売れない研究

「売れない研究は意味がない」という旨の発言をしたら、なんだかものすごい拝金主義者、資本主義の犬、みたいな反応をされた。

うーん、なんか勘違いをされたのかもしれないが、何も「売れ筋の企画だけ作れ」とか「大衆ウケする研究をもってこい」という意味ではもちろんない。

言いたかったことは、市場経済的な販売動線にのせ、大衆への流通を意識しつつも、その流通経路や売れるシステムそのものを率先して組み替えるような研究や本を意識する必要があるということだ。

資本主義的なもの、大衆的なものに迎合するか抵抗するかの二択ではなく、中に侵入しつつそれを内破させるような、言説的工作活動をしなければならない。

というかニヒリスト気取りで資本主義とかいうデカイ言葉持ち出して諦めを表明するのって、ある意味冷笑系とやってること変わらないっしょ。
版元って、言説的工作員を流通経路に侵入させることができる数少ない仕事なんだから、もっと狡猾になったほうがいいと思う。

あ、言説としての活動とか、アクティビストとか、そういったものを否定しているわけではないので。ただ現状多くの人が接続してアクセスしている資本主義とか市場経済とか家父長制とかなんでもいいけど、そういうネットワークを外側から攻撃すると、余計に守りが堅くなるだけなんじゃねって話。

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