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「9人の翻訳家 囚われたベストセラー」

原題:Les Traducteurs
監督:レジス・ロワンサル
製作国:フランス・ベルギー
製作年・上映時間:2019年 105min
キャスト:ランベール・ウィルソン、オルガ・キュリレンコ、アレックス・ロウザー

 ダン・ブラウンの小説「インフェルノ」出版の際、違法流出防止のため各国の翻訳家らを監禁状態にして翻訳させた実話を元にしたミステリー。

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 英語、ドイツ語、スペイン語、ポルトガル語、中国語、ギリシャ語、ロシア語、イタリア語、デンマーク語、決してヨーロッパ諸国で招集されていなくても日本語よりもギリシャ語の方が読み手が多いのかと疑問が浮かび、先ずこの選択が面白かった。絵的に東洋が中国と日本では様にならず取り敢えず人口が多い中国が択ばれたのかと推測。
 メンバーは個性的に演出されている為、9人と人数が多くとも混乱することは全く起こらない。

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 彼らが連れていかれる場は隔離された所であっても、窓が無い高級リゾートホテル並みに整えられ翻訳をするだけであれば問題はない。
 だが、密室でありながら原稿が外部に流出する辺りから謎解きとなる。

 アガサ・クリスティー的な何でもあり、後出しじゃんけんの様相が強かった。確かに、かなりプロットは組み立てられてはいるが大事なところで雑に処理されていたり、唐突だったりと消化不良を起こす。最近の映画が120分超えが多いことを考えるとあと10分追加し核となる部分の背景を描いても問題はなかったのではないか。
 原作小説の一部他、引用文を語ることが多くどれがキーワードになるのかと意識する時に字幕頼りの言語フランス語は辛かった。ただでさえミステリーにしては情報が少ない中、全ての言葉を脚本通りに聞くことができないことは厳しいと感じる。
 ありふれたトリックではあったが、映像の見せ方等工夫もあった分残念な仕上がり。
★★☆


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