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[個人的前半戦影のMVP]鉄人・安定の男アクセル・ヴィツェル

こんにちは。

リーガは前半戦を終えましたね。
前半戦の全チームの順位はこちら。

前半戦の順位

アトレティコはCL圏外の5位に転落。
ジローナとアトレティックの好調さも考えると本当にこれから落とせない戦いが続きます。
昨シーズンの後半戦のような復調を見せてくれるのか注目です。

本日はその前半戦の戦いにおいて、アトレティコの中で印象に残った選手をピックアップして紹介したいと思います。

今回は得点やアシストなど目に見えた数字という観点の評価ではなく、影でチームを支えているという観点から評価し選出しました。

その選手は...

アクセル・ヴィツェル

今季でアトレティコ2シーズン目のヴィツェルを選出しました。

まず、ヴィツェルの経歴がこちら。

経歴

ベルギー代表としても長く活躍してきて、去年代表を引退し、現在はアトレティコ一本で活躍しています。
クラブとしても各国の強豪を渡り歩いてきたという感じですね。
ただ、中国に行く以前は5大リーグでのプレー経験はありませんでした。

日本にも


天津権健時代にはACLで柏レイソルと戦っていたそう。
この選手が今後ドルトムント、アトレティコを渡り歩くとは思いもしませんよね。

2008年からベルギー代表でプレーするヴィツェルだが、ドルトムント加入前まで欧州トップリーグでの経験はなし。加えて、2017年には「お金のため」と公言し、中国の天津権健へと移籍した。ヴィツェルは当時について「断るわけにはいかないオファーだった」と話す。

「その頃所属していたゼニトとの契約が終わって、僕はユヴェントスへ移りたいと思っていた。すでにメディカルチェックもパスして、あとは契約書にサインさえすればいいところまで来ていた。それなのに一日中事務所で待っていた挙句に聞かされたのは、またゼニトに戻らなければならないという知らせだった。その後で中国へ行くチャンスが生まれて、僕はそのチャンスを利用する決心をしたんだ」

しかし、金のための移籍だったとしてヴィツェルのみならず、ベルギー国内では家族にまで非難が届くように。さらに、ヴィツェルが欧州へ戻ることを決断したのは、娘の身に起きた出来事だった。

「突然娘のマイ=リが腹痛を訴えたから、娘を連れて天津にある外国人のための病院へ行ったんだ。娘は神経ブロックをしてもらうことになったんだが、そこの病院には処置に必要な機器がなかった。僕は2つの選択肢のどちらかを選ばなければならなかった。天津の中国人のための病院に行くか、車で2時間かかる北京の外国人のための病院に行くか。けれど、非常に危険なことになる可能性があったから、北京へ行く時間はなかった。だから僕は小さな中国人のための病院へ行ったんだ。そこには想像もできないくらい大勢の患者が来ていた。まずチケットを取って順番待ちをしなければならなかった。まるで役所でやるようにね。僕にすればまったくとんでもないことだったよ」

Goal  2019年8月28日

結論としてはこの一件が決め手となり、妻と相談して欧州へ戻ることを決めたらしいです。

28番のイメージ

さらにヴィツェルはスタンダール所属時からアトレティコに来る前まではクラブでの背番号がずっと28。
しかし、リーガでは番号規定が25番までとなっていて、この番号が使えませんでした。
よって、クラブでは初の背番号変更でしょうか。
現在は20番でプレーしています。
確かに28番に似ているかもしれませんね。
この番号を選んだ本当の理由はわかりませんが。

2022年アトレティコへ加入

2022年の夏、アトレティコにフリー加入。

当初は現在アストンヴィラでプレーしているアンカー及びCBのブバカル・カマラを狙っていたアトレティコ。
ヴィツェルより一回り歳下の将来性あるカマラをフリーで獲得できるチャンスでした。

しかし、アトレティコのSDであるベルタがカマラの元へ訪問した際のカマラの態度を見て即座に契約することを辞めたという話は有名ですよね。

資金力もないアトレティコが結果として獲得したのはドルトムントを契約満了で退団していた当時33歳のヴィツェルでした。

この時は中盤のサブとして考えているかなと思いました。また、ドルトムントで長期離脱していたこと時期もあり、ケガ耐性についても心配だなという第一印象でした。

しかし、このシーズン開幕前のプレシーズンではアトレティコのCB怪我人事情によりヴィツェルはCBでプレーしていました。
元が中盤の選手なだけあり、ビルドアップ能力はピカイチ。
守備能力についてはスピードは特に怪しいですが、割と遜色ないという感じだったと思います。
結局そのままCB起用も採用されましたね。

1シーズン目はW杯イヤーということもあり、かなりのハードスケジュールにも関わらず、大きな離脱もなく怪我耐性についても安心感を覚えました。

そして、特にフォーカスしたいのは今季です。
今季は完全にCBがメイン。
まず、ここまで今季欠場した公式戦は開幕節のグラナダ戦のみ。これは昨季のリーグ最終戦で退場したことによる出場停止です。
なので、実質離脱は0。
最年長とは思えない鉄人ぶりです。

さらに、最近20試合の公式戦でフル出場18試合。
リーグ第12節ラス・パルマス戦(1-2)とCL第6節ラツィオ戦(2-0)を除いて全て90分戦っています。
怪我人事情を支えているのは万能である彼の存在で間違いないでしょう。

ただ、ヴィツェルにはこの鉄人さに加えて安定感もあります。
まずは、攻撃面で言うとビルドアップが相変わらず安定しています。

リーグ
CL

パス精度について、リーグに関しては約93%の成功率、CLに関してはなんと約96%の成功率。
これが1試合だけではなく、リーグは前半戦、CLはグループの6戦全ての合計なのが凄さ、そして安定感を示しています。
実際に試合を見ててもパスを失敗するイメージがないです。ボールの扱い方も上手いし攻撃の組み立てにおいて欠かせないですね。
アトレティコがカウンターサッカーだけじゃないという幅を広げたのはヴィツェルの存在が大きいのではないかと思っています。

初ゴール

また、今季には第13節ビジャレアル戦(3-1)で加入後初ゴールも決めましたね。
度々惜しいシーンは前からあったのですが、ようやくですね。
コーナーのチャンスにおいてもしっかりゴールに繋げられる可能性を持ってるのは有り難いです。

そして、守備面においてもかなりの貢献をしていると思います。

リーグ
CL

リーグに関してはデュエルが約80%の勝率、空中戦も約85%の勝率。
本職のCBと比べても遜色ないというか、むしろトップレベルに近いとも言えますよね。
186cmという高身長も有難いです。
(カマラは178cm)
スピード速い相手には少し苦手意識はありそうですが、最後まで付いていってしっかり体を投げ出しているので、結果的に失点を防げているというシーンも多いです。
CLに関してはリーグほどとは言えませんが、ボール回収率が高いことも安定感を示していますし、このスタッツ以上に守備においても彼の頼もしさを感じます。

今アトレティコは3-5-2というフォーメーションを採用していますね。
この後ろ3枚に関してはヴィツェルがいるからこそ成り立つ3バックだと思います。
その理由はこの安定感が全てです。
そこの攻守の総合点では本職を差し置いても個人的にはコンバートされたヴィツェルが一番優れているのではないかと思います。
そのことはコパデルレイのルーゴ戦を1試合通して見たら尚更わかると思います。

彼は1月12日で35歳を迎えます。
このチーム最年長がチームにもたらしているものは加入当初の予想を遥かに上回っています。
契約延長がどうかという話もありますが、いくら年齢とはいえこんな鉄人・安定の選手を簡単に手放してほしくはないです。

逆に言ったら今のアトレティコの弱さを示しているのでしょうね。
特にDF陣は本職ではないヴィツェルを超える選手が現れないことは少し危機感を覚えなければならないのかもしれません。

アトレティコに来てくれてヴィツェルには感謝しかありませんね。
そして、SDが態度をしっかり見てカマラ獲得を辞めてヴィツェルに切り替えたことも改めて正解でした。

ということで、個人的な前半戦MVPにはヴィツェルを選出しました。

エルモソも実は迷った

最後まで読んでいただきありがとうございます。
また、次回の執筆も読んでくれると嬉しいです。
アトレティのみなさんの前半戦MVPは誰でしょうか?

AúpaAtleti🤙

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