映画「トラペジウム」を観た感想 ※ネタバレ注意
はじめに
この記事はネタバレを含みます。感想上どうしてもストーリーやキャラクターを語らないわけにはいかないので、その点だけご理解ください
できることなら鑑賞後に読んでいただくと幸いです。
心を奪われました
2024年5月11日(土) 映画トラペジウムの公開から二日目に観てきました。
そして心を奪われてしまいました。
こんにちは。トラペジウムのことだけを考えて生きている人間です。
物語の冒頭~主人公は自己分析とマーケティングの鬼~
トラペジウムはアイドルを目指す少女が自己分析とマーケティングを駆使して夢を掴む物語です。
SNSでは主人公が人を人と思わないサイコパスとか狂人とか言われてますが、まぁそれはSNSでバズるためのワードチョイスでしょう。
主人公「東ゆう」は自己分析とマーケティングの鬼です。自分に足りないものは何か、どうすればそれが満たされるのか、またどうすればアイドルになれるのか、物語の冒頭で既に答えを導き出しています。その答えを逆算する形で東ゆうは行動を始めるのです。
アイドルになるために導き出したこの行動こそがサイコパスと呼ばれてしまう理由です。
違うんです。
彼女はアイドルになるためのセルフマネジメントをしているに過ぎないのです。
以下では超絶ざっくりしたあらすじを紹介します。
超絶ざっくりしたあらすじ
全ては自分がアイドルになるために
東ゆうは自身の住む地域にある「西」「南」「北」の名がつく高校から一人ずつアイドル候補を選抜します。東ゆう自身は城州東高校の生徒なので「東」です。
つまり全員揃えば「東西南北」となります。
キャッチーで由来がおもしろく、わかりやすいグループですね。
東ゆうは努力と運の結果、東西南北メンバー四人の選抜ミッションをクリアします。
さて、ここで選抜と言ってますが、西・南・北の子たちそれぞれは東ゆうに「選ばれた」とは思っていません。友達ができた! という感覚しかないのです。
東ゆうは「私と一緒にアイドルを目指そう」なんて彼女たちに一言も言ってないからなんです。
なぜならアイドルを目指すために東西南北グループを作りました! なんてストーリーは芸能界的にはおもしろくありません。あくまでも友達グループがよく考えたら東西南北だった、という偶然のストーリーのほうがおもしろいのです。
そもそも東ゆうはアイドルになるためにオーディションを受けては落ちていました。普通にアイドルを目指す形では夢が叶えられないことに気づいたのです。だから別の形でのアイドルデビューを目指すことにしました。
そこからは全て偶然を装いつつも東ゆうの計算・計画通りに物事が進み、紆余曲折を経て東西南北の四人はアイドルとしてデビューすることになります。
自分の夢を叶えるため、アイドルになるにはどうすべきか? 東ゆうが導き出した答えを辿っていく物語は恐ろしさすら感じます。やっぱ狂人じゃねえか。
破綻
元々アイドルを目指していない東ゆうを除く三人は、最初こそ彼女らなりに賢明にアイドル活動に取り組みます。しかしアイドル活動をしていくうちに他人からの評価や激変する環境の変化についていけず、心が壊れる寸前まで追い詰められ、やがて瓦解していきます。
まぁ当然の結果ではあるんですけどね。
アイドルは本来アイドル志望の子がオーディションを受けてなるものです。
それが東西南北はイレギュラーな形で、素人のままアイドルにさせられてしまったのです。
東ゆうは夢が叶ったので結果としては百点満点ですが、他の三人にとっては地獄でしかありません。
一度瓦解したら最後。東西南北はアイドルグループとして解散し、東ゆうを含め芸能界を去ります。
その後
アイドルグループとして解散した東西南北ですが、友情までは消えていません。これまで活動してきた「楽しかった思い出」は確実に存在しています。それは東ゆうも例外ではありません。
一度全てを失ったことで、本当に大切なものは何かを知ることになります。
東西南北の四人はそれぞれやりたいことを叶える自分の夢に向かって歩みを進めることになります。
以上が超絶ざっくりしたあらすじです。本当はもっと紆余曲折どころか地獄みたいな展開もあったんですが、長くなるので割愛します。
感想
えぐい女子高生
冒頭にも書きましたが、東ゆうの自己分析とマーケティングは鬼です。しかも行動力まで伴っている。えぐい。本当に女子高生か?
真っ当にオーディションを受けてもアイドルになれないことを知っている東ゆうは、いかにして別の形でアイドルになるかを分析します。
強烈な個性を持っている顔が整ったメンバー選びから、いずれアイドルになったときのエピソードとして使えるボランティア活動まで。その全てが芸能界にとっておもしろいと思ってもらえるお友達グループを作り上げます。
確かに東ゆうヤバい女ですが、普通に考えて有能です。結果を出しましたからね。むしろヤバい女でないと芸能界ではついていけないのでは? と思ってしまいます。
東ゆうに憧れる
しかし僕はヤバい女こと東ゆうに憧れます。
夢を叶えるために自己分析とマーケティングは必要です。行動力もです。
僕は果たして夢を叶えるために何かを成し遂げたのだろうか。特に目標もなく大学に行き、目標もなく就職し、なんだかんだ結婚して今は一児の父。
普通といえば普通だけど、普通でしかない。
東ゆうは確固たる夢を持ち、それを実現するために行動をしました。
普通の人生を歩んでいる僕からすれば真逆の人間で、だからこそ憧れます。
アイドルとは
そもそもトラペジウムの原作者は元乃木坂46の高山一実さんで、高山さんが現役時代に書き上げた作品です。
つまりアイドルがアイドルになるための物語を書いたというわけです。
すごいですね。
アイドルでいるためには普通の一般人的な感覚ではダメなことと、人が求めている姿を具現化しなければならないことが俯瞰的に理解されていると思いました。つまり自己分析とマーケティングの鬼である東ゆうと同じなわけです。
僕にとってのアイドルは表面的なキラキラした姿しか想像できません。
しかしそれが正解だと思っています。
一般人にとってのアイドルはその姿しか知りようがないからです。
おわりに
全然書き足らないんですけどね。
自制しないと一生書いてしまいそうなのでこの辺にしておきます。
そもそもまだ一度しか鑑賞していないため、理解度が及ばないところがあるかと思います。
また機会があれば書き記します。とりあえずこの辺で。
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