塩原湖8

能書き不要の滝

 塩原湖(ダム湖)に最初に立ち寄ったのはもみじ谷大吊橋だった。
 雨にも拘わらず当初の予定通りで動いた人でもこの吊り橋は賑わっていた。橋の上で傘をさしての渋滞も好ましいことに見えず、加えて周辺があまりに観光地化され如何にもと云った土産店の建物が視界に入り車から一歩も出ずそのまま奥へ車を走らせた。

塩原湖7

 ほんの500m程北上するだけで右往左往する人の姿は消え、私たちの車が駐車場に入った時は他に1台駐車しているだけだった。

塩原湖13

 まさかの雨だった為、私の足元はトレッキングシューズではなく只のウォーキングシューズでかなり冷や冷やしながら濡れた道を進んだ。せめて曇りであったなら周辺を散策出来ただろうことが唯一残念だったこと。

塩原湖4

 こうした写真が撮れるほど訪れる人は少なかった。回顧の吊橋で滞在中すれ違った組は僅か3組。お陰で話声が静けさを破ることなく近く遠くの水音だけが主役で辺りに響いていた。

塩原湖10

 α波 1/fのゆらぎを知らなくとも滝の音を聞く、滝の音を全身に浴びる心地良さは理屈抜きだ。
 帰宅してすることの一つにドライブの復習としてナビゲーションの道を確認することが長いこと習慣になっている。
 回顧の吊橋が架かる塩原湖を航空写真(Google map)で見ると水量が全く違い塩原湖全体が干上がり同じ場所には見えないほど。
 このところの幾つかの台風は各地で災害を伴ったが、自然の姿をここまで変えてしまうことに改めて驚く。

 回顧の滝観爆台に雨をしのぐものがあれば、しばらく居たかった。
 こうした自然の中に入ると、主役が明確に逆転し、少なくとも私はその自然の中に居させてもらっている感覚になる。自然の一部になって邪魔にならないよう居ることのある意味こころの解放感は日常からかけ離れたところへいざなってくれる。

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