見出し画像

Eternal Storm『From The Ashes』(2013)

スペインはマドリード出身のメロデスバンドEternal Storm

2007年から2009年の間はDeath Valleyというバンド名で活動。
2009年以降はEternal Storm名義でスコットランドはEdinburghに拠点を移して活動中。
そこまで古くはないバンドだが、奏でているサウンドは初期のAmorphisやEdge of Sanity、初期Archenemy等古き良きメロデス。BlindGuardianの要素も少し入ってるか…?

Kheryon (bass & vocals) 、Jaime TorresDaniel Maganto(ともにGuitar)を中心に結成、本作のデビューEP 『FROM THE ASHES』を2013年にリリースする。

このアルバムはwebzineのTheDrinkTimにてMOST PROMISING NEW ACT OF 2013を受賞するという快挙を成し遂げ、THE BLACK DAHLIA MURDERとのツアーやMetalfest(ヨーロッパで屈指の重要フェス)に出演するなど、快調なデビューを飾っている。

決して新しいサウンドではないし、聞いた事ないような新鮮な曲調をプレイしている訳ではないが、
あの頃の懐かしいメロデスがしっかりとおさめられている。

From The Ashes


そんな彼らのメロデスへの愛が詰まった安心できる一枚。

———
Jaime Torres - guitars
Daniel Jimeno - vocals, bass
Daniel Maganto - guitars
Luis "Lucho" Rodríguez - drums
———

■Unfading Memories
民族音楽の悲哀感、荒涼感、仄暗さ、そしてどこか開放感も含むアコギインスト曲。


■From The Ashes
静寂を突き破って流れ出す流麗で哀愁溢れるギターサウンドと、狂気に満ちたブラストビート。
2000年代初頭のメロデスでありがちだった、ツービート→ブラスト→ギタートレモロリフ→ユニゾンのサウンド展開は懐かしみすら覚えるほどだが、いまだに目頭を熱くながら聞けるくらいには大好物。
ギターソロの音選びは、まさに北欧デスメタルのそれで、こちらもご飯3杯は余裕。



■Boundaries Of Serenity
中東の香りもどこか遠くでするトレモロリフを主体に初期Amorphisを思わせるようなDanielの咆哮が覆い被さり、ミドルテンポで進行する。
アウトロのドラムの自己主張は果たして必要だったかは要議論。


■A Picture In The Dark
Freedom CallやGamma Ray、Primal Fearなど容易に想起させるジャーマンメタル直系のギターワークにメロデス成分を少しだけ降りかけた情熱的なメタルソング。
今回色々ディグっててこのバンドをに辿り着いたのだが、必然的にこういうサウンドに知らず識らずのうちに引き寄せられるのだなと、ジャーマンメタル的なサウンドの誘引力には抗えない事を実感。

■Eternity Forgotten (Follow The Cycle)
空襲サイレンのように掻き鳴らすギターリフを雄々しく叩き散らすブラストビートの波状攻撃が迎え撃つ疾走する開幕。
野獣咆哮の合間でぴろぴろしたり、キューンッ!ってピッキングハーモニクスを所々かますギターがかわいい。

■The Dream
トレモロリフを交えたクサメロディ満載の叙情型メロディックスピードメタル。
2:34辺りからの慟哭ギターソロからしか得られない養分が確かにある。


■Grey Skies
開幕ブラストでいきなり全速力の、タイトルとは裏腹の元気な疾走型メロデス。
BPM200以上はあるダブルペダル高速連打と分厚いギターサウンドが駆け回る。


■Distance
一曲目と対を成すかのような民族的なニュアンスを含むアコギで優しく締めくくるインスト曲。


総合満足度 78点

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?