音MADでDJをしてみよう
この記事は音MADアドベントカレンダーに参加しています。
この記事を書いているのは12月12日。nerdtronicsという音MADのクラブイベントの翌日になります。
こちらのイベントで映像付きで9.9割音MADのみのDJをしました。
大学時代はDJサークルに入っており、FunkotやHardtekというジャンルの音楽のイベント等でDJをさせて頂く機会が結構ありました。
キャパ数百人とかの規模のパーティでのDJ経験はないにしろDJとして最低限のことはできますが、音MADでDJをするのは大変でした。
今回はその辺りの最適解を考える記事になります。
第3回nerdtronicsの主催はキミだ。
1.そもそもDJに何が必要?
音MADのDJ以前の話で、DJに何が必要かまとめます。
パソコン
DJソフト
DJコントローラー(あった方が嬉しい)
パソコンについては何でもいいです。
クラブでDJする人ならノートPCがいいでしょうし、現場においてるCDJ(でかいDJ機材)を使うならUSBメモリに音楽入れるだけでDJできるのでデスクトップPCで仕込みをする形でもOK。自分は基本はデスクトップで曲の管理してました。
DJソフトはいろいろあります。
自分はrekordboxを使ってます。
機材使わないでソフト上でマウスとかでDJするなら無料でできると思います。
課金するとmp4を曲として使うことで映像付きでDJできます。
DJコントローラーですが、rekordboxのソフト内でマウスでDJできる機能があるので実はマストではないです。
ただあった方が楽です。
今から買うならDDJ-400が一番無難かと思います。
DDJ-FLX4っていう最近出たのもよさそう。
https://www.pioneerdj.com/ja-jp/product/controller/ddj-400/black/overview/
自分は家でつなぎ確認とかするときはDDJ-SB2という古いものを使っていて、イベント本番ではクラブに備え付けのCDJを使ってました。
家でDJする場合も、最終的にクラブでDJしたい場合も、大きいコントローラーを買うメリットはそこまでないと思うのでとりあえず安めのを買いましょう。
他にもケーブルとか細かいものは必要ですがそれは機材によるので調べてください。
2.DJって何やってるの?
DJって何やってるのか結局よくわかっていない人、かなりいると思います。
極端な話、2つの音楽プレイヤーを準備して様々な音楽を交互に再生すればそれはDJミックスです。
それだとあまりにも力技過ぎてしんどいので、DJミックスをするために効率化されたものがDJコントローラーになります。
以下のボタンさえ覚えればDJできます。
各ボタン、つまみは左右対称に配置されており同じ機能を持っています。
左右のターンテーブル(今回は仮でAデッキ、Bデッキって書きます)に別々の曲を読み込んで交互に流します。
大雑把な手順は下記です。
Aデッキに曲を読み込む
Aデッキの再生ボタンを押す
Aデッキの音量を上げる
Bデッキに曲を読み込む
BデッキのBPMをAデッキに合わせる
Bデッキの再生ボタンを押す
両デッキのイコライザーをいじりつつBデッキの音量を上げる
Aデッキの音量を下げる
Aデッキに曲を読み込む
これを繰り返すことで永遠に音を途切れさせることなく音楽を流し続けられます。
他にも色々ありますがここでは概要だけ伝えたいので、詳しくはマニュアルとかチュートリアル動画とか見てください。
3.音MADDJの課題と解決
nerdtronics1,2と2回音MADでDJして思ったのですが、下記がしんどいです。
課題
尺が短すぎる
普通の音楽は3分以上はあるのに音MADは平均1分30秒くらいな気がします。
展開も忙しくて繋ぎづらいです。
クラブミュージックはイントロが長めに準備されているので自然につなぐことができるのですが、音MADは無理なく繋ぐのに事前の準備が必要になります。音圧が違い過ぎる
ジャンルや素材、作者や投稿時期で音圧がかなり違います。
1曲1曲の尺が短い中、音量調整もその場で頑張らないといけないです。映像が付かないと伝わらない
マストではないのですが音だけだと素材すら把握してもらえない可能性があります。
映像ありきで通じる内容もありますし、音MADの100%のポテンシャルを引き出すには映像付きでDJをした方がいいと考えています。
解決法
今回のnerdtronics2では下記の方法でこの課題をすべてクリアしました。
ここから若干DJソフトの用語が増えます。
尺が短すぎる→事前にループを仕込む
rekordbox(以下レコボ)ではBPMの解析等基本的なところから、再生開始位置やループ等を設定できます。
これをDJプレイ中に読み込むことで音源をいじらなくても柔軟な形にできます。
特にアクティブループって機能がアツくて、指定した位置まで再生すると自動で設定したループをONにしてくれます。
好きなタイミングでループから出るのもできます。
音源を編集しないならこの機能を使わないと音MADDJは難しい気がします。
また、曲を流し始める場所をその場で設定するのもロスだと感じたのでメモリーキューを全トラックに設定しました。
呼び出しボタンを押すだけで事前に指定した開始位置で待機状態になって、あとは再生ボタンを押すだけです。
時間を節約するためにとにかくレコボの機能をフル活用して時間のロスを減らしましょう。そしてループで尺を伸ばしましょう。syncもバンバン使いましょう。
音圧が違い過ぎる→事前にマスタリングする
尺の問題はレコボで何とかできますが、音圧に関しては音源をいじる必要があると思っています。
また、事前に全トラックの音量を合わせておくことでDJ中に音量を合わせる必要が無くなって時短になります。
やることは普通のマスタリングです。
自分は冬のセールでozone 10 advancedを買ったので、楽々でした。
自動でマスタリングしてくれるすごいやつです。
https://www.izotope.jp/jp/products/ozone-10/
持っていない方はアナライザーを見ながらコンプとかリミッター使って音圧をそろえましょう。
マルチバンドコンプで低音をいじるのも良いかもしれないです。
また、音MADはセリフの高音が耳に刺さることが多い気がするので、(特にサ行の音)イコライザーで高音は少し落ち着かせた方がいいと思います。
ボーカル分離できるならディエッサー使っても良いかもしれないです。
映像が付かないと伝わらない→rekordbox videoを使う
前述しましたがレコボは課金することでmp4でDJをすることができます。音量を上げると動画もフェードインするようになっており、かなり直感的です。
VJみたいな派手なエフェクトは別のソフトを挟まないといけないと思いますが、音MADDJで求める最低限の要素の音と映像の同期はこれだけでクリアできます。
要求スペックが少し高いらしく、あまり安いノートPCだと落ちる可能性があるとのことです。
自分は今回のために2017年のmacbook proを中古で購入しました。
途中落ちることもなく動いていたので非常に助かりました。
rekordbox videoの不満点ですが、クロスフェーダーをいじると動画の透明度が変わってしまう仕様があります。
本番で使用していたミキサーのクロスフェーダーが軽めだったため、片方にぶっ飛んで映像が映っていないのに気づかなかったタイミングがありました。
MIDIのマッピングとか弄ればもしかしたら無効にできるかもしれないです。
調べてみてください。
4.終わりに
長々と書きましたが、DJ経験者の方からしたら当たり前の内容になってしまった気がします。
逆に未経験の方からしたら聞いたことない単語が多く感じたかと思いますが、DJをやること自体は想像よりはるかにハードルが低く、機材を買うだけでそのハードルは超えたようなものです。
とりあえずrekordboxをインストールしてみるのもありかと思います。
実際にクラブでDJをするとなるとさらに色々覚えることはありますが、とりあえずニコ生とかdiscordでやってみたり、配信イベントをやってみたりするといいと思います。
いつかnerdtronics以外の音MADDJイベントが開催されて、お客様気分でヘラヘラ遊びに行ける機会があればいいなと思っています。
頑張ってください。待ってます。