Orbit Culture 『Nija』(2020)
2013年にスウェーデンはEksjö(エークシェ)で結成されたデス・メタルバンドOrbit Cultureの2020年発表アルバム『Nija』
前作『REDFOG』がある一定の評価を得たものの、そこに満足することなくさらにそこからブルータルで奥行きのあるグルーヴ感が増し、唯一のオリジナルメンバーVo/GtのNiklas Karlssonの野獣のような歌唱はより力強い咆哮になった。
新たに加入したChristopher Wallerstedtのドラミングはバカテクかつパワフルで、これまた確実にバンドの質を上げる方向に繋がっている。
Upon a burning body等のゴツめなデスメタルバンドを近年排出しているSeek&Strike Recordsからのリリース。
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Niklas Karlsson:Vocal/Guitar
Richard Hansson :Guitar
Fredrik Lennartsson :Bass
Christopher Wallerstedt:Drums
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■At the Front
荒々しくもしっかりと粒がまとまったサウンドは新世代のモダンコアメタルを感じさせる。
いきなりNiklasのクリーンでソウルフルな歌声と地を這うグロウルを一緒に聴くことができるゴージャスな幕開け。
■North Star of Nija
粒の揃ったギターの刻みと、地を震わすバスドラ連打が魂を震わす正統派ブルータルメタル。
ミドルテンポでゴツゴツしく進行したと思いきや、いきなり疾走し出すパートもあり、なんとも完成度の高い曲だこと。
■Day of the Cloud
グルーヴィなベース、破壊的なドラム、そしてザクザクとしていながら、しっとりと聞かせるギターサウンド、、どれをとってもかなり完成度の高いメロディックエクストリームメタル。
最終盤のスローなパートでは重々しくもテクいギターリフも聴く事ができる。
■Behold
憂いを含んだウィスパーからソウルフルなデス声、咆哮、ガテラル、、と徐々にNiklasの歌い方が変化していくミドルテンポの一曲。
彼の声を正しく形容する事は難しい。がしかしこの曲では彼の様々な歌声とともに彼の才能を改めて確認できるだろう。
■Open Eye
強烈なダブルバス連打、暴虐なギターとノイズ、無慈悲なホーンセクション、ヘヴィなグロウルが一塊になって襲ってくる。
エナジーに満ちた一曲。
■Mirrorslave
重々しいギターのダウンピッキング上等リフと呪詛的なグロウルに絡め取られそうな前半から一転、軽快に走るギターオリエンテッドな後半に繋がっていく。
■Nensha
荒々しいサウンドとリズムが支配するハードコアな一曲。
テクいギターノイズはジェントを感じるし、
ヨーテボリサウンドの風味も味わえる。
■Rebirth
プログレッシブメロコアとも呼ぶべき一見矛盾した概念だが、一聴すればその意味もなんとなく理解してもらえそうなくらい様々な要素が織り混ざった奥深い曲。
InFlames直径の空間系のサウンドにモダンで無機質な電子音をねじ込まれていたり、フックの効いた縦ノリのギターワークが冴え渡るなど、デスメタルの万華鏡やー。
■The Shadowing
一言、カッコいい!!
Niklasのスクリームとグロウル、そしてメロディックな咆哮、ギターのヘドバン誘発型ザク斬りリフ、ドラムの臨場感のあるビート、空間を覆うサウンド、すべてがクールすぎる。
■Set Us Free
雄大なオーケストレーション。
総合満足度 85点(最初の音から興奮が抑えられずニヤニヤが止まらないレベル)
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