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【MCP 16個目】AZ-305受験体験記&これまでの受験振り返り

こんにちは、アバナード関西)篠田です。
先日、AZ-305を受験したのでその体験記と、私事ですがMCPがこれにて16個目になりましたので、ちょっとこれまでの受験の振り返りをしたいなと思います。

■AZ-305受験体験記

〇AZ-305って何?

AZ-305は、MCP(Microsoft Certifications Program)の試験の一つで、Microsoft Azure を用いたクラウドでのシステム構築における設計能力を問われる試験です。

AZ-305に合格し、かつ前提資格(Azure Administrator Associate)を満たした場合、Azure Solutions Architect Expert の資格に認定されます。

ちょっと前までは AZ-303,304 という2つの試験に合格しないと資格認定されなくて中々面倒だったのですが、2021年末ぐらいにリリースされたAZ-305にて一本化され、代わりに前提資格を求める方式に変更されました。
2022年4月上旬あたりから、日本語での受験も可能になっています。

私自身、Azure Administrator Associate は取得済みだったものの、2つ試験受けるのはダルいな…と思って後回しにしていたクチなので、この変更は非常にうれしかったです。
日本語対応したのに気付いた日にすぐ試験を予約しました。


〇結果はどうだった?

合格しました、バンザイ!

AZ-305 のスコアレポート

試験時間は120分(解答に使用できるのはその内の100分)ですが、あまりその場で深く考え込む必要があるような問題は出題されず、「分かるのはすぐ分かるし、分からないのは全く分からない」というタイプの出題が多かったので、時間は20分近く余りました。
Azure Administrator Associate(AZ-104)とかだと、ネットワーク含めたシステム構成図をその場で思い描かないといけないような設問が多くて時間足りなかったりしたので、相対的に見て時間にはやさしい試験だったと私は感じています。


〇何をどのくらい勉強した?

先ほど掲載した試験のリンクにある、Microsoft Learn のラーニングパスに従って勉強しました。

AZ-305 の Microsoft Learn ラーニングパス一覧

Microsoft Learn はだいたい30時間ぐらいやったのですが、見ての通り全部はやれてないです。
試験予約は勉強期間に余裕をもって入れてたんですが、このラーニングパスはどれも書いてある内容が私には重くて、目安として書いてある時間の2倍、勉強に時間がかかってしまいました。
テーマが設計という事もあってか、あまりハンズオンが無くひたすら読み物で、私がそういうの苦手ですぐウトウトしてしまったんですよね…
同じように単調な座学が苦手な方は、書いてある目安時間を超過する可能性がある旨、ご注意ください。

また、Microsoft Learn 以外にも、Microsoft から多分唯一出てる、Azure の公式参考書籍が2021年末に改版されたので、それも事前に読んでました。
結構知らなかった事も載ってましたし、こちらはハンズオンもあって面白かったので、私のように「Azure Administrator Associate 持ってるけど、取得したの結構前で色々忘れてるかも…」と不安な方の復習にもおススメです。
※Amazonアソシエイトはやっていません。


■MCP16個振り返り

〇16個の内訳

下記のMCP資格を記載順に取得しました。
※()内は試験名ですが、以降はこちらを略称として使用します。

  • Microsoft Certified: Azure Fundamentals(AZ-900)

  • Microsoft Certified: Azure Administrator Associate(AZ-104)

  • Microsoft Certified: Azure Developer Associate(AZ-204)

  • Microsoft 365 Certified: Fundamentals(MS-900)

  • Microsoft Certified: DevOps Engineer Expert(AZ-400)

  • Microsoft Certified: Security, Compliance, and Identity Fundamental(SC-900)

  • Microsoft Certified: Azure Security Engineer Associate(AZ-500)

  • Microsoft Certified: Identity and Access Administrator Associate(SC-300)

  • Microsoft Certified: Security Operations Analyst Associate(SC-200)

  • Microsoft Certified: Azure Data Fundamentals(DP-900)

  • Microsoft Certified: Azure Database Administrator Associate(DP-300)

  • Microsoft Certified: Power Platform Fundamentals(PL-900)

  • Microsoft Certified: Power BI Data Analyst Associate(DA-100)

  • Microsoft Certified: Azure AI Fundamentals(AI-900)

  • Microsoft Certified: Azure Network Engineer Associate(AZ-700)

  • Microsoft Certified: Azure Solutions Architect Expert(AZ-305)


〇受験費用はどれくらいかかったのか

最初の1つ(AZ-900)は2021年1月に取得したんですが、それだけAvaに入る前のものです。
ちょうどその少し前ぐらいから、Microsoft の Virtual Training Days の無料ウェビナーで、基礎となる900系の試験の無料バウチャーが配られ始めたんですよね。

私、当時まで業務経験はオンプレばかりで、クラウドやりたいなぁとは思っていたんですが、あんまり資格取得/更新に身銭は切りたくない、というケチな人間でした(今もそうですが)。
なのでウェビナーの案内を見た時すぐ飛びついて、平日開催に合わせて年休とって受講して、バウチャー貰って試験受けました。
MCP資格取得について受験費用補助が無い会社にお勤めの場合は、そのようにして無料バウチャーを獲得するのもアリだと思います。
900系以外の資格についても、過去に年次イベントのIgniteとかで無料バウチャーを配ってたりしたので、今後も獲得チャンスがあるかもしれません。

5/12追記:
この5月末にある Microsoft Build のイベントでも、無料バウチャーの配布あるらしいです、Cloud Skills Challenge ぜひ挑戦してみてください。

で、Avaに入社した後受けたその他の試験について、詳細は書いてよいのか不明なので伏せますが、受験費用の自己負担は今まで一切する必要がありませんでした。

なので、ここまでの受験費用の自己負担は総額ゼロ円です。
まともに受けたらいくらかかっていたのか…計算するのも怖いですね。

あと、今のMCPは他のクラウドベンダーの資格と違って、更新試験が無料で、自宅で何度でも受験出来るのも良いですよね、ここもケチな私としてはポイント高いと思ってます。


〇難しかったのはどの試験なのか

基本的に公式学習コンテンツである Microsoft Learn しかやらない、模擬試験や問題集やるぐらいならもうラーニングパス途中でもいいから試験に突撃してみる、という自己負担ゼロにモノをいわせたスタイルでMCPを受験し続けたのですが、

  • AZ-104

  • AZ-400

  • AZ-500

  • DP-300

  • DA-100

が、私にとっては難しかったです。
そう思う理由はどれも一回落ちているからです。

AZ-104は、先述の通り熟考しないといけない問題が多くて、私は時間が足りませんでした。
Azureエンジニアの登竜門的な位置付けのはずですが結構鬼門な気がしてて、インフラの基礎知識も問われます。
合格できたのはただ2回目だったという慣れの問題なんじゃないかと、今でも思ってます。

AZ-400単純に試験範囲が広すぎますね、多分やった中では、Microsoft Learn のラーニングパスの目安時間合計ば最長だったかと思います。
全部やった頃には最初にやってた部分忘れてるんですよね…内容としては GitHub や Azure DevOps 等、個人的に新鮮なものが多くて楽しく学べましたが。
1つ注意点としては、Azure DevOps の検証環境の構築が、所属するAzureADテナントでのユーザ権限と密接に絡んでいたり、Microsoft Hosted VM の無料貸し出しを Microsoft に依頼しないといけなかったりで、結構難しかったと記憶しています、ある意味学習はそこから始まっているのかなと…

AZ-500 は SC-300 と一部内容被ってるんですが、とにかくAzureADが難しかった印象です、AzureADの様々な機能や、代表的なRBACロールの制御内容を覚えるのが大変でした。
再受験する時はSC-300の初回受験と同じ日に申し込んで、SC-300のラーニングパスも併せて学び直しました
それでも両方ギリギリ、SC-300に至っては700点ジャストだったので、AzureADは今後の業務でも Microsoft Docs に大いにお世話になるだろうなと思っています。
実際何度か業務でも取り扱いましたが、挙動を理解するのに必要な知識量が尋常じゃないです、AzureAD。

DP-300は、単に経験不足で難しかったです。
実は業務でそんなにDBを扱ったことが無く、 Microsoft SQL Server に至っては経験ゼロだったので、独特な用語を覚えるだけでも一苦労でした。
ただ、本試験でも出題される、オンプレからの移行対象サービスの選定方法や冗長化設計の部分は、AZ-305でもかなりの頻度で出題される重要項目なので、もしその辺が苦手な場合はこちらを先に受験されるのもお勧めです。

DA-100、これが個人的には一番難しかったです。
Microsoft Learn のラーニングパスを最後までキッチリやったのに落ちたのはこの試験だけでした。
落ちた後「どうやって学習したらええねん…」ってなってたんですが、ちょうどその数か月前に以下の Power BI の参考書籍が出版されてたのを見つけて、これをやって再受験したら合格出来ました。
※繰り返しますがAmazonアソシエイトはやっていません。

この本もハンズオンが多くてとても勉強になるものだったのですが、それでも点数は合格ラインギリギリでした。
これはもう担当領域的に仕方無い部分なのかもしれませんが、生データからデータモデルを頭でイメージし、最適な加工がスムーズにできるようになるまでには、データ分析者としての相当な訓練が必要だと感じました、出来る方々尊敬しますホントに。
ちなみに、今はDA-100という試験は無くて、PL-300 という試験に最近変わったようですので、受験される際はご注意ください。


〇勉強したことは実務の役に立ったのか

結論を言うと、資格取得のために勉強したことは業務で役に立ちました。
と言うより、業務のために勉強してたら資格取れてた、という感じです。

時間の大小はありますが、実際に業務で取り扱った Microsoft サービスを関わった順番で列挙しますと、

  • Azure API Management

  • Azure Functions

  • Azure Key Vault

  • Azure Cosmos DB

  • Azure Storage Accounts

  • Azure Monitor (Log Analytics、Application Insights を含む)

  • Azure Virtual Machine(SQL Server on VM を含む)

  • Azure Load Balancer

  • Azure SQL Database

  • Azure SQL Managed Instance

  • Power BI(DBへの接続、データセットの自動更新設定のみ)

  • Azure Active Directory

  • Microsoft 365(Windows10、Microsoft 365 Apps のみ)

  • Microsoft Defender for Cloud

  • Azure Machine Learning

というように、IaaS、PaaS、SaaSと多岐に渡っており、業務に必要な知識をMCPの勉強で補っていたらAvaに入社して1年が過ぎていました
多分、誰しもがそんな状態ではなくて、私が下手の横好きで「○○?触った事ないですけどやってみます!」と好奇心だけで突き進んだ結果だという事は補足しておきます…
ホントに無理なら社内で助けを求める事は当然出来ますし、実際私も何度か社内にブロードキャストで質問あげたりしました。

また、担当領域はインフラでAzureがメインなのですが、結構他の Microsoft サービスも知らないと、融通が利かないな、というのは思いました。
Microsoft サービス間を連携させるようなアーキテクチャを検討する事もありましたので、AZ-400、MS-900、PL-900 あたりの知識は、実装こそしなかったものの、やってて役に立ちました。

当然、Microsoft Learn は細かいところを全て網羅はしていないですし、そもそもMCP受験のために一度勉強したぐらいでは、全ては覚え切れないです。
なので結局業務では Microsoft Docs を細部まで読む羽目になるのですが、サービスの中身が何となく分かっている状態からスタート出来るのは、調べ物も早く済んで仕事がスムーズだったと感じています。

最近は Azure Machine Leaning のインフラ周りをやっており、次は Azure Data Scientist Associate(DP-100)の取得を目指そうと思っています。
正直インフラだけならその部分のDocsを読み漁って、セキュリティに気を付ければ割と環境は作れるんですが、せっかくなら中身をもっとちゃんと理解したいなと。
自転車操業だったのが、ここに来てやっと貯蓄に回せる状態になった気がしています。


〇モチベーション維持のために何かやっていたのか

Microsoft の MCP資格を一覧化したポスターをPowerPointに張り付けて、取得済みのものをチェックして、新規にMCP資格を取得するたびにポスターとチェックを更新していく、という地味な事をしていました。

実際に更新しているPowerPointの画像

これ、やってみると分かるんですけど、このポスター毎月のように Microsoft が更新してて、資格がどんどん増えていきますw
ああ、クラウドを扱うのに必要な知識の全体量って、どんどん膨張してるんだな、遅れをとったらやばいな、という危機感が味わえるので、ストレス耐性高い人向けですがおススメです。
この一年で確か9個ぐらいMCP資格は増えたんじゃないかと。

また、次に何の試験を受けようか、という予定の管理として、Microsoft Docs のコレクションの機能を使って、認定資格のWebページをブックマークして仕分け&順番の並び替えもしてました。

コレクション機能を使って仕分けしてる様子

恥ずかしながら英語はあまり得意ではないので、日本語で受けれる試験を優先して受けています…
幸いに私が業務で関わる事の多い Azure や Security のカテゴリに属する資格は試験の日本語化が早く、待っていたら大体日本語化されますね。
きっとAWSやGCP等の強い競合サービスがいる領域なので、Microsoft としても日本のエンジニア人口を増やすのに力を入れているのだと思われます。
逆に、SaaSとして非常に強いシェアを持っている Microsoft 365 のカテゴリの試験は、あまり日本語化されていません、Microsoftさん、ここで一人待ってますよ…

コレクションの中身、右側矢印で並び替え可能

日本語で受けれる試験だけでも十分多く、多分どこかで更新大変になって追加取得が難しい状態になると思っているので、「業務で今後必要になりそうな知識は何か」「興味が沸いて突き進めていきたい分野は何か」とかを考えて、優先順位決めて受けるようにしています。
こうやって計画を立てると、未計画の状態よりは何かやる気出ますよね。

また、これは自身でやっている事ではないのですが、周りの環境も大事です。
AvaはMCP資格取得者が多いですし、MCPに関するウェビナーやキャンペーンの情報が沢山入ってくるので、日々良い刺激をもらえています。
また、Microsoft テクノロジーが密接に関わるような仕事ばかりなので、やったことが即実践で活かせ、実践からより多くの事を吸収できる良い環境だと私は思っています。
全ベンダー全方位を気にしないといけない状態でIT業界にいると、何から手を付けてよいやら分からない状態になったりするので、フォーカスするものが決まっているのはエンジニアとしては実は動きやすかったりするんですよね。


■まとめ

長々とMCPについて書いた後でアレなんですが、「参考資料無しで70%以上の理解度を示せばよい」って、結構業務と性質が違うよなと個人的には思っています。
ITの業務って基本は「参考資料は何を見ても良いから、今できる範囲での100点をとりなさい」で、90点から100点を目指す最後の詰めが一番大変なんですよね。
インフラはミスがクリティカルになる事が多いので、特にその側面が強いような気がします。
これからもMCPはまだ受験していく予定ですが、常に業務への応用を考えて、最後の10点を作りこむ力をつけようという意気込みで、学んでいきたいと思います。

あ、Avaに興味を持った方いらしたら、ぜひ採用情報ページにアクセスをお願いします!


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アバナード関西オフィス 篠田 諭
satoshi.shinoda(@)avanade.com

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