ている分は痛みにならなかったダム湖が、上空からでは人間の勝手で変えられた不自然な姿が明確で、自然発生の湖とは佇まいが違って映る悲しさ。


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