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社内コミュニケーションツールとしてビジネスチャットが電子メールよりも効率的だと考えられる4つの理由

拡大するビジネスチャット市場

株式会社ITRの発表によるとビジネスチャット市場は、2024年度には、2019年度の3倍の市場規模に成長するとしています。今後、ますますリモートワークが一般化する環境において、手軽に利用できるビジネスチャットは、電子メールに変わるテキスト型コミュニケーションの手段として、より利用シーンが広がっていくと考えられます。しかしながら、なぜ、電子メールというテキスト型コミュニケーション手段が広く普及しているにも関わらず、ビジネスチャットを利用する人が増えてきているのでしょうか?良く言われる違いの一つとして、ビジネスチャットの方が電子メールに比べて業務効率的が良いということがあります。そこで、社内コミュニケーションツールとして、ビジネスチャットが電子メールよりも効率的だと言われる理由について考えてみたいと思います。

理由1. スパムや広告が流れない

電子メールが広く普及し、また、長い間、必要不可欠な通信手段となっている一つの理由として、オープンなプロトコルであることが言えます。つまり、インターネット上に電子メールを送受信するプロトコルでやりとりができるメールサーバーさえあれば、世界中のどんなメールアドレスに対して情報のやり取りができます。また、このプロトコルは、どこか特定の企業が特許を有している訳ではないため、誰でも無償でメールサーバーを構築し、通信を開始することができます。こんな単純明快な通信方法だからこそ、広く普及することができたと考えられます。

しかしながら、原則的に誰にでも送れる通信方法であるため、ここ最近は、スパムメールが大量に受信されてしまうという問題に悩まされるようになっています。スパムメールでなくとも、大量の広告メールが毎日届くということは日常茶飯事です。オープンであるが故に、必要なメールを探すことに多くの時間が取られてしまいがちです。

これに比べ、ビジネスチャットは、クローズドなコミュニケーションツールですので、登録されているメンバー同士でしか基本的にメッセージのやりとりはできません。誰にでも手軽にメッセージを送れないという問題はありますが、社内利用に特化したコミュニケーションツールだと考えると、スパムも広告も流れませんので、不要なメッセージを排除するという手間が省けます。

理由2. 手紙ではなく会話の代替

電子メールは、どちらかというと手紙を電子に置き替えたという発想に近く、そのため、郵便で送る際の送付状のように、件名をつけたりする仕組みとなっています。逆に、チャットは、会話をテキストベースにて行えるようにしたという発想に近いため、短い内容を複数回やり取りをするということが想定されています。そのため、ビジネスチャットの場合、特別件名を設定する必要がなく、また、手紙や電子メールのように前文や末文も不要です。このため、議論すべき内容のみがやり取りされ、それ以外の形式的な部分は排除されるため、効率的なやりとりができるようになります。電子メールにある署名も、やりとりされている内容について電話等直接口頭による会話をしたい場合に、すぐに電話番号がわかるようにという配慮からつけられるようになっていますが、ビジネスチャットの場合、通話機能が通常サービスに含まれているため、署名するまでもなく、必要があれば、すぐに口頭での連絡もできるようになっています。

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理由3. 添付ファイルが分散しない

現在、こういったテキスト型コミュニケーションを行う一つの目的として、ファイルを共有するというものがあります。しかしながら、電子メールの大きな欠点として、大きなサイズの添付ファイルを受信できないという問題があります。よって、共有したいファイルのファイルサイズによっては、電子メールでは共有できず、別の方法で共有しなければいけないというケースが発生します。このため、共有されたファイルが一箇所にまとまらないという問題が発生します。

ビジネスチャットの場合、全体としてアップロードできる容量の制限はありますが、電子メールに比べるとより大きなファイルを添付することができます。よって、添付ファイルを添付する際に、ファイルサイズを気にする必要はなく、また、送信容量制限のためにファイルが一箇所にまとまらず、分散してしまうこともありません。

理由4. 人的ミスによる外部への情報漏洩の心配が不要

電子メールの利用における大きなリスクとして、人的ミスによる、社内機密情報の外部への誤送信というものがあります。しかし、ビジネスチャットの場合、基本的にはメンバー以外の外部へは送れませんので、いちいち、このメッセージが外部に流れてしまわないか確認する必要がありません。

この場合、電子メール経由で受信されるお問合せ等のメールを議論したい場合、いちいち転送しなくてはいけないのかという問題も考えられますが、最近のビジネスチャットの場合、ある特定のメールアドレスにメールを転送することで、自動的に受信したメールをビジネスチャットに投稿してくれる機能もあります。よって、受信した内容にて議論が必要な場合は、ビジネスチャットにて議論を実施し、返信が必要な場合は、改めて、メールにて返信するという使い方ができます。

電子メールを利用する限り、人的ミスは起こり得るため、電子メールシステム上での誤送信対策も重要ではありますが、ビジネスチャットを併用し、社内コミュニケーションにおける電子メールの利用を低減することで、電子メールの利用回数を減らし、人的ミスの発生リスクを減らすことができます。

より充実したコミュニケーションのために

ビジネスチャットのように、無駄が省かれた効率的なコミュニケーションは、コミュニケーションの内容にフォーカスされているため、自然とより密なコミュニケーションへと誘導します。これにより、ビジネスを行うためには欠かせないコミュニケーションの生産性を向上させることができる考えられます。コミュニケーションとは、情報のやり取りを行うことでありますが、そのやり取りの方法の質を考えることで、より生産性の高い組織を創ることにもつながっていくと考えます。

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