可愛い新人

「ついにうちにも来ましたね猫型ロボット！」
「ランチの時に活躍してくれるといいねぇ」
　都市部の系列店から少しずつ設置店舗を増やす配膳用ロボットがついにうちにもやってきた。マニュアルはスタッフ一同読み込んだので、後は諸手を挙げて歓迎するだけである。もう清掃などのオープニング準備もばっちりだ。
「お客さんも増えるかもしれませんね」
「その分は猫ちゃんが頑張ってくれるわよぉ」
　店長が設定してるのを眺めながら話しているとすっと店長が立ち上がった。これで動くと思います、と言ってスタッフルームに戻っていく。
「わー本当！」
「耳触ると反応するらしいですよ」
「お耳くすぐったいにゃ〜」
「可愛い！」
「さて、もう朝礼も終わりますよ」
　店長が戻ってきた。何か持っている。ロボットに近付いて貼り付けたそれは。
「研修生……」
「そんなところではないでしょうか」
　わざわざ名札作ったのか。一番可愛いな。