カルディにいのちを買いに行く話
タイトルが不穏な感じで申し訳ない。しかし平仮名のいのちなので安心して欲しい。命ではないのだ。
青地に黄色く「KALDI」と書かれている看板を見た事がある人は多いだろう。ネット記事でもカルディと業務スーパーは鉄板な筈だ。お洒落で美味しい調味料や可愛いお菓子をたくさん売っているお店である。私はヌテラのヘーゼルナッツチョコスプレッドが好きでちょくちょく買っていたが、それ以外のものにはあまり興味がなかった。それが覆されたのが店頭のいのちを見た時だったのである。
散々言っているいのちというのは青森県は弘前市に本社を置く製菓メーカーであるラグノオのラインナップの一つである。カスタードケーキで、中にフルーツのペーストが入っている事が多いが抹茶もチョコレートもさくらもさつまいももある。生地にもふんわりとそのフルーツの味がついているのでしっかりとフルーツを感じる事が出来る。
私がいのちの存在を知ったのは以前勤めていた職場で「青森に行ったからお土産をあげる」と同僚に差し出された事がきっかけだった。母方の実家が青森なので年に一度は必ず帰っていたにも関わらず、ラグノオのお菓子が好きでパティシエのりんごスティックがあれば必ず買っていたにも関わらずいのちの事を知らなかったのだ。
帰って食べた。凄く美味しかった。流石ラグノオさんの仕事に間違いはない、けれど関東では食べられないのだろうなまた青森に帰ったら探さなきゃ……と思っていた。しかし。
KALDIで!いのちが!買えるのである!
どの店舗でも置いている訳ではないし一定の量を仕入れた後追加で同じフレーバーを入れる事はないようなので一期一会感が半端ないのだがとにかくカルディではいのちが買える。店頭かレジの横のお菓子の棚に置いてある。ない時もあるからそういう時は涙を飲んで欲しい。因みにカルディでずっと売っているポロショコラもラグノオのお菓子なのでよかったら気にして欲しい。私はラグノオの回し者ではないがラグノオ信者なので積極的に宣伝していく。
私はこの発見をした後嬉しさの余り職場に戻り「カルディにいのち売ってるよ買いな!」と宣伝したのだが同僚達が全員「何を言ってるんだこいつは」という顔をした。その後唯一岩手県に住んでいた事のある同僚がわかってくれて私がヤバイ幻覚に囚われている訳ではない事が証明されたがその後もいのち美味しいよねという話をしていると同僚にぎょっとされたし食べられない抹茶のいのちを買うべきか悩んでいたら「宗教の話してる?」と言われるし名前のせいでだいぶやり取りが面白い。
これはいのちを扱っているカルディでもある事で、おじいちゃんが店員さんに「マンゴーのいのちを探している」と相談していてこっそり「おじいちゃんがいのちを探している……」と思ってしまったし店頭の樽に置いてあるいのちを買おうとして数を確認していたら通りかかった店員さんが「あーそのいのちはそこにあるだけなんですよー」と限りあるいのちの話をしていたし珍しく二種類とか買えるといのちが豊作で言語野がバグってしまう。
なんでこんな名前なのかと調べてみたら、当時の大河ドラマが津軽の女性医師の一代記で、タイトルが「いのち」だったからだそうだ。お菓子にも歴史があるものである。
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