路地裏の小さなろうそく店
2016年12月27日のblogを転載しています◯
吉祥寺の路地裏につくった、小さなショップをクローズしてから今日でちょうど1年がたちます。
オープンしたのは2013年の7月の終わり。
たぶん、長くは続けられないであろうことも薄々わかっていて、けれどもどうしても、路地裏に実際にある、不思議な魔法のろうそくのお店、という「かたち」を作りたくて。
それだけの思いで作った、Aurea magic candlesという、路地裏の小さなろうそく店でした。
去年、ショップ営業最後の日に来てくださった、いちばん最後のお客さまが、伝えてくださったこと。
"このお店の世界に触れたら、自分の中に眠らせていた魔法が目を覚ましました"
最後にいただいて、とても嬉しかった宝物のような言葉です。そして、わたし自身も、ショップを開いて以降、それをとても感じていました。
今年は、本当に心の中で、いろいろな魔法の旅をしていた年でした。自分自身が、どこでどうして生きてゆきたいか。
「今」、いちばん自分に心地よく、いちばんうれしい選択をただ、し続けること。
ただそれだけが、いつか還る場所への道になることを、1年を通して感じていました。
大すきだったショップとアトリエの内装を壊し、ゼロに戻すことから始まった年。
わたしの人生で、大きな存在だったひとたちとのお別れも続き、そして、長く親しんだ場所から引越しもしました。
2013年からの、宝物のようだったひとつなぎの時間に、9月の秋分頃、大きくさようならを選択して。
そして新しい時間が始まると同時に、憧れていたお店から、とてもうれしいお仕事のお話をいただいて。
その後出逢えた、はじめましてのはずだった何人もの方が、あの小さな路地裏のろうそく店に来て下さっていたことや、目で見て知って下さっていたこと、を知らせて下さいました。
中でも、ほんとうに嬉しかったのは、以前からとても大すきだった方が伝えてくださった、
2013年のオープン直後の夜に、偶然にあの路地裏を歩いていたその方が見ていてくださった、ショップの窓からもれていたという、ろうそくの灯の話です。
あんまり大切でうれしい、特別なお話だったので、胸の中の大切な場所に飾ってあり、ここには記しませんが。
あの場所で、あのろうそく店を始めたことは
自分だけの満足ではなかったのだ、ということや、感じる不思議なつながりやご縁は、見えない場所でしっかり育っていて、ある日、花が咲くように、目に見える形に表れてくれること。
そして、魔法は、確かにその時そこにあったこと、そしてこんなに、確かにここにあること。
わたしが、何よりも大切に思うことを、数年の時を超えて伝えていただけたのです。
あんとす堂のeriさん。本当に、ありがとうございました。
誰もがみんな、自分の選択を疑いなく信じて、胸の光が指し示す方向へ走り出せますよう。
そこで待っている未知の世界は、本当は誰もにひとつずつの、懐かしい王国なのだと思います。
わたしの中の王国の、懐かしいひとがこう言っているみたいです。
「本当はすべてを知っていた、
だけどただ、何もかもを初めて出逢うかのように、ひとつずつ思い出したかったんだ、そして、その大切さと愛を知りたかったんだよ」
大切な12月に、たくさんの愛をこめて。
Aurea magic candles
清水愛子
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