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BLOODRED HOURGLASS『Your Highness』(2021)

フィンランド Mikkeli発のメロディック・デス・メタル・バンド、BLOODRED HOURGLASS
2005年に結成し、通算5作目となるフル・アルバム『Your Highness』を紹介したい。

Your Highness


北欧のバンドらしく美しいメロディと暴虐なリズムを淡々と紡いでいく様はChildren of bodom、Arch enemy、初期のIn Flamesを彷彿とさせる。
もっと日本でも有名になってほしいが、この筋のオリジネイター達が強すぎるのか、まだまだマニア向けのバンドになってしまっている。
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Jose Moilanen-bass
Jarkko Hyvönen-vocal
Joni Lahdenkauppi- guitars
Antti Neonen - guitar and Keyboard
Lauri Silvonen-guitars
Jaredi Koukonen-drums
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■ Leaves
物悲しい旋律から一転、静寂を突き破ってヘヴィなギターリフとバスドラが飛び出してくるテンション爆上がりの開幕曲。
流麗なギターワークが美しくていきなり白目剥きそうです。


■Drag Me The Rain
美しいギターユニゾンのリフからエッジーなバッキングギターが耳を惹く。
モダンな音作りでありながらどこか2000年代の懐かしいメタルを思い出させる構成が彼らのバックグラウンドの深さを感じる。

■Nightmares Are Dreams Too
静寂の付け方、テンポチェンジ、激情を煽るギターソロ、もはやベテランのデスメタルバンド並みに完成されたピースを次々と投げ込んでくる。

■Leave Out All The Rest
In Flamesの影響を強く感じる曲。
激しくも叙情的なJoniのギターにJarkkoの咆哮系のデス声が覆い被さって独自の空間を醸し出す。

■Varitas
キャッチーなメロディ、流麗なギター、バッキングストリングスもセンスよく入っていて、このアルバムの完成度の高さを一発で物語る曲。
最終コーラスで半音転調するのもなかなかニクい。
無条件に頭を振らざるを得ない。

■Tell Me About Yesterday Tomorrow
ハードなスローデスバラード。
Jarkkoのウィスパーボイスから咆哮デス声に豹変する箇所は鳥肌モンです。
またオシャレに転調しちゃう所もドキドキする。

■Change of Heart
複雑なギターリフに爽やかでリズミカルなストリングスが混じる。海外のレビューを引用するならば、まさに「big bouncy melodic passages and nicely intricate guitar riffs.」と言ったところか。
コーラスではリズムがダウンし、さらに中間部ではJarkkoの地の底から語りかけるようなパートがあり北欧っぽさが滲む。
ギターソロもテクい。

■Gone for Now
ドロップチューニングしたギターがブルータルでグルーヴたっぷりのDjent感溢れるリフを奏でる。

■Kings&Queens
ヘヴィだが軽快なギターリフ(日本語難しい)、グリグリとうねるベース、ハイフレットを駆け回る印象的なギターワークが全て高いレベルでマッチしていてなかなか奥深い曲。

■My Prime of Kneel
ゴージャスなサウンドにJarkkoの語りに似たクリーンボイスが乗り、トレモロギターが盛り上げる。他の煌びやかな曲と比べるとやや地味か。

■Until We Meet Again
アコギから始まり6分以上の長尺の曲の中に、様々な展開を詰め込み、最後もアコギの美しい調べで終わる曲。
ゆったりとした流れから突如としてフック満載のリズミカルなギターが飛び出したかと思いきや、またスローテンポでゆったり聴かせる展開。これが彼らのアンセムになるか。

■Rogues
キャッチーなギターを軸として、それに導かれるように展開していく抒情感あふれるメロディックでヘヴィな曲。
ボーナストラックにするにはもったいなさすぎる。Jarkkoの声がCOBのアレキシに似すぎててCOBの新曲かと思った。

■Remembrance
こちらもボーナストラックにしては完成度が高すぎる曲。
Amorphisを思わせるようなメランコリックさを遺憾無くだ漂わせている。
冷たい森の中で聞きたい一曲。

■Calm in My Storm
BRHGらしさが詰まった一曲。
なんでボーナストラックにしたのか謎なレベルで美しい。


総合満足度 86点(思わず血塗られた砂時計殿下にひざまづいてしまうレベル)

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