知っているつもりと知っているの間にある埋められない溝:唐突の松葉杖生活
同じ兄弟でも弟は整形外科・外科のお世話になることはあっても内科はあまりご縁がない。それに対し、私は月齢から内科通いの上に入院経験も数度あり、手術経験、救急車利用も数回と完全に内科は現在も生活から切り離せない存在。
そんな私が今回整形外科へ行く展開になった。
先週末土曜日夕方、ヒールの高さに責任転嫁するつもりはないけれども足首を捻った。それも、表現がつらいが見事にグニャリと捻った。
捻挫にしては痛みがひく気配をみせない。
骨の痛みは筋肉痛とは別物の認識は辛うじてあった。だから、多分、捻挫ではないことをその時点で9割覚悟した。
剥離骨折等でなければ良いのにと願いながら、ただただ何も動きが取れない日曜日を安静で過ごす。本当に長い24時間と少しだった。
月曜日に整形外科で捻挫ではなく腓骨骨折が判明する。
しばらくまともに歩けないことは承知。
車もギブスの足では運転出来ない。
2月の予定は全てリスケ。
ヒールの靴で足を捻ったくらいでも生活は大きく変わった。
一番堪えたのは好きな時に淹れたての紅茶さえ自分ではすぐに用意できないことに現れているように、日常の些細な行動さえ我慢を強いられる。
パートナーは決してイヤな表情一つ見せずに対応してくれても、だ。
今は一時的障碍者として、人に頼まなくては望みが叶い辛いことを経験中である。
診断後、ギブス固定し看護師さんから松葉杖使用について指導を受けた。
上の写真にある3点歩行について先ず教えてくださる。
3点歩行は最も使われる歩行方法、患側下肢にどの程度荷重をかけるかで3つに分けられるらしい。私の場合は、そう遠くない日に松葉杖1本のことを想定か
・2動作歩行(松葉杖+患側→健側)
松葉杖と痛い足を同時に前に出す ➡ 痛くない足を揃える
と、教えられた。
レクチャーの最後に、看護師さんに松葉杖を使用して負担がかかる場所を念の為に伺う。
昨日から松葉杖を使い始めたとはいえ、その使用時間はとても短い。
その短時間でも、今朝は看護師さんがおっしゃったように掌と胸筋が痛くて松葉杖を使いたくないくらいだった。健全な左足もフル稼働で体を支えていて体左側に部分的な痛みが出てきた。
歩くために手(腕)を使うことが松葉杖の世界であることを漸く知る。加えて、松葉杖2本を使って移動する時は両手が塞がり物を持てない。分かりそうなことではあるが、実際に生活という現実の中で知らされるのだ。ドラマや映画で松葉杖のシーンを見るだけではこの不自由さは理解不能。
始まったばかりの松葉杖生活では普段無意識の何気ない行動さえ難儀。
・外開きのドアを閉めること
・服の着脱
・寝返り
・階段昇降(今しばらく家の2階へは段差があり特に厳しい)
・雨の日は外出できない
・入浴禁止(シャワー生活)
こうしたことが慣れた頃にギプスが外れるのだろう。
一般的に骨折はリハビリも入って完治目安は100日と先生に言われる。
2本足歩行に支障が出るとこんなにも生活が不便だなんて、筋肉痛をお供に松葉杖体験はしばらく続きます。
*十日後の報告
今日通院し浮腫みが取れていないことを指摘される。痛めた足側の大腿四頭筋の筋トレを先生から先週同様念を押された。
十指あるからといってもその内1本が怪我をして使えなくなると途端に小さな指の存在を知らされる。
手も足も2本ずつあるが、決してスペアの為ではない。利き手、軸足の怪我でなくとも本当に不自由な生活を強いられる。体には欠けても大丈夫なところなどないことを痛感している。
日常生活では布トートを肩掛け利用し手に持てない小物は運ぶようになったが、移動に時間がかかる。時間がかかる故、追加を取りに戻ることを躊躇する。
こんな時だけ此処がワンルームだったら良かったのに、と全く役に立たないことを考えてしまう。全く邸宅に程遠い拙宅だが、一階は約10畳広さの部屋が縦に3部屋続く。その一番奥の唯一の和室からもう一方端のダイニングまでがこの足ではまだ遠く感じる10日経過現在。
因みに、筋肉は使わなくては細るのは事実だった。10日間で大腿部の左右差1.5㎝。
併せて意外にも、オリンピック体操とは違う世界で体操競技の平行棒が如何に大変かを松葉杖で知ることになった。
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