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一人リズムセクション、ジョン・ドイル

アイリッシュミュージックにおけるリズムギターといえばジョン・ドイルである。ソーラスが出てきたのはいつだったか、ファーストアルバムが1996年とのこと。初めて聞いた時はあまりの疾走感にときめいたものだったが、その疾走感を支えていたのがジョン・ドイルのギターだった。今まできいてきたギターとは違っていた。そのはげしいリズム、変幻自在のコード使い、ギターでリズムを作りながらグルービーなベースまで担当してしまう。当時6弦にベース弦を張っているらしいとか、6弦だけ別のマイクがついていて別系統のラインから音を出しているらしいとか、どこで聞いたのかわからないが裏情報を聞いてはすげえなあ、と思ったのを覚えている。

あまりいい動画が見つからないが、これなんかが当時僕が感動したギターの演奏に近い。ギターもすごいがシェイマス・イーガンのフルートもすごい。

当時VHSのビデオテープでジョン・ドイルのギターレッスンみたいなのがあって買った覚えがある。DADGADチューニングのコードワークとか、リズムをどうやって作るのか、丁寧に教えてくれている。もっと真剣これで勉強をしていたらよかった、と今更ながらに思う。Youtubeを検索したらなんと出てきた。

この中のJigのリズムのカッティング、ダウン・アップ・ダウン、ダウン・アップ・ダウンの繰り返しがどうしても出来なくて、こりゃ無理だ、と諦めたような記憶がある。

ジョン・ドイルをウィキペディアで調べたら出てこない。イギリスのポストパンクのドラマーと、アイルランドの風刺画家、というは出てくるが、Solasのジョン・ドイルのページが無いのだ。結構有名人だと思うのだが。その他のページを探して調べてみると、Solasのメンバーなのでアメリカ人だと勝手に思っていたが、そうではなく1971年アイルランドのダブリン生まれだそうだ。音楽一家で育ち、16歳でバンド活動を始めその後アメリカに渡ってシェイマス・イーガンと出会いSolasに参加。Solas脱退後はソロ活動のほか、様々な有名ミュージシャンとコラボしている。リズ・キャロルとのコンビが有名だろうか。

そうやってネットを見ていたら、最近のインタビューが載っていて、ギターについて答えている。影響を受けたギタリストとしては特にArty McGlynn とPaul Brady。Steve Cooneyの影響も少し、とのこと。なるほどなあ。

そして使用しているギターについて聞かれ、アメリカのノースダコタのKevin Muidermanというルシアーのものを愛用しているとのこと。また最近イギリスのFYLDEというギターも使っているという。そしてLowdenにも言及していて、90年代に手に入れてずっとお気に入りだそう。上のレッスンビデオでもローデンを持っているが、もう少し後のこちらのレッスン動画でもローデンのD10を使っている。

彼は左利きなので、珍しいレフティのD10だ。もともとローデンはドレッドノートスタイルのギターはあまり作っておらず、ある情報によると200本くらいしか作っていないそうだ。その中の左利き用というのはさらに珍しいだろう。当時は僕もこのDモデルのローデンがどこかにないのだろうか、と探したが見つからなかった。それがなんと現在お店に在庫があるんです。こちらはカッタウェイのついたモデル。大変珍しいのではないかと思いますのでお探しの方は是非今のうちに。

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