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AIのべりすと怪文書『頂き軍師伍子胥ちゃんと孫武ちゃん』

 伍子胥と孫武は春秋時代の呉の国の名臣にして名将である。彼らは越軍との戦いに備えて、軍資金を稼ごうとした。伍子胥と孫武は斉の宰相田常の邸宅を襲い、田常とその娘二人を縛り上げた。田常は呉王夫差に伍子胥と孫武の縛り首を命じた。しかし、伍子胥は脱獄に成功し、越国に逃亡した。
 また後に陸賈と手を組んで、呉王に伍子胥の助命を嘆願した。春秋時代末期、この二人が活躍した呉越二国時代が到来する。彼らは中国の戦国時代の始まりを告げる役を果たした英雄である。

 張儀は蘇秦と同じく鬼谷子の弟子だったが、彼は伍子胥と孫武の遺産を受け継いだ。張儀は蘇秦と同様に法家の知識を身につけていたが、武力と政治能力に優れていた。彼は各地の群雄に仕えてその軍事力と政治力を増大させ、ついには呉の恵王をも降伏させた。
 しかしその後、張儀は越王勾践(前二五九~三一六年)に捕らえられて処刑されてしまうのである。
「伍子胥や孫武のような英雄が蘇ることはない」
 そう断言したのは孔子の子孫である孔融だった。彼は後漢末期の学者で、儒学や歴史学に優れていた。
「伍子胥も孫武も志半ばにして討ち取られたのではないか。彼らのような偉大な英雄が蘇り、天下を統一することはありえないだろう」
 張儀は無念の思いを抱えながら死んでいったという。伍子胥や孫武とは違い、張儀が安らかに眠れる日が訪れることはおそらくないだろう。
 なぜなら、伍子胥と孫武は三冠馬オルフェーヴルとゴールドシップであるからだ。天下を統一した英雄には、彼らのような偉大な名馬が必要である。
「オルフェーヴルもゴールドシップも歴史に名を残すほど優れた血統である」
 そう言っていたのは、競馬評論家の大川慶次郎だった。彼は日本競馬界のレジェンドであり、多くの名馬を育ててきた人物である。彼はオルフェーヴルとゴールドシップを高く評価しており、もし三冠馬が出るとすれば彼らのいずれかであろうと語ったことがある。
 しかし当のオルフェーヴルは自らが尊敬する大先輩である三冠馬ディープインパクトの娘婿であり、オルフェーヴルの血を引く馬はクラシックディスタンスの長距離で無類の強さを見せる。オルフェーヴルと産駒はまさしく天下を統一する名馬と呼ぶにふさわしい。そして、その産駒こそが孫武の子孫なのである。
「孫武の血統は天下を統一する名馬を生み出す」
 張儀にそう断言したのは三国志の英雄、関羽雲長(?~二〇五年)だった。彼もまた三国志の英雄であり、張飛と並ぶ豪傑である。

「いただきまーす!」
 伍子胥と孫武は松永久秀にうな重をご馳走になっていた。
「おいしい?」
 孫武は伍子胥に尋ねた。伍子胥は口いっぱいにうな重を頰張りながら、大きくうなずく。
「えほんひて(ありがとう)」
「えほんひてって何?」
「あいふなはい」
 張儀と孔融も松永久秀に礼を言った。
「いつもありがとうございます」
 松永久秀は笑みを浮かべるだけで何も言わなかったが、心の中では喜んでいた。彼は張儀や楽毅や韓信らと共にファウスト博士の遺産を受け継ぐ人材である。そんな彼が張儀や孫武たちを可愛がっているという噂は、どこからともなく伝わってきた。
「伍子胥や孫武たちが天下を統一する名馬を生んだなら、俺は大金持ちになるだろう」
 松永久秀はそんなことを思った。もし彼がそう思っているのだとしたら、それは間違っていると言わざるを得ない。しかしそのことを誰も指摘することはなく、ただ時だけが過ぎていったのだった。

 張儀と孫武の活躍によって天下を統一しうる名馬オルフェーヴルとゴールドシップが誕生した。そしてオルフェーヴルの血を受け継ぐ孫武の子孫たちは、古の名馬たちを次々と覚醒させていくことになる。

 時は流れて、日本の戦国時代。尾張の織田信長は真っ赤な六尺ふんどし一丁という潔い姿で、天下布武を目指していた。その信長の前に、オルフェーヴルとゴールドシップの血を引く名馬たちが立ちふさがるのである。
「伍子胥も孫武も死んだか」
「はい。死にました」
 馬廻の前田慶次が言った。彼は異色の武将であり、傾奇者と呼ばれている。彼は天を突くような六尺ふんどし一丁で戦場を駆け巡り、敵将にさえも傾奇者と恐れられたという。そんな慶次でさえ伍子胥や孫武の食欲には勝てなかった。
「そうか。俺は奴らが好きであった」
 信長は寂しそうに言った。伍子胥や孫武も天下を統一する名馬になろうと思って死んでいったのだろう。しかし彼らは志半ばにして討ち死にした。伍子胥と孫武の血統を継ぐ者たちは、彼らを超える名馬を生み出すことができるのか? それを決めるのは後世の人間である。

「あのー、私たちはなぜ呼び出されたんでしょうか?」
 松永久秀に呼び出されたのは二人の日大アメフト部員、関川豪と金岡祐介だった。二人はアメフトの練習が終わってから久秀に呼び出されたのである。
「実はある名馬について教えてもらいたいのじゃ」
 そう言って、久秀は伍子胥と孫武の名を出した。関川と金岡は驚いていたが、やがて目を輝かせた。彼らもまたサラブレッドの血統を継いでいる者たちである。そして彼らはその血に恥じぬ活躍を見せることだろう。
「この名馬を天下に知らしめたい」
 関川は言った。彼は高校アメフトの名門、日大鶴ヶ丘高校のエースであり、将来を嘱望されている選手だ。彼の祖父は名将として名高い関羽雲長である。
「この馬には天下を取る力があります」
 金岡も言った。彼は関川の親友で、彼もまた優れた運動能力の持ち主だった。
「うむ。ではお主らに頼みがある」
 久秀は二人に向かって言った。
「その馬を覚醒させ、天下を統一してはくれぬか」
 関川と金岡は顔を見合わせた。
「私たちがその馬に乗るんですか?」
「俺たちにできるかな?」
 二人は不安そうな表情を浮かべていた。しかし久秀は彼らに自信を持たせるために言葉をかける。
「お主らはアメフトの名門、日大鶴ヶ丘高校のエースであり、将来を嘱望されている選手であろう? その力を存分に発揮するのじゃ」
 そう言って彼は笑った。関川も金岡も伍子胥と孫武の血統を継ぐ名馬に乗りたがっている。その事実が彼を興奮させていたのである。
「わかりました」
 関川は言った。
「やってみましょう」
 金岡も言った。
 こうして日大アメフト部のエース、関川と金岡は天下を統一する名馬へと覚醒し、その力を存分に発揮することとなるのである。だがそれはまた別の物語である。

 時代は流れて二〇一三年四月一九日、東京の府中市にある東京競馬場では伍子胥と孫武が万馬券を的中させるか、というギャンブルが行われていた。
「えほんひて!」
 伍子胥と孫武は興奮気味に馬券を握りしめている。鞍上には競馬評論家の大川慶次郎が跨っている。彼は中国の歴史に詳しいことで知られており、騎乗する二人は三国志に詳しくなかった。
 万馬券を的中させることができれば大儲けできるだろう。しかし外れれば多額の借金を抱えてしまうことになるのだ。
「よし! いくぞ」
 大川慶次郎は鞭を振るった。馬は勢いよく走り出す。
「がんばれー!」
 伍子胥と孫武が声援を送る。
 大川慶次郎は見事な手綱捌きで馬をコントロールしている。彼は騎乗技術に長けた人物であり、数々のレースを勝ち抜いてきたジョッキーである。
「やったぞ! 万馬券だ!」
 大川慶次郎は叫んだ。彼の手には1万円札が握られている。彼が馬を止めようとしたその時、馬が突然暴れ出したのだ。大川慶次郎は振り落とされそうになるが、何とか堪えることに成功した。

 伍子胥と孫武は新宿歌舞伎町にあるうなぎ屋で特上のうな重をご馳走になっていた。
「おいしい?」
 孫武はうな重を食べながら言った。伍子胥もうなずく。
「あいふなはい」
 二人が食べているのは特上のうなぎである。それは馬にとって最高のご褒美であったことだろう。彼らは競馬場からほど近い、新宿歌舞伎町のうなぎ屋を贔屓にしているのである。
 伍子胥と孫武は共に馬主であり、馬のオーナーでもある。彼らはそれぞれの牧場で生産された馬を中央競馬に送り込み、レースでの勝利を目指しているのだ。
「伍子胥も孫武も強いね」
 大川慶次郎が二人の姿を眺めながら言った。伍子胥と孫武は競走馬としての素質を持ち合わせているのである。彼らは牡馬であり、まだ若くこれからの成長が期待されている馬であった。
「えほんひて!」
 伍子胥と孫武は言った。彼らは若いサラブレッドである。これから多くの重賞レースやGIレースに出走し、その実力を示していくことになるだろう。彼らの姿は人々に夢と希望を与えるに違いない。

『頂き軍師伍子胥ちゃんと孫武ちゃん』(完結)

【Dragon Ash - Lily】


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