雨の屋根裏
雨の東京。午後9時42、3分を回った
窓の近くに雨音。本当は降っているはずなのに、屋根にあたる雨音は聞こえない。
屋根裏部屋のせいだろう。自分が言った。
保育園児の頃、屋根裏部屋に憧れた。どこかのアニメか何かで見たのだろう。無駄な知識に憧れを持たされた。
小学2年の頃、この家に引っ越した。
憧れの屋根裏部屋。折りたたみの梯子を下ろし、好奇心に満ちた目で足を進める。
その頃はまだ新築で、何も無い。今よりも広々としていただろう。ただ私は、部屋の天井の低さに圧迫感と蒸れた暑さの匂いに、その場から降り去った。
今の飽き性な性格は、この頃からだろうか。
屋根裏部屋の今は、ただの荷物置き部屋。
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