今週読んだ漫画(〜2022/01/19)

―――ゲイバーで働く千歳のもとに、身分を隠したランダム通話アプリで偶然知り合った顔も知らないサラリーマン・植木凌が突然客として来訪する。女装姿を凌に冗談で笑われた千歳は「お兄さんのことは楽しませられないみたい 二度と来ないで」の冷や水と共に彼を追い返すが、何故だか凌はその後もしつこく千歳の元を訪れ……何度でも間違えつづける不器用な2人の、答え合わせのような両片思い。―――

■いい恋愛を読んだぜ~~~~ゲイバー勤務ドラァグクイーン普段の一人称"俺"年下女装攻め×対人能力赤ちゃんレベルの年上ノンケサラリーマン課長受け…⇒日本語の枠組みの時点で既に奇声上げてビビり倒すくらい良すぎんだろ流石に。こわいこわい!■そもそも『駅近のバーで働いている』ことしか教えてもらっていないランダム通話アプリの相手を勝手に探し出して会おうとしちゃうところ、見事に出禁食らった店にその後も押し入って「どうしても謝りたいんだ」などとキャストの素肌を無理やり掴んじゃう←それ夜の店でやる!!??的な驚異的常識の無さ、「ゲイの人は何をやられたら嫌で何を…」とかアホアホすぎる大雑把な括り方で質問しちゃう想像力の低さ―――それらのマイナス側にメーター振り切っている要素が「本当は君と毎日話すのが楽しくて それが無くなるのが嫌だった」という5歳児みたいに屈託のない照れた笑顔で吹き飛んでしまうのだから凌さんは本ッ~~当に、ズルい大人だなと思います!そんな具合で千歳との友人関係を必死にもがいて続けようとする受けリーマンの凌さんのキャラ性が濃いめに抽出されていてとても良かった1作。割とどうしようもないところが多いし、千歳くんも最後の頃には「あんた本当にひどかったからな 良い所もあったけど…」などと呆れ顔で洩らしてしまう始末。ですがどう転んでも憎めないのは、ただただ不器用でただただ優しくてただただお節介で、それゆえに好きな人とのコミュニケーションで間違いを犯しまくる人であることが作中で痛みを伴うほどに描写されているからでしょうなあ。是非この笑顔と泣き顔がカワイイ赤ちゃんをその目に焼きつけ目撃してほしい。■千歳くんのモノローグ多めに進行していくところも読みやすくて◎。千歳くんの女装へのスタンスがとてもかっこよくて綺麗で素敵ですね。「その日魅せたい理想のために 衣装にウィッグ メイクを選んで幕を開く そうしたら出会った皆がハッピーになるから」という2話冒頭の独白がパワフルに可愛くて好きです。■サブキャラ陣、役回りも十分だし魅力的すぎる……なんでも今作は作者さんにとっては3部作の3作目にあたる作品らしいので前作らも読んでみないとですね。ただ、この1冊だけでも十二分に楽しめました。

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