音源のこと①

DTMには不可欠の音源について語っていきましょう。

今回も最初に持論を展開しますが、
音源ってそのまま使うことがほぼありません。
これは売る側も、買う側もそうですよね。

販売元が提供しているサンプル音源とかは、
その音源をより良く聴こえるように調整されてます。
当然 私たち作り手側も、作品をつくって公開しようと思ったら、
何かしらの調整を入れた上で発表するのが普通です。
EQ・コンプはもちろん、数多のエフェクターで音作りして
最後はマスタリングで仕上げるわけですからね。

つまり音源とは、加工前提の存在です。こうなってくると
広告を見て「わぁ、これいいな」と思って購入したとしても
その「いいな」と作業中に再会することは少ないといえます。
むしろ「あれ、思ってたのと違う……」となるかもしれない。

要するに、音源は加工後の音を想像して入手するものですね。
よって実のところ、無料音源でも有料音源でも
決定的な差異はなかったりします。
なにせ有料音源を加工していった結果
「あっ! この音あの無料音源に近いじゃん!」となったり
逆に無料音源を加工していった結果
「あっ! この音あの有料音源さながらじゃん!」となったり。
そのようなケースが往々にしてあるからです。

具体的な例を挙げるなら、パンが変な振られ方をしていたり
必要以上に音圧の太いデフォルト設定になっている音源とかは
まずそれらに修正をかけてオケに馴染むようにするといった
ひと手間が発生しますけど、これは有料音源にありがちな現象です。
逆に、サウンドフォントとかで、個人がこだわって作った無料音源の方が
エフェクトかけたときに即戦力になってくれたりすることがあります。
まあどちらも一長一短、結局は活かすも殺すも自分次第です。

ただし、音色の数を揃える意味では無料音源の場合
必要なものをすべて探し出すのにかなり労力がかかりますので
ある程度まとまっているものを有料で買うのはひとつの選択肢です。

ちなみに生音系の楽器を選ぶ際ですが、上記等の理由から
「良い音」である必要はありません。それはあとから作れますので……。
重要なのは演奏方法が多彩か、入力がしやすいか、表情が豊かかの三点。
ここを重視して集めておけば、より良い編曲ができるようになります。

あと生音系を一通り集め終わったあとの話ですが、
それだけで曲を作り続けていると必ずマンネリといいますか
サウンドの雰囲気・世界観の表現に限界を感じる時期が必ずやってきます。
そこまでいった人は、いよいよシンセ音源に手を出すべきでしょう。
如何せん機械的でとっつきにくいですが、細かい調整が利きますし
世界にひとつしかない音色をつくって、楽曲を彩ることができます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?