安全安心な夜、四面楚歌の昼

夜更かしが好きだ。これは小さな秘密の集い。
主催者はもちろん私で、ゲストは私の中に住んでいる私たち。世間の多くの人が英気を養う時間帯に、素直な自分の、自分のための、自分によるプチパーティーの開催だ。

夜の思考回路が好きだ。それは正解がなくて優しい。
特別で、唯一無二で、自分だけのもの。誰かに求められた成果ではない。一生懸命生きてきた自分の、自分のための、自分による安全な場所。

昼のうちは世の中に身を置かないと、ついていけなくなってしまう。だからこそ、できる限り自分が嫌われないように細心の注意を払う必要がある。
この熱量だと立場の違う誰かが悲しい思いをしてしまわないか、こうすべきだと主張したら信頼してくれているあの子も遠慮してしまわないか、何も思いつかなかったら偉い人や新しい人に使えないやつだと思われてしまわないか。
常に自分と周りとの距離を測って量って、伝えたくて伝わらなくて正解を探し続けている。

毎日毎日、色んなことが同時進行していて、何かが勃発している。情報ばかりがあふれていて、そんな中でも味音痴ながらに咀嚼して食リポして、求められたコメントをしないといけない。
そんなの、全部美味しいし、全部まずいよ。

みんなどうやって乗り越えてるんだろう。それともうまくやり過ごしてるか。
それって、いつどこで習ったの?私が知らない間に特別講座が開催されていたの?

私は疲れ気味だけど、多分世の中の全員が疲れている。そんな中でも、どのレベルに達したら悲鳴を上げてもよいの・・・?どれくらい我慢するのが普通・・・?

あぁ~昼間っから世間の目とかあってないものとみなして、私のためのパーティーを気軽に開催できるようになれればいいんだよな。
私にはその胆力が備わってなくって。いつも遠慮して周りを見渡して距離を測り続けて一日が終わる。そんな中でできた成果物は、多分誰にでも作れただろう代物でしかない。

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