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収集癖とミニマリスムの間に生じる齟齬

 理想とする空間はホテル。
 何も置かない、ではなく寛ぐ空間の為に考えられた色や調度品の程良さ
 雑誌等でよく組まれるテーマの断捨離が何もかもを叶えるわけではないだろう。捨てることが目的になりそうな発想で私は苦手。
 それよりも、自身の生活で何を必要としているのか、最低限の基準が何かを明確にする方が生活は整う。生活することは自然と物が増える為に一定の空間を維持し続けるにはこのことは絶対条件となる筈。

 ある時、地味に増え続ける食器類に鉄のルールを敷いた。
 折角気に入り集めてきた食器をハレの日用にすることをやめた。大切にし過ぎず日常使いに変え、リビングの飾り食器棚からキッチンにある生活使いの食器棚へ移す。全部は入りきれない量だった為、頻繁に使用する種類、大きさに限定した。
 当然、押し出された食器が生まれる。これらは友人らに声をかけ引き取ってもらった。現在は、幸いにも維持出来ている。

 問題なのは、本の増殖。本が勝手に増えるわけではないのだが、つい収納余裕など全く考えずに買ってしまう。仕事柄本は必要ではあるが、全ての本が仕事用なことはない。
 一部屋は完全に小さな図書館状態で書架だけにしたが、それでも収納力は時間の問題で飽和状態を誤魔化し誤魔化し.....。
 現在外出時間が減った分を再読に充て、本の内容を自分の裡に収め直し潔く本自体を処分したならよいのだろうが食器のようにいかないのだ。
 パートナーは驚くほど読んだ文庫本など躊躇なく捨てていくが、私は文庫本でさえ出来ない。困ったこと。
 それでも、本にしても私一人に読まれて終わりよりも、もっと読まれた方が良いとは以前から考えていて、友人らへお貸しする時は基本差し上げたつもりでいる。唯一本が少なくなるのはこの部分だけ。
 皆さんは増える本をどうしていらっしゃるのかしら。

*タイトル写真:ナポリ宿泊ホテル

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