日本の東西南北制覇を目指して:波照間島へ③日本最南端地
波照間島に夕方到着し一泊した後の翌日、実質二日間の貴重な一日。
宿で簡単に朝食を済ませ、前日石垣で準備していたlunchを北浜できれいな海を前に贅沢にいただいた後いよいよ自転車で日本最南端へ向かう。
木製の、それも絵画のように弧を描いて規則正しく続く電信柱はマウイ島(ハワイ諸島)を懐かしく思い出させた。
朝から風が強く、雲も中々去ってくれない天候ではあったけれども、ペー浜から最南端地まで一台の車ともすれ違わず、他の観光客と会うこともなく貸し切り状態で久々の自転車での移動を楽しむ。
先ずは、遠くに見える周囲を畑に囲まれた灯台を目標に南へと進む。
駐車場には自転車の前かごに数本の空ペットボトルが入った自転車が一台だけ。此処も、また、静かに風景を楽しめるらしいことが入口時点で判明。
写真奥に見える星空観測タワーには残念ながら今回は休館中で行けなかったが、写真を撮るうえではその存在はブローチのように小さくてもアクセントになってくれた。
実際、時間をかけて波照間まで訪ねた。しかし、最東端の納沙布岬を訪れた時のような漸く辿り着いた感が乏しかった。
東京から釧路まで飛行機で移動したのは、今回も東京から石垣まで空路利用と変わりはない。けれども、釧路から東へ東へとナビの地図が変化していく様子がその距離は約150kmと長くなくとも少なくともその3時間あまりの移動時間は期待を膨らませていたのだろう。
東京から釧路間の飛行距離は約866km、フライト時間は片道約約1時間35~40分。東京から石垣間の飛行距離は倍の約2,000Km、フライト時間は片道約約3時間40分。数字的には見合った移動時間だったかもしれないが日本地図で見るような距離感を実感しないまま、最後のアプローチは自転車ですぐに到着してしまった。
といいながらも、勿論、誰かの視点から見た写真ではない目の前に展開する風景は十分にこころを満たしてくれた。
北浜の穏やかな海とは全く様相を異にして荒々しい琉球石灰岩が侵食できた断崖は迫力ある姿で1kmも続く。
危険な場所の為断崖の上から真下を覗き込まないよう注意があるが、とてもではないが怖くて近づくことさえできない。
波照間島は最大長6km、最大幅3km、海岸線長約15kmと小さな島ではあるが、まるで宝箱のようにその中に凝縮された風景が収まっている。
小さな島に大きな風景が収まっている不思議。
観光客の勝手な思いではあるが、私は此処に島時間を壊すようなリゾートホテルに進出してほしくない。
日本最南端記念碑を撮影して、さぁ次、とはならずに街灯も少なく目印になる建物もほとんど無い帰り道を迷わず宿に戻られるよう空の明るさと相談してかなり長くこの海岸を楽しんだ。
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