殿堂の書 ババロコ殿堂1ヶ月の記録
はじめに
本記事をお読みいただきありがとうございます。おーたむと申します。
最近は東京近郊でポケモンカードをしています。以前より殿堂勢を名乗っていたところ、よくお邪魔しているバトロコ高田馬場店さんで非公認とはいえ定期的に殿堂の大会を開催すると聞き、出るしかあるまいと参加することにしました。
この記事は、開始から1ヶ月が経ったこのタイミングで、ババロコ殿堂環境を「がっつり」考察してきた記録と、あわよくばこの記事を読んで殿堂レギュレーションに興味を持ち、そして参加してくれる人が現れればいいなと思って書かれています。誰も知らない環境でデッキを組む、それは先駆者になるということです。ババロコ殿堂環境のまだ見ぬ先駆者へ、この記事を捧げます。
また、この1ヶ月はシゲルくんと一緒に考察を進めて、デッキ構築を相談してきました。シゲルくん側の記録はこちらです。同じ考察から違うデッキチョイスをしている場面がたくさんあるので、合わせてお読みいただくと面白いはずです。
殿堂レギュレーションのみちしるべ
ババロコ殿堂レギュレーションのカードプールは、ざっくりいうと「ポケモンカードゲームDP」から、2020/9/1現在の最新パック「伝説の鼓動」までのカードたちで構成されます。殿堂レギュレーションは、公式で規定されている3つの大会用レギュレーションの1つで、基本的なゲームルールはスタンダードレギュレーションに準拠しています。
殿堂レギュレーションの大きな特徴は2つあります。
1つは、スタンダード・エクストラの各レギュレーションで使えるカードに加えて、約3000枚の古いカード(DP期・DPt期・LEGEND期)が使えることです。強力な能力である「ポケパワー」「ポケボディー」を持つカードたちや、強力なトレーナーズなど、他に類を見ないテキストのカードたちが参戦します。
もう1つは、殿堂ポイントという制限が存在することです。これは先行1ターン目に勝利してしまうようなワンショットデッキを禁止するための措置で、強力すぎるカードに1〜4点のポイントを付与し、デッキに合計4ポイントまでしか入れられないようにするという特有のルールです。しかし、この殿堂ポイントは数年前を最後に改訂されておらず、現行のルールの中ではいくつものワンショットデッキが組めてしまう状態でした。
そんな中、今回のババロコ殿堂では、主催のロロたんぬ氏が主導して新しい殿堂ポイント(ババロコ殿堂ポイント)を制定しています。このポイント設定がとても秀逸なので、是非ともこの練られたポイント制限の中でデッキ構築をしてみてください。ポイントは定期的に更新されるので、ポイントの裏をかいて理不尽なデッキを構築するのもまた一興です。
殿堂レギュレーションを楽しむためには、スタンダードには存在しないいくつかのテキスト・ルールを知っておいた方が良いかもしれません。「ポケパワー」などの聞いたことのない単語が出てきたり、「ミカルゲでグッズロックする」(テキストには「トレーナー」って書いてあるのに……)と言われたりすることが度々あることでしょう。頭に「?」が浮かんだら、以下に紹介する記事から要所要所を掻い摘んでみてはいかがでしょうか? 手前味噌ですが、きっと今まで以上に楽しむことができること請け合いです。
開始前の考察
(上述バトロコ高田馬場公式HPより引用)
まずは、制定されたババロコ殿堂ポイントを確認していきましょう。見てみると、環境上に存在しているおおよそのワンキルは制限されているようです。よって、まずは正攻法で殴り合って強いデッキを考えることにしました。過去の殿堂レギュレーションの経験から「新しいカードは強い」という法則に従って、最新のカードから殿堂レギュレーションのカードで強化されるものを探しました。その中で見つかったカードは2つ。『ムゲンダイナVMAX』と『アメイジングライコウ』です。それぞれの強さを見てみましょう。
ムゲンダイナVMAXは殿堂レギュレーションで一番カードスペックの高いカードです。一番新しいシステムの「VAMX」の中で、最新の目玉カードかつHP340で2エネ270点を出し、特性”ムゲンゾーン”でベンチ8体展開を可能とするカードパワーの塊です。”ムゲンゾーン”の制限で悪タイプしか採用しにくいですが、過去レギュから強力な悪タイプのポケモンを多数採用することで、スタンダード以上のデッキパワーを獲得しました。その上で、シナジーのある強力なトレーナーズとエネルギーの相乗効果があります。キーポケモンは3種類、「ゾロアークGX」「ダークライGX」「ミカルゲ」。そしてグッズ「ダークパッチ」と「月光のスタジアム」そして「特殊悪エネルギー」です。
まずミカルゲですが、この先も頻出する殿堂レギュレーションのキーカードなので丁寧にテキスト紹介をしましょう。ポケパワー”かなめのふういん”とワザ”ダークグレイス”を持ちます。”かなめのふういん”は、バトル場にいる限りお互いのポケモンをグッズロックします。”ダークグレイス”は0エネ技で、ベンチのポケモン1体を選んで山札から進化させ、ミカルゲ自身にダメカンを1個載せるものです。要は相手の展開を妨害しつつ、進化ポケモンを用意していくことができるポケモンで、このルール唯一の先行1ターン目からグッズロックする手段です(厳密には巨大植物の森+ラフレシアとかもあります)。悪タイプなのでムゲンゾーンの邪魔にならず、進化ポケモンであるムゲンダイナVMAXやゾロアークGXを用意することができます。コンボデッキの多い殿堂環境では、序盤のグッズロックによる妨害が試合展開を大きく左右するので、ミカルゲを採用できるだけで相性有利を取れるデッキタイプが多いです。また、悪タイプの逃げエネを0にする「月光のスタジアム」は、スタジアムなのでグッズロック下でもミカルゲを逃すことができ、スムーズな攻撃に繋げることができます。
ゾロアークGXは、ご存知の超強力な特性”とりひき”でドローを進めることができます。ミカルゲロック下で堅実にドローを進めることができ、クロバットV以外のドローエンジンとしてデッキの安定感を大きく高めます。当然相手のN捲りゲーにも耐性がつきます。そしてこのレギュレーションにおけるゾロアークGXの真価は、GX技”トリックスターGX”にあります。従来の二子玉起動のゾロアークデッキではなく、悪エネ主体のデッキのため、GXワザを打つ選択肢が存在するのです。
強力なグッズ「ダークパッチ」はトラッシュの基本悪エネをベンチの悪ポケモンにつけることができます。これにより、1ターンで悪2エネをつけることが可能となり、不意にトリックスターGXで相手の決め技をコピーして盤面をひっくり返す強襲ムーブができるようになります。具体的には、後述のアメイジングライコウのアメイジングシュートをコピーしたときをイメージしてもらうと、その強さがわかるかと思います。
このダークパッチは、当然ムゲンダイナVMAXにも適用されるので、”ドレッドエンド”を即使うことができます。これにより、このデッキの継続戦闘能力を大幅に引き上げました。
そしてダークパッチの恩恵は、もう一つ、ダークライGXのGX技”デッドエンドGX”の即起動を達成させます。”デッドエンドGX”は、相手のバトルポケモンが状態異常ならば気絶させる、という問答無用の処理性能を持ちます。大物同士のマッチアップで有利を取れる、非常に極力な選択肢です。”トリックスターGX”と役割が違うため、幅広く戦うことができます。ダークライGXはベンチから復帰できるため、パラレルシティなどでベンチ制限された後に、”ドレッドエンド”の打点を即担保することができる点でも優秀です。
最後に特殊悪エネルギーは、バトル場へのダメージを+10するというシンプルに強力な効果を持ちます。HP280ラインを鉢巻などの道具なしで達成できるのは良いですね。トラッシュでも悪エネルギーとして働くのでダークライGXの”リザレクション”で加速することができます。
ミカルゲによる妨害を絡めながら、2ターン目から270打点を連打するHP340の大物を機軸に、強制気絶技や相手技のコピーといった搦手を持つ、隙の無いデッキに仕上がりました。
一方で、ミカルゲのロックが継続できないため、ロック解除後で殴り切る前にコンボ成立されてしまうと、なすすべなく負けてしまうことも分かりました。いわゆるアギルダーの”なぐってドロン”のマヒロックようなハメ技を回避する手段がほとんどない点が欠点でした。
今後の環境理解において、このデッキが、分かりやすく強いデッキの基準になります。
続いてアメイジングライコウ(以下「Aライコウ」と呼ぶ)です。このカードの強さは、わかりやすく”アメイジングシュート”のベンチ狙撃120点です。それもノーリスクで連打でき、正面への120点もあるので容易に2枚取りできる強力なカードです。殿堂環境の置き物はシェイミEXやポケパワー”コスモパワー”ネンドールなど120点以内で倒すことができる相手が多いため、正面をワンパンないしツーパンしつつ裏を取り続けて、盤面を壊しつつサイドまとめ取りで一気にゲームを決めることができます。サイド複数枚取りができる非EXなので、サイドレースでかなり有利が取れます。
Aライコウを活かす上で、課題になるのはエネ加速手段です。草・雷・鋼という3色要求を綺麗に満たす、強力なエネ加速がいます。特性”ストロングチャージ”クワガノンです。山札から草・雷エネを加速するので、鋼エネの手張りだけで毎ターンAライコウを起動できます。HP110と倒されやすいため、即復帰できた方が良いです。鋼エネルギーは「テンガン山」で回収するようにしてみました。
さて、ここでクワガノンの育成に「ミカルゲ」を採用します。クワガノンが立つまでゲーム開始を止めるためのグッズロックと、ワザによるクワガノン進化で盤面を作っていきます。Aライコウの小物をまとめて処理できる狙撃性能と合わせて、グッズロックで盤面を作らせないままで2枚取りを開始してコンボやロックを成立させる前に倒し切るプランを取ります。
サブプランとして、特性”バッテリー”でエネ加速してカプ・コケコGXの”カプサンダーGX”で大物を飛ばすプランや、「クワガノンGX」の”ギガトロンGX”でベンチ狙撃に追撃するプランを用意しました。「ターゲットホイッスル」により、相手がシェイミEXを採用しているならば、2回倒してゲームエンドまで持っていくことができます。また、回収ネットとシナジーのある「クロバットG」を採用したことで、ベンチのHP130までのポケモンを倒すことができるようになりました。また、メタカードとして、”ベンチバリア”対策のサイレントラボや、”ダストオキシン”対策のフィールドブロアーを採用しています。
一方Twitter上では『探求者ガブギラ』というデッキが公開され、探求者ワンショットが成立することが広まりました(なお、本記事では、サイドを全く取っていない状況から1ターンで勝利まで持っていくデッキをワンショットデッキと呼称します)。これは、パラレルシティ+マチスの作戦+探求者+探求者でベンチ1体にして、ミロカロスの”エナジーグレイス”で闘エネをつけたガブギラが”ジージーエンドGX”の追加効果込みで2体をトラッシュして種切れ勝ちするデッキです。
必要パーツがそこそこ多いため、グッズロックのうちにAライコウを立てて盤面を作らせずに勝ち切る形であれば勝てそうと見ていましたが、1枚ずつサイドを取っていく『ムゲンダイナVMAX』では勝率が低いと感じました。
ここまでの考察から、カードパワーの高い殴るデッキ(ムゲンダイナVMAX)→ロックデッキやサイドを複数枚まとめ取りできるデッキ(ミカルゲAライコウ)→ワンショットデッキ(探求者ガブギラ)→パワー高いデッキ、の三竦みの構造が見えてきました。これ以降、この三竦みの構図を念頭において、メタゲームを考えていくことになります。
その上で、初回時点では、各プレイヤーにそれぞれ情報が何もなく、メタゲームも何もないことから、純粋にデッキパワーが高いものを使うのが良いだろうと判断して、手持ちで一番高い『ムゲンダイナVMAX』を選択しました。
第1回の答え合わせ
まずは簡単に対戦ログを書いていきます。
大会形式はスイスドローの3回戦固定です。参加者は毎回12〜16名くらいのため、全勝者が1〜2名出る状態です。目指せ3連勝ですね。
なお、各週の結果と各参加者のデッキタイプは、こちらの記事にまとめられています。合わせてご覧ください。
初戦:ムゲンダイナVMAX ○
いきなりミラー。そんなことあるの? ってお互いに言いながらプレイしていました。厳密にはアグロの自分に対して、「エネルギーリンク」と”ひっぺがす”マニューラで耐久してくる相手と、プランの方向性は大きく違っていました。グズマで裏を取り続けて勝ち。
大物を無視して裏取って勝つアグロプランが通りました。
2戦目:Aライコウ+ケララッパ ●
”ときをもどす”ディアルガ+”とつげきラッパ”ケララッパでAライコウにエネ加速する貸し出しデッキ。こちら初手でポケモンコレクターもボールもなく、苦しいスタートから。ゾロアークGXが立ったので、”トリックスターGX”から入りますが、サイド取得を焦って裏のシェイミEXから取ってしまったのがプレミでした。落ち着いてツツケラやAライコウなどの後続を取って、盤面を盤石にする方を優先すべきでした。その後、相手は順調に毎ターン殴ってきて、こちらはAライコウを一発で倒せないターンがあって、そのままダメージレースで負けて負け。
構築は強いのにプレイヤーが下手だったな、という感想です。悔しい。
3戦目:ディアルガ&パルキアLegend ○
ディアパルのワザ”ときをあやつる”で山札をサイドに送り、LOを狙ってくるデッキ。順当に展開して、相手盤面ができる前に殴り始めていき、ディアパルを倒します。その後残りサイド3で出てきたメルメタル&ルカリオGXに対して、”リザレクション”ダークパッチ手貼り”くらやみのかげ”で眠りにして”デッドエンドGX”気絶で、と言って勝ち。
速度の差での勝利でした。
当日全勝は、2戦目に負けたAライコウでした。それ以外にも、ワンショットデッキであるポリゴン2探求者や”クレイジーコード”ポリゴンZ+”はっこうえき”ツボツボ+”HAND”アンノーンなどが上位にいます。カードパワーで殴ってくる大型デッキはそれほど強い構築が見当たらなかったため、ビートダウン・ロックコントロール・ワンショットデッキのトライアングルではワンショットが一つ抜けて強いと体感しました。実際に一番完成度・デッキパワーが高いと感じたポリ探マスキッパ(マスキッパがバトルポケモンを手札に戻す効果のワザ”スピットブロー”を持つ)が全勝でなかったのは、よりスピードの高いツボツボワンショットに速度負けしたからであり、一方のツボツボ側は速度を高めている分安定性が欠けるように見受けられました。
そしてもう一点、主催のロロたんぬ氏が自ら発見したポポッコアップリューのワンショットデッキが(開始前のフリー対戦で)公開されました。これは、以下のような要素から構成されるワンショットデッキです。必要パーツがサーチのしやすいポケモンに固まっていて、それ以外のパーツの少なさから、2〜3ターン前後での勝利を決められるデッキタイプです。
・ハネッコ・ポポッコ・ワタッコの進化ライン(ワタッコが特性”かぜまかせ”を持ち手札に戻るループ要員になる)
・イーブイ・サンダースの進化ライン(サンダースが特性”エレキエフェクト”を持ちポポッコを雷タイプにする。ロロたんぬ氏のバージョンではニンフィアGXを採用して”マジカルリボン”でグッズロック下でもパーツサーチを可能としていた)
・ポリゴン・ポリゴン2・ポリゴンZ(ポリゴンZが特性”クレイジーコード”を持ち、「スピード雷エネルギー」を無限回使えるようにする)
・カジッチュ・アップリュー(アップリューが特性”アップルドロップ”を持ち、無限ダメージソースとなる。殿堂ポイント1)
・巨大植物の森(ワタッコ・アップリューを出したその場で進化させる。殿堂ポイント3)
・スピード雷エネルギー(雷タイプになったポポッコへ貼ることで2ドローして、山に戻ったアップリューライン2枚を手札に加える)
このギミックは、元々殿堂ポイントで禁止制限をされていたもので、
・即進化(破れた時空・巨大植物の森)
+
・無限ドロー(”だいジャンプ”ミミロップ・”かぜまかせ”ワタッコ+ドローエネルギー+”クレイジーコード”ポリゴンZ。または”ばくりゅう”カメックスなどのエネルギーを無限回貼れる特性+対応する基本エネルギー +”はっこうえき”ツボツボでも回数制限はあるが可能)
+
・無限ダメージソース(フラダリの奥の手+”ダウンロード”ポリゴン2+回収ネット+ポケドロアー+。”アップルドロップ”アップリューは自力で場から消えるので回収パーツが省略できる点が偉い。退化スプレーと組み合わせれば”フェザーアロー”ジュナイパーGXや”しぶきをあげる”キングドラなども可能。キングドラは回収ネットでも良い)
という要素から成立するワンショットです。
実際には、”アップルドロップ”以外の無限ダメージソースはグッズが無限回使えるようにするギミックを求められるため、「フラダリの奥の手」が必須です。そうなると、無限ダメージよりも特殊勝利に寄った方が確実性が高い(θストップなどで負けない)ため、ドローエネルギー型になると考えられます。もっとも、山札を引き切る方向に行くならば、”HAND”などを狙った方が安定性は高そうです。
脱線しました。まとめると、環境にいたデッキの中で、ワンショット系のデッキが特にパワーが高いな、というのが初回の感想でした。
2週目への考察
初回を受けての結論は、三竦みのうちワンショットが一番強い、というものです。ではワンショットに勝つにはどうすればいいのでしょうか。分かり易いものは、ギミックパーツを封殺する、というものです。アップリューループについては、特性ロックで何もできなくなることが分かります。ポリ探マスキッパに関しても、”かなめのふういん”ミカルゲ+”しょうしゅうしんごう”レアコイルで展開してくるため、特性ロックで大幅に時間を遅らせることができると判断しました。ガブギラ探求者についても、”エナジーグレイス”ミロカロスがほぼ必須となっているため、そこを封殺できればかなりの時間が稼げると判断しました。
特性ロックの選択肢は大きく3つあります。
・オカルトマニア
・”かげぬい”ゲッコウガ
・”ダストオキシン”などの特性による特性ロック
1つ目の「オカルトマニア」は、一番確実な選択肢です。速度のあるアグロデッキでワンショット盤面完成を1ターン遅らせれば勝てる、というゲームをするのであれば、正しい選択に感じます。一方で、序盤から連打するのは難しく、速度のあるワンショットへの対策としては安定性に欠けるように感じました。
2つ目の選択肢としては、ワザによる特性ロックであるワザ”かげぬい”ゲッコウガがあり、特性”きょだいみずしゅりけん”と合わせて捲り性能が高い良いデッキです。シゲルくんがこの選択を取り、実際に『ゲッコウガ』デッキを持ち込みました。そちらについての考察は、シゲルくんの記事をご覧ください。
もう一つは、特性による特性ロックです。ガラルマタドガス、ソーナンス、ケッキング、アローラベトベトンなど多数ありますが、私は一番パワーのある”ダストオキシン”ダストダスを選択しました。
”ダストオキシン”を選択した理由は大きく2つです。1つは解除されにくさです。相手ターン中の方法が道具破壊なのですが、メタが進むまでは「フィールドブロアー」などの回答カードが採用されにくい、ということです。また、後述の方法でグッズロックを継続するので、フィールドブロアーやびっくりメガホンが使えない状況に持ち込むことができます。そうすると解除方法はザオボー・クセロシキのみとなりますが、ワンショットデッキのサポ権を妨害メタにサポートカードを採用する余裕はない(メタが進んでいないため入れるメリットが少なすぎる)と考え、一度盤面に置けたらその時点で勝ちになると考えたためです。
2つ目は、ミカルゲとの即起動ギミックの存在です。これは以前から知っていたギミックでしたが、ポケモンコレクターで「ミカルゲ」「ヤブクロン」「アンノーンQ」(道具になれるポケモンであればなんでも良いがバトル場でスタートした時が一番強い逃げ0のアンノーンQを採用した。例えばミカルゲやヤブクロンがベンチにいれば、アンノーンQを2枚サーチしてバトル場を逃すことも可能なため、一番安定感が高い)をサーチして、バトル場を逃すことができれば、アンノーンQをヤブクロンにつけて”ダークグレイス”でダストダスに進化させることで、最速後攻1ターン目に”ダストオキシン”を立てた状態でロック開始できるというものです。おまけのようにグッズロックも付いているため、並のデッキではそこから始動することは難しいはずです。
ワンショットは、1ターンでも与えると盤面がほぼ完成すると考えたため、きちんと対策するには最速でのロック開始が必須と考えました。上記ミカルゲ+ダストダスのギミックにより遅くとも1ターンしか猶予を与えない(基本的に後攻選択するため、実質サポートの使えない先行1ターン目のみ)ことができました。また、サポート1枚から始動できる優位性を最大限生かし、相手がミカルゲスタートであっても成立するように、たねポケモンサーチカードを10枚(ポケモンコレクター4・アズサ4・ウツギ博士の研究2)を採用したことで、体感9割以上のロック成功率を担保できました。
その後のアタッカーを考えた時、グッズロックを継続させるのが強いのでは、とシゲルくんからアドバイスをもらい、往年の「タチワキシティジム」”ブルブルパンチ”を再現することにしました。強化ポイントはガマゲロゲEXに対応する5枚目以降の二子玉である「ツインエネルギー」と、タチワキシティジムが出ていれば成立する何回も使えるどくさいみんこうせんことポケパワー”ポイズンストラクチャー”スカタンクGです。そして自分も毒状態にしてしまう”ポイズンストラクチャー”からガマゲロゲEX自身を守るための「輝くガウン」を採用して、初動から何もさせないまま倒し切る性格の悪いロックデッキが完成しました。中盤以降のコントロール要素として、大量ドローにもなるゲーチスや、エネ破壊のザオボー、フレア団のしたっぱ、解決札になりうるサポートカードをハンデスできるオリーブなどを刺して、ロック下で手札を回転させるネンドールを採用し完成しました。
ロックデッキ耐性のかなり高い(確実に初手に来るサポートからネンドールまで展開できる)デッキのため、ロック・コントロールデッキミラーにも強く、比較的苦手とする大型アグロに対しても、「速度で負けない」ため5分程度の勝率を確保できていると考えました。また、”ポイズンストラクチャー”が強力なため、先行でタチワキに触れていると、そのまま往復で相手のミカルゲを処理して展開を許さない、と言ったおまけもあります。
2週目の答え合わせ
引き続き、対戦結果を書いていきましょう。
初戦:マルヤクデVMAXソーナンスネンドール ●
先週負けたまどまぎさんです。グッズにほぼ依存しないかつ基本エネをワザで加速してくるため、1体立ってしまったら負けのマッチアップです。相手がソーナンススタートだったため、後攻1ターン目に無意味と知りつつ”ダストオキシン”を立ててターンを返します。ベンチのマルヤクデVが順当に進化して「巨大なカマド」から「溶接工」で準備され、ガマゲロゲEXをワンパンする体制に入ってしまったので、そのまま殴られて負け。
デッキ相性が悪かったです。
2戦目:ディアルガG Lv.Xドータクン ○
特殊鋼エネルギーのついたディアルガGのワザ”つんざく”でグッズ&スタジアムロックされつつ、”ときのけっしょう”ディアルガG Lv.Xでポケパワーロックをしてくるプランを取られたため、”ポイズンストラクチャー”が起動せず、”ブルブルパンチ”で応戦する形になります。ロックが外れたタイミングで輝くガウンとタチワキシティジムを置けたので、そのままダメージレースで勝って相手のアタッカーが切れたので勝ち。
数字の大きさで勝ちましたが、ディアルガGはなかなかやれそうな子に思えたので、考えてみたいですね。
3戦目:カツラのクイズショーHAND ○
貸し出しの楽しいデッキ。基本的にカツラのクイズショー連打するため、グッズロックを継続してバトルサーチャーを封殺して順当に勝利しました。クイズは素で正解率7割くらいを出せましたが、途中でゲーチスを打ったのでそのままカンニングに成功してほぼ正解しました(ズル(カイリキーの”ハリケーンパンチ”は覚えていなかった))。
楽しいですね。
結果として、この週の優勝は初戦で負けた『マルヤクデVMAX』でした。毎回全勝者に負けるジンクス。それ以外のデッキは、大物デッキはミュウツー&ミュウGXを軸にしたもので、フリーザー+フローゼルGL Lv.X+「命の滴」や、ドンカラスGX、ポリ探マスキッパ、”あぶり出す”キュウコン+”ずつう”コダック+”HAND”アンノーンなどで、正直なところマルヤクデVMAX以外には負けないだろうな、というデッキ分布でした。メタ読みは完璧なれどマッチアップが最悪、という感想です。とは言っても負けは負けなので悲しい。
さて、このタイミングでババロコ殿堂ポイントの改定が発表されました。
・ポリゴンZ(”クレイジーコード”) 0点→1点
・マチスの作戦 0点→1点
・ドローエネルギー 1点→0点
・退化スプレー 1点→0点
・退化スプレーZ 1点→0点
先週時点で判明していた『ポポッコアップリュー』を制限するため、また他にも”HAND”などでKPの高かった”クレイジーコード”が制限。「巨大植物の森」3点+アップリュー1点+ポリゴンZ1点で上限を超えるため、「ドローエネルギー」のポイントが外れました。同様に探求者コンボへの制限を高めるために「マチスの作戦」に1ポイントを付与し、アグノムにポイントを回す余裕を無くすことで構築難易度を高めています。一方でここまでで悪用ルートの見つかっていない「退化スプレー」系統のポイントが解除されました。
3週目への考察
ポイント改正で、ワンショットデッキの構築難易度・成功率が大きく下がり、数が減ると考えられます。そのため、ワンショットに有利なデッキタイプであるコントロール系(私のダストダスのようなもの)は数を減らすと考えました。また、マルヤクデVMAXが優勝したことで、ムゲンダイナVMAXのような大型VMAXポケモンのパワーが周知されたことも相まって、余計にアグロに弱いロックデッキは数を減らし、大型アグロデッキが多い環境になると考えました。
つまり、一周回ってワンショットデッキを持ち込むべきタイミングだ、と判断しました。ハメやすい大型アグロデッキが多く、苦手なロックデッキが少ない環境になるためです。
さて、ワンショットデッキを考えた時に、ポイント改定で制限の解除された退化スプレーに注目しました。シゲルくんがショックロックの案(”エボルショック”ライチュウを「退化スプレー」で使い回し、マヒロックを永続させるデッキ。バトル場にサポートロックする”ばんけん”ムーランドを置き、”タイムリコール”セレビィEXと合わせてヨーテリーのワザ”ものひろい”で退化スプレーを回収するデッキ。主にそのまま50分使い切ってLOします)を持ってきてくれたので考察します。メタ対象であるマルヤクデVMAXなどは”ばんけん”ムーランドのサポートロック下でマヒを解除する方法がない、と判断しました。ここまでのレシピで「ポケモンいれかえ」や「ポケモン回収サイクロン」の採用率はかなり低く、回収ネットではVMAXポケモンを回収することができないためです。
私はこの週参加しないことにしていたので、以降はシゲルくんのショックロックのブラッシュアップに付き合い、自身のデッキは作成していませんので、この項はここで終わります。ショックロックの詳細はシゲルくんの記事をご覧ください。
3週目の答え合わせ
ショックロック優勝! 苦手な”ニードルアームGX”を持ったミュウミュウデッキに勝っているのはさすがでした。環境読みも、ロックデッキやバラマキデッキは数を潜めており、殴るデッキが多いデッキ分布でしたので、おおよそ外していないと思われました。
一方で、先週優勝した『マルヤクデVMAX』が見事に2連覇を達成し、連勝数を6に伸ばしました。ここまで来ると、次週以降のデッキ選択で意識せざるをえません。ババロコ環境に明確なトップメタの概念が登場しました。また、この時のマルヤクデVMAXには「スクランブルスイッチ」が採用されており、ショックロックのマヒループを抜ける手段を持っていたため、直接マッチアップしたらショックロック側が負けていた可能性がありました。本当に強いデッキでした。
もう一つ、個人的に注目したのが、ハンデスデッキの存在です。”いさみあし”ヤミラミのワザ”ひとまね”で「アカギの先制」を打って序盤からキーパーツをハンデスしていくデッキや、”かくらんスパイ”ペラップGでトップ操作しながら超越(相手の手札を0枚にしてドローゴーさせる動きの通称)するデッキが登場しており、VMAXデッキ系に有利を取れるデッキタイプと思われるため、次週以降も数を増やすと考えました。
4週目の考察
メタへの回答を用意する、という点から考察を開始しました。わかりやすくマルヤクデVMAXを倒す方法として思いつくものは以下のようなものがありました。
①水タイプで160点以上を出し、弱点込みで一撃してサイドレースで勝つ。
②”いかりのまえば”ラッタ+どくさいみんこうせんのような、HPの大きさを無視したパンワンギミックを使いサイドレースで勝つ。
③ショックロックのようにハメて勝つ。
④非EX(サイド1枚しか取られないポケモン)で複数回殴り、サイドレースで勝つ。
一番簡単なのはエクストラのゾロラッタのような②のプランです。殿堂のレギュレーションの中では、多数のポケモンが様々な手段でワンパンを成立させてきますが、大型デッキ以外への勝率が極端に低くなることから、除外します。
③についても、スクランブルスイッチ1枚で負けることがわかっていたため、優先的な考察対象から外しました。そもそも先週ショックロックが優勝している時点で、翌週のデッキがその回答を用意していることは十分考えられるので、デッキ的な優位性が低いと考えられます。
よって、①④の殴るデッキの中から、大型VMAXデッキ以外への勝率の高くなるデッキを探すことにしました。
ここで、先週の答え合わせで、ハンデスデッキが強いように思う、という観点があったことを思い出しましょう。ハンデスへの回答は、オーロット&ヨノワールGXが猛威を振るったハンデス環境のエクストラから参考にしました。ブルーの探索+ピッピ人形+トロピカルビーチの組み合わせです。このギミックの強力なデッキに、ビーチレジロックというものがあります。Ωバリアが探求者でバウンスされない、という公式回答があったため、探求者ワンショットには一方的な有利を取ります。また、剥がされない「きあいのタスキ」がサイドレースでかなり強いことは明白なため、大型デッキとの殴り合いでも勝負できると考えました。しかし、ビーチレジロックというデッキタイプは殴ることができるコントロールデッキであり、そのメインプランの一つにダブルドラゴンエネルギー依存のデッキ(三神レシゼクやウルトラネクロズマ)に対して「ザオボー」連打でLO勝ちする、というものがあります。現在のババロコ殿堂環境を見たときに、特殊エネデッキは一定数いるものの殿堂プールの仕様上特殊エネの枚数が4枚よりも多いこと(ダブル無色+ツインエネのように)、また同じくらい基本エネ主軸のデッキタイプ(それこそマルヤクデVAMXのような)がいることから、メタ的な強さがかなり落ちると判断して、最終的には検討を取りやめることにしました。同様に気合のタスキとΩバリアが強い、ビーチも強い、という視点から、シゲルくんがゲングラナンス(のナンスをミカルゲにしたバージョン)を考察していましたが、こちらと同じく育成難易度と育成後のパワーがペイし切れないという問題が解消せず、まとまりきらなかったです。
さて、ブルーの探索+ピッピ人形+トロピカルビーチの組み合わせを使ったデッキタイプに、インテレオンVMAX+トロピカルビーチというものが存在します。カードパワーの高いVMAXポケモン、かつ水タイプでマルヤクデVMAXをワンパンできて、”ダイバレット”のベンチ狙撃60点によってサイド複数取りができるため小物デッキとの殴り合いでも不利を取らない、ハンデスにも強い、ということで環境への回答要素を持ったインテレオンVMAXが候補に上がりました。デッキ枠の余裕があり、ブルーの探索から適宜メタカードをサーチできるため、有象無象のロック・ワンショットデッキへの回答が十分に採用できる良いデッキに仕上がりました。
具体的には、ショックロックや”なぐってドロン”のようなマヒループには、輝くガウンや入れ替えフロートで対策し、ベンチ狙撃で裏のたねポケモン(ピカチュウやチョボマキはHPのものが多い)を倒してループを継続できなくさせます。また、ピッピ人形以外のポケモンがベンチに出ないため、余計なポケモンを縛られるという負け筋もありません。マルヤクデVMAXのヒート炎エネルギーに対しては、ちからのハチマキで打点バンプして一撃処理を達成します。ハチマキ込み180という打点は、カプ・テテフGXやクロバットVを倒せる打点のため、ゲームエンドの速度も早めることができています。
また、環境考察の中でシゲルくんから、ここまで分かりやすくマルヤクデVMAXが強い環境ならば、今週持ち込むデッキは水タイプが多いことが分かりきっているので、水に強い雷が多いのではないか、と意見がありました(実際にシゲルくんが持ち込んだ『エフェクトチャーレム』デッキは、炎・水・雷の弱点をつくことができます。詳しくはシゲルくんの記事をどうぞ)。サーチできる利点を生かし、「弱点保険」を採用することで、インテレオンVMAXを生存させる方向にしました。システムポケモンを採用しない、というデッキタイプの利点は、”ダストオキシン”のようなロックデッキの影響を受けにくいという利点もあり、週の回答としてはかなり正解に近かったのではないかと思います。
さて、実際に持ち込んだデッキですが、「カイオーガ&グラードンLegend」デッキです(この記事に掲載しているレシピは、実際に持ち込んだものから若干の改良を加えています。元レシピはTwitterにアップしているのでそちらをご覧ください)。カイオーガ&グラードンLegendは、Legendポケモンの中でも打点がとても高く、現環境でも機能するカードだと考えていました。水タイプと闘タイプの複合タイプのため、マルヤクデVMAXの弱点を突きつつ雷デッキの弱点もつけるメタにあった色をしています。また、相手の山札を5枚トラッシュするという強力な山破壊ワザを持つため、遅いコントロールに対してはかなり強く立ち回ることができるため、単体でカードパワーが高いと感じました。
”だいふんか”を打つために”ときをもどす”ディアルガを採用する、というギミックを考えていたところ、シゲルくんとの考察の中で、「マオ」+”ときをもどす”でデッキトップにカイグラ1セットとエネ3枚を仕込むことができる、というギミックに思い至り、「レジェンドボックス」から即起動するプランが出来上がりました。バトルコンプレッサーでカイグラセットと基本闘エネをトラッシュして、ブルーの探索+”リフレイン”ジラーチでマオ・ゴージャスボール(ディアルガ)・レジェンドボックス・回収ネット・バトルコンプレッサーをサーチします。バトル場のポケモンを逃せない場合は軽石をサーチしたり、1回目のバトルコンプレッサーが打てていない場合は”リフレイン”をもう一度行って、パーツを揃えます。サーチ枚数に余裕があるときは、きあいのタスキや回収ネット2枚目をサーチしましょう。パーツが揃ったら、バトルコンプレッサーでトラッシュにカイグラ1セット・基本闘・基本エネ3枚の計6枚をトラッシュします。次にマオでデッキトップにダブル無色エネルギー・ブレンドエネルギー水雷鋼闘(320点が必要ならばストロングエネルギー)を仕込みます。ディアルガを出して”ときをもどす”でカイグラセットと基本闘エネ(相手の山破壊プランを取る場合は水エネ)をデッキトップに置きます。この時にシャッフルはされないため、デッキに必要パーツが5枚乗った状態になります。ここでレジェンドボックスを打ち、カイグラに4エネをつけて、バトル場に入れ替え、回収ネットでディアルガの”ときをもどす”をもう1度使用します。基本エネ3枚が山に戻るため、ワザ”だいふんか”が確定で300ダメージとなり、相手を破壊します。
ここまでのギミックの動きが完成したので、殿堂要素の少ないインテレオンVMAXよりもカイグラで300点を狙った方が楽しいデッキだと感じたので、カイグラを持ち込むことにしました。
4回目の答え合わせ
初戦:マルヤクデVMAX ●
またしても初戦マルヤクデVMAX。ちゃんと動けば有利を取れることはわかっていたので、落ち着いてプレーしようとしましたが、初手がアグノムスタートでサポートなし。そのまま2ターン目に”キョダイヒャッカ”GG。
泣きの再戦を頼み、ちゃんとカイグラが立ってボチボチゲームしましたがタイムアップとなりました。ブルーの探索でサーチする弱点保険が入っていてワンパンできなかったので、おそらく事故らなかったとしても勝ちの目は薄かったのかなと思います(インテレオンならばブロアー採用しているため、勝てそうな感じはしますね(机上論))。
連勝止められず。というか3回中3回まどまぎさんにマッチアップして全部負けています。
2戦目:Aライコウケララッパ ●
Aライコウの2枚取りでベンチアウト負けが見え、強引にでもカイグラを用意せざるを得ない状況に。闘エネを付けられないままカイグラをバトル場に出すことになり、”ジャイアントウェーブ”を打つも30点ばらまき止まり。そのまま正面のAライコウを処理できずに負け。
ジラーチを展開する部分のサーチカード(ネストボールなど)が薄かったのが敗因と思われます。デッキを詰め切れていなかった部分の弱さが出ました。あるいは”ベンチバリア”を採用してもよかったかもしれません。貸し出しデッキにAライコウとミュウミュウアローラサンドパンGXがいるため、ベンチ狙撃のケアは必須のように感じられます(”ベンチバリア”についてはシゲルくんの記事が詳しいのでそちらをぜひ読んでください)。
3戦目:イカサマダイスアクジキング ○
”わるふざけ”ロトムでジラーチPSと「イカサマダイス」を仕込み、アクジキングのワザ”レッドバイキング”でサイド6枚取を目指すデッキです。私は殿堂レギュの情報収集が趣味なので、このデッキがYOUTUBEに動画として上がっていることを知っていました。アクジキングの加速ルートがビーストリング依存で、一回倒せば後続がいないことも知っていたので、カイグラをゆっくり準備して、ディアルガ回収ネットを連打して倒していき、”レッドバイキング”でディアルガが倒されるも非EXを倒しても6枚取り切れないことがわかっていたので、そのまま返しにアクジキングを倒して投了勝ち。この時のサイドチャレンジはサイド2枚+ジラーチPS+イカサマダイスコイン2裏の計3枚でした。悲しい。
イカサマダイス入りのギミックは私も温めているものがあるので、どこかでお見せできるかもしれません。
結果は1勝2敗と奮いませんでしたが、カイグラ”だいふんか”300点ドーン、ができて楽しかったです。
環境の結果を見ると、全勝一人目は”DAMAGE”アンノーンデッキでした。”ひっぺがす”マニューラと”ダメージスワップ”ランクルス、アンノーンQ、ミミッキュ&ゲンガーGXで2〜3ターン目には特殊勝利を決めるデッキです。キーパーツである”DAMAGE”アンノーンと「マグマ団の秘密基地」にそれぞれ2ポイント制限かかっているため、サイド落ちに泣く場面が多そうという印象でしたが、きれいに決めていたところを見ると、この手の制限きつめのワンショットの実現性も高く見積もって良いかもしれないな、と感じているところです。
もう一人の全勝は、ミカルゲ+ダストダスのギミックを搭載して、”やぶれかぶれ”ギラティナやギラティナLv.Xを合わせて妨害要素を高めた『ドラパルトVMAX』でした。ドラパルトVMAXはインテレオンVMAXと同じくベンチ狙撃要素を持った大型VMAXで、このデッキにはエネルギーリンクを使ったトランスまんくすギミックまで採用されており、ロック要素強めの非常に強力なコントロールデッキでした。”やぶれかぶれ”とトランスでマルヤクデVMAXの連勝を止めたデッキでもあり、とても良いデッキでした。
ドラパルトVMAXへの個人的な評価を書き添えておくと、大型デッキで一番強いと考えていたムゲンダイナVMAXに色不利を取るため、あまり評価が高くありませんでした(弱点をつかれないインテレオンVMAXの方が良い、と考えていました)。ムゲンダイナに限らずVMAXデッキとの殴り合いには不利という印象だったため、エネルギーリンク+”ダストオキシン”は綺麗な回答だったと思っています。エネルギーリンク自体が、初週にムゲンダイナVMAX+エネルギーリンクを見て、あまりパワーを感じられなかったことから、その後の考察ができていませんでした。”やぶれかぶれ”などの妨害ギミックを添えたエネルギートランスを考察できていなかったのは、私の知見不足という感じです。先の”DAMAGE”デッキとの相性を見ても、”ダストオキシン”でゲームエンドできるため、ドラパルトデッキの構築の妙を感じました。
また、三神入りのデッキが2つ(ミュウミュウバレット・ひかるミュウ軸のタッグバレット)、ドラパルトVMAXにマルヤクデVAMXとVMAXデッキもあり、大型アグロデッキの評価が上がってきているという印象でした。一方でハンデスデッキ(”スナッチクロー”マニューラや”ジャンクハント”ヤミラミを絡めたコントロールデッキ)がいたため、ハンデスを意識するという観点は当たらずも遠からずという感じでした(カイグラはハンデス耐性ないですが……)。
さて、最後に2回目のポイント改定が発表されました。
・アルセウス&ディアルガ&パルキアGX 2点→1点
・アオギリの切り札 2点→1点
・カクレオン(”カラフルボディー”) 禁止→4点
三神の制限緩和で殴るデッキのパワーを上げ、相対的にロック系のコントロールデッキのパワーを抑えよう、という意図とのことです。ロロたんぬ氏も仰っていましたが、今週時点で三神入りデッキが複数いたため、若干大型アグロのパワーが高い環境になるのではないか、と感じています。大型タッグチームGXやVMAXとサイドレース差でギリギリ勝負していたAライコウのような非EXデッキは、多少厳しい戦いを強いられるようになるかもしれません。
また、”カラフルボディー”カクレオン・アオギリの切り札のポイント改定(特にカクレオンですが)は、今まで注目されてこなかったデッキタイプの開拓が進む可能性が高いです。どのようなデッキが登場するか、次週が楽しみですね。
次週のババロコ殿堂は、9月13日日曜日19時半からの開始です(今までよりも30分開始が早くなっています。ご注意を!)。会場でお会いできることを楽しみにしております。
では、皆様のポケカ殿堂ライフに幸あらんことを。
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