『けものフレンズ2』のイエイヌはキュルルを故意に誘拐した知能犯である

このように、『けものフレンズ2』の「イエイヌを悪い娘として描写すること自体が無茶苦茶」だと思いこんでいる人達にとって、もっとも不都合なひとつの事実がある。

それは、イエイヌはキュルルを故意に誘拐した知能犯であるということである。

もっと言えば、オオアルマジロ・オオセンザンコウ(以下アルセンコンビ)の誘拐行為を黙認した誘拐犯であり、そのうえ言葉巧みに、サーバルとカラカルからキュルルをひき離した知能犯である、ということである。

なによりもまず、本編のアニメを見ればこのことは容易に理解できる。

冒頭の者は、「イエイヌはただ『人を連れてきて欲しい』と依頼しただけで、道中のPPPへの暴行や力ずくでの誘拐行為はきんたまコンビ(筆者注:おそらくアルセンコンビ)の独断によるもの、イエイヌはそんなことがあったことも知らない」というが、これは明確なウソである。

なにしろ、キュルル本人がイエイヌの目前でアルセンコンビを指さして

「嫌がってるのにこの子達が無理矢理」(『けものフレンズ2』第9話13:59)

と堂々と告発している。しかもそれに対して、イエイヌはその告発に全く無反応である。アルセンコンビを問いただすことすらせず、ましてや罰することもない。

そのうえでイエイヌは、失踪したキュルルを探しに来たカラカルとキュルルの口ゲンカに割って入って、

「その二人(筆者注:アルセンコンビ)に頼んで、キュルルさんをここに来させたのは私なので。でも、あの子も無事におうちに帰ることができました。ここまでキュルルさんを守ってくださって、お二人(筆者注:サーバルとカラカル)には本当に感謝してます。あとは私にお任せください」(同14:42-15:04)

言葉巧みにキュルルをサーバル・カラカルからひき離し、イエイヌの家にひきとめているのである。

これでは、イエイヌは故意にキュルルを誘拐した犯人であるという事実を認めざるを得ない。

たとえその誘拐の実行犯がアルセンコンビだとしても、そもそもアルセンコンビにそのような仕事を依頼したのはイエイヌである。それどころかはっきりと自白すらしている。さらにアルセンコンビの誘拐行為の告発を誘拐被害者本人から名指しで受けても、全く無視した上に、言葉巧みにキュルルの身柄を確保しようとしている。その行為は、まさしく誘拐の事実を知りながら、その行為を謝罪することもなく、むしろたくみな言葉づかいで犯行を完遂しようとする知能犯そのものの行為である。

「イエイヌ」が「悪い娘」であるという正当な理由は、きちんと本編名で描写されているのである。決して「無茶苦茶」なのではない。

冒頭で引用した者のように、イエイヌに対し過剰に同情・擁護する人間(とくにいわゆる「たつき信者」に多い)は、この事実を知らないか、あるいはこの者のように、事実を歪曲して認識している

この「イエイヌはキュルルを故意に誘拐した知能犯である」というのは、『けものフレンズ2』第9話を読解・評価する上で、絶対に抜かしてはいけない事実であり、その後の展開の大前提となる。

逆にいえば、この事実を知らないか、故意に無視することによって、イエイヌに対する同情・擁護の裏返しとして、作品内の登場人物、ひいてはその作品やその制作スタッフ、製作委員会であるKFPを誹謗中傷する者があらわれるのである。

もちろん、作中人物・作品・制作スタッフ・KFPに対する誹謗中傷はどんな展開でも許されない、というのは言うまでもない。

おそらく、そのような誹謗中傷をしている人間は、自己の正義にもとづいて行なっているのだろう。しかしその正義は、上で示したとおり、事実の曲解によるものであり、したがってその正義感も歪曲されたものでしかない。

このような事実の有無は、作品本編のアニメを見れば、ただちに判断できることである。それにもかかわらず、このような根本的な事実を知らない、あるいは歪曲して認識しているのであれば、それはその者の落ち度以外のなにものでもない。

誹謗中傷する者に対しては、そのことをしっかり認識してもらいたいし、また自己の言責についても、しっかり自覚してもらいたいものである。