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Bleed From Within『Shrine』(2022)

UKスコットランドのメタルコア・バンド BLEED FROM WITHIN
リードボーカルのScott Kennedy、drummer のAli Richardson、bassのDavie Provan、ギターのCraig GowansSteven Jonesで2005年に結成。

当初はLamb of Godのカバーバンドをしていたが、徐々にオリジナル性を出したバンド活動をし始める。
2010年にMetal Hammer Razor TourでSylosis と While She Sleeps のサポートをすると一気に知名度があがり、Soilwork、All that Remains、After the Burial、Suicide Silence、Caliban といったバンドとツアーを組まれるようになる。

2013年にCentury Mediaと契約し『Uprising』をリリース。
北欧メロデスの叙情性とメロコア譲りのサウンドの逞しさを兼ね備えた秀逸な一枚で、各地で好評価を得、MegadethのUKツアーのサポートを務めることになる。

2017年にはギター兼クリーンVoのSteven JonesMartyn Evansの脱退にともない加入。
より楽曲に幅が出た所で、『Fracture』をリリース。
本作はそれに続く2022年リリースの『Shrine』。

Shrine

StevenのクリーンボイスとScottのグロウルをしっかりと支えるリズム隊のスキルフルな演奏、そして前作よりさらに増したストリングスによる荘厳さ。
現時点でのBFW最高傑作に間違いない一枚です。

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* Scott Kennedy – unclean vocals
* Ali Richardson – drums
* Craig "Goonzi" Gowans – lead guitar
* Davie Provan – bass
* Steven "Snev" Jones – rhythm guitar, clean vocals
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■I Am Damnation
エジプティアンな雰囲気とニューメタル的な重厚感を併せ持った剛毅な一曲。
あくまで重く、仄暗く、そしてコーラスシャウトは嘆きの如く。
ドスっと腹の底に響くドラムビートも頸椎を走り抜けて脳を揺るがすうねりとなる。

■Sovereign
不穏なリフと重々しいサウンドはそのままに、テンポはやや疾走系に傾き、超高速上昇フレーズを軸にしたギターソロなんかも入ってきて、もはやブラックメタルの様相を呈している。

■Levitate
クワイヤに似た荘厳なチャントを潜り抜けると、細かく刻む系のドラムと騒乱に満ちたサウンドが押し寄せる展開に。
コーラスは再びチャントをバックに都雅なメロディを紡ぐ展開に入り、メロディアスなギターソロが楽曲全体を締める。

■Flesh And Stone
前のめりな2ビートを主体に突っ走る展開かと思いきや、コーラスではグルーヴィーに、そしてストリングスを加えて荘厳にグリグリ踏みしめていく流れに。
Architects感ある。

■Invisible Enemy
サグいラップ調のヴァースで幕開け、噛み潰すようなグロウル、デスシャウト、シンガロング系のコーラスとあらゆる種類の声質で楽しませてくれるチューン。
ギターサウンドは中東のメロディの香りがしつつも、ジェントの要素も入ったメタリックハードコア。

■Skye

ゆらゆらと昇天するようなストリングス主体のインタールード。

■Stand Down
As I Lay Dying的なマッチョさ、Malevolence 的な現代的ヘヴィネス、
そしてPeripheryやBorn of Osiris、Chelsea Grin風味の(Jason Richardsonみをほのかに感じる)フックのかかった挑発的なギターワークを一緒くたに煮込んだような曲。
モダンメタルコアとヘヴィメタルのいいとこどりのゴージャスなチューン。

■Death Defined
音数を減らし、間を持たせる事でヘヴィさを意識させるバッキングが心地よいミドルテンポチューン。

■Shapeshifter
激重疾走するファストチューン。
コーラスではクリーンボイスが滑らかにメロディをなぞり、美メロの側面を見せつつも、重さは隠し切らず、常にバスドラ連打、たまにブラストで威圧してくる。

■Temple Of Lunacy
激しいリフとグロウル。コーラスではクリーンに響かせるヴォーカル、とオーソドックスなメタルコア。

■Killing Time
微妙に細かくビブラートするお得意のリフで始まるミドルテンポチューン。
高音ギターノイズを散りばめ、モダンっぽさを演出しつつ、フラッシーにかき鳴らす荒々しいサウンド。
アウトロはダブルペダル多めのズダダっていうドラムの爪痕を残してフィニッシュ。

■Paradise
オーオー系のチャントに乗せて高らかに唸るグロウルがモダンデスコアっぽさを感じるスローなチューン。
Djentの香りのするテクいギターフレーズも練り込んでくる。


総合満足度 84点

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