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Amapiano制作に必要なプラグイン、ソフト、サンプルパック、参考動画まとめ

はじめに

南アフリカで大流行しているアマピアノに必要なものをまとめました。そこまで高価だったり用意するのが難しいものはなく揃えようと思えば揃うと思います。制作の参考にしていただければ幸いです。

DDX10(Winのみ)

アマピアノで最も分かりやすい特徴であるリリースが短いベースサウンド、ログドラムを鳴らすのに使います。
これはWin専用のフリーソフトでLog Drumという名前のプリセットが入っていてMacの方は次に出てくるFL Studioに入っているFruity DX10などを使用してください。

大体設定はこんな感じです。デフォルトだとリリースが若干長いので短くするとそれっぽくなります。それ以外だとCOARSEとINTIALとその横のDEACYとSUSTAINを好みや曲に合わせて設定してください。

スクリーンショット (3)

あとはこれの下にサブベースを履かせてやったりお好みで適度に歪ませてやりましょう。
16分で連打したりスネアと合わせて打つと「あの音」が鳴ります。

FL STUDIO

南アフリカのトラックメイカーの99%が使ってるDAWです。
制作動画を見ると分かるのですが、ここにデフォルトで入ってるシンセやサンプル音源を本当によく使います。他にDAW入れてるから必要ないと思うかもしれませんがまずはデモを試してみて欲しいです。
(2023年追記:なんとSound Recording Magazine誌にてFL Studioを使ったAmapianoの作り方に関する短期連載をさせて頂きました。良かったらこちらの記事も読んでみてください)

Purity

上二つは無料で使用できましたがこれは有料です。けど必須ですねこれは。ちょっと代わりがあまりないので、少し制作してみて本腰いれて作ってみたいなと思ったら導入してください。ある程度アマピアノを掘ってる人からすると「あっ!聞き覚えのあるサウンドだ!」となると思います。

このTremolo Signalというプリセットが非常に重要で高音部のトレモロがかったドローンを鳴らすのに使います。それ以外にもフルートの音など2020年ごろのアマピアノに多用されていたあの絶妙な音色が入っています。

スクリーンショット (5)

この動画の最初から鳴ってるホロロロ…と鳴ってるシンセですね。この音が非常に重要です。聴いたことあるなという人は日常的にアマピアノを聴いている人だと思います。
MFR Soulsのような物凄く売れているプロデューサーですら未だに使う音で多分アマピアノのプロデューサーは全員持ってると推測しています。知る限りではセールもあまりしてないので必要だと思ったら即買いましょう。49.99$以上の価値があります。

Xpand!2

有料かつ必須ではないです。ただよく制作動画に出てくるのでセールなどしていたら買っても良いと思います。

これ以外だとNexusを使う人を結構見かけます。
ただ値段もそれなりなので自分は使っておらず大体Serumなどで近しい音源を探して使っています。

サンプルパック

「Amapiano Samplepack」などで検索すると無数に出てきますがさっき決定版のようなサンプルパックを見つけたのでもうこれあれば良いんじゃないかな…と思います。動画の説明欄にあるリンクでダウンロードできます。
FL StudioのLog Drumのプリセットも多数入っていて至れり尽くせりのパックです。

先日もTwitterに書きましたがアマピアノは何故か同じフィルインと声ネタを使い回す謎の慣例があり、有名なネタはここに入っています。
とりあえず落としてみてDrum Fillsフォルダ内のDrum FIll(10)やVOXフォルダ内のYebooとWashaを聴いてみてください。聴いたことあるなという人は日常的にアマピアノを聴いている人だと思います(二回目)。
聴いたことない人はとりあえずベタどころで良いので30曲程度Amapianoで検索して聴いてみてください。

また、制作動画によく出てくるJ.E. Sample packというアマピアノで鉄板のシリーズがあるのですがこれがちょくちょく消えたり新しいバージョンが出てくるので見かけたら落としてみても良いと思います。
Sendspaceなどで配布されていてポップアップが非常にうっとおしいのでダウンロードした後は履歴を消した方がいいです。

あとシェイカーのループは一番最初の動画にも入ってますがある程度持っていた方が良いです。二つぐらい重ねて使うことも多いので。
Spliceなどで集めても良いのですが思ったよりないので頑張って集めてください。
自分は大昔にフリーで落としたループ素材を使ってるのでどこで落とせるのか分からなくて紹介出来ないのがかなり心苦しい…


参考動画

「Amapiano FL Studio」などでYoutubeで検索すると無限に出てきます。これに好きなトラックメイカーの名前など足してお好みの動画を探しましょう。EPを作るまでにあまりに多くの動画を見すぎて絞り切れないのですがいくつか貼っておきます。

ついでにAmapiano三人の王の内の一人、Vigro Deep本人の制作風景も貼っておきます。リズムセンスが桁違いで全く参考になりませんね。あなたが今から作ろうとしているものはこういう異次元のセンスの持ち主が作ったものであるということを肝に銘じておいてください。


最後に

アドバイスというほど大層な話でもないですが制作にあたって注意したいのが、人によってどこにアマピアノの要素を見出すかは意外とばらけていて、寄せようと思わないと全く違う音楽になりがちです。
なので少なくとも30曲程度は聴いて最低一本は制作動画を見て作った方がいいかなと思います。

アマピアノのベタな特徴をいくつか箇条書きしておくと
・キックが小さくシェイカーの音がかなり大きい
・ベースにログドラムと呼ばれる音色が使われる
・BPM113前後
・チープな管楽器などの裏打ちが入る
などがありますがこれらを全部満たしたらそれっぽく聴こえる…と見せかけてそうでもないのが難しいところです(2023年追記:2020年ごろのアマピアノはこのような特徴がありましたが現在だとさらに進化していて必ずしも当てはまるとは限らないです)。
アマピアノっぽさって結構言語化しづらいニュアンスがあって自分の場合はどれだけ似せようと思っても本国のものと少し違うものが出来てしまい、それが面白くもあるのですが難しいな~と未だに思います。

ただ制作は全然可能ですし研究すればするだけ発見があるのでぜひ挑戦してみてほしいです。
どういう発想でこんなリズムになるのか分からなくて驚くと思いますし自分はそれが楽しくてやってる節があります。

あと上記で紹介したプラグインはあくまでも動画で良く出てくるものであって売れているリッチなプロデューサーは多分それ以外のものも使っているのではと推測していて、自分の場合はKontaktやOmnisphereあとはAbleton付属のシンセなど比較的ベタなものも使いました。お手持ちのプラグインを必要に合わせて組み合わせて使いましょう。

長くなりましたがこれを読んで作る方が増えてくれると嬉しいです。

最後までお付き合いいただきありがとうございました!

おまけ

この記事にたどり着く人は大体自分のことを知っている人だろうと思っていたのですが、想定していたより色々な方々に読まれているようなので2020年12月に出した自分のAmapianoのEPのリンクと最近の活動のまとめ、それと日本のアマピアノフリークたちと選出した2020年ベストを貼っておきます。
良かったらチェックしてみてください。


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