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家族が居たその場所:いつまでそのままにしていますか

 タイトルを入れる際に「かつて」と冒頭に入力しようとして、やはり、あまりにも如実に過去形が悲しくて省いてしまった。

 Moon(ミニレッキス)が赤ちゃん時代は当然目が離せないこともあってリビングにケージを設置出来ず、家族が(と云っても二人だが)一番居るダイニングに彼の部屋を作ることにした。
 最初こそ慎ましい広さだったが、成長に合わせ増築を重ね最終的にはロフト付きで一畳半の広さまでになった。こうなるとダイニング自体がMoonの部屋のようで私たちはお邪魔している感が強かった、勿論、イヤなことではない。その証拠にMoonが二階の彼の部屋に遊びに行くとマーキングの意味もあってフンが撒き散らされるがダイニングではケージ内でしかフンは落とさずダイニングは牧草は散っても綺麗だった。
 うさぎのフンは匂いもほぼ無く乾いている。Moonが虹の橋を渡ってからもうすぐ5か月だが、十分に掃除している家の中でどこからかあの子の丸い乾いたフンがコロンと落ちていると天国から落としたの?と聞きたくなるほど妙にうれしくなる。

 そのダイニングを占拠しているMoonの部屋を私はまだ片づけることが出来ないでいる。ストックの牧草やおやつはお世話になった病院へ寄付、また、友人に引き取ってもらいMoon関係の品は少なくなった。
 TVドラマで先立った子の勉強部屋をそのままにする状況が、今はよく理解できる。パートナーよりも私の方がMoonの不在を引き摺っているのだが、パートナーが強引にもう片付けてしまおうよ、と言い出さないことに救われている。

 春が来て、夏が訪れ一周忌の頃には新しい形でMoonとこの家で暮らしているのだろうか。

 

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