大英自然史博物館

新種小型甲虫 命名「グレタ」:報道の限界

 私が虫一般多くの種類を苦手なことが、このニュースを皮肉に取ってしまったのだろう。星に自分の名を付けてもらえたなら空を見上げる喜びがある。花であればいつか手にして愛でたいと考える。
 だが、ニュースに挙がった新型甲虫はムクゲキノコムシ科に属し、体長がわずか0.79ミリ、淡黄色あるいは金色、羽や目が無い。写真無しでは中々想像が難しい。

グレタ

 ケニアで1960年代に発見されながらも命名されていないことに気が付いた自然史博物館(ロンドン)職員マイケル・ダービー氏が「世界的運動の火付け役となったグレタさんの活動を称える狙い」で名付けたという。
 名前が付くということは後世まで続くことではあるが、私にはどの部分に称える要素があるのか最初は理解できなかった。
 この甲虫には決して非はない。反対に人間の勝手で命名される虫たちもお気の毒。
 短いニュースの限界で、その小ささや目が無く羽が無いことが発言者によっては彼女への皮肉に取れてしまう深読みを生む。皆が虫好きではないことを念頭にもう少し丁寧に言葉を補足しているニュースであったなら誤解が生じる率も下がっただろう。
 ニュースだけでは悩みそうだが、彼は「私はグレタさんの大ファンなのです。」また「このようなカブトムシはいたるところに生息しているが、極小サイズのためほとんど研究されていなかった。」と発言していた。
'You are never too small to make a difference.'A new species of miniature beetle has been named after Greta Thunberg, in recognition of her advocacy for climate action and protecting the natural world

 数行だけのニュースで分かったつもりは本当に怖い世界。

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