樋口年表編纂者が語る「2018年樋口楓11大ニュース」

 皆さん、こんばんは。樋口楓さんのファンをやっているジョン・オービンです。普段は樋口楓さんの活動などをまとめる樋口楓年表なるものを作っております。

 この記事は、2018年のまとめ記事的なものです。お察しの通り、10個にまとめようとして無理だったために11個になっています。さらにいえば、ニュースでもありません。そんな記事でもよければ、お付き合いください。

1.樋口楓デビュー
2.ニコニコ超会議出演
3.一期生コラボ「Mr.Music」発表 
4.12000を超えるファンアート
5.130回を超えるコラボ
6.月ノ美兎の夏休み
7.よみうりランドにじさんじDay
8.3D化~新プラットフォームへ進出
9.新衣装6種公開
10.マビノギ公式配信
11.1st LIVE KANA-DERO決定 現地チケット完売

1.樋口楓デビュー

 もう遠い過去のように思われますが、1年という区切りで見ると、デビューと現在は同じ区分に分類されます。「そうはいっても今年の2月と12月を同じものとして扱うのは無理があるのでは?」という違和感があれば、それは激動の2018年を彼女たちとともに歩んできた証拠です。

 生配信中心・2Dモデル・雑談メイン・一般からの公募という形式は、今でこそVtuber界隈でもスタンダードなものですが、これらは全てにじさんじがバズったことにより生み出された潮流です。つまり、ほとんどが手探りの状態からのスタートでした。
 ほとんど0からの状態でしたので、樋口楓さん本人も当初の見込みでは「チャンネル登録者数1000人いくかどうかわからない気持ちで、にじさんじ始めた」と語っています(3/20配信)。それが今となっては15万人を超える登録者数を抱え、Zepp大阪ベイサイドを埋めるほどのファンを集めることになるとは、当初は誰も予想しなかったでしょう。

2.ニコニコ超会議出演

 出演したJK組の三人もたびたび印象深いと語る2018年前半の大きなイベントニコニコ超会議の超バーチャルYouTu"BAR"です。にじさんじとしても初のリアルイベント参加でした。

 私が楓さんにのめり込み始めたのもこの配信を見たのがきっかけでした。台本もなく、知り合いでもない、本当に初対面のファンに対して、完璧に「おしゃべり」していく楓さんの姿に「かっこいい」と感動した思い出があります。
 このイベントの成功が、のちの町会議にもつながりました。

3.一期生コラボ「Mr.Music」発表 

 一期生全員による歌ってみた企画ですが、こちらは動画として完成するまでの過程も重要なので、まずは時系列を紹介したいと思います。

・2月後半
 楓と美兎で1期生全員でのコラボを企画する。相談した結果、人狼と歌ってみたをすることになり、Mr.Musicを歌うことに決定。楓が人狼、美兎がMr.Musicを担当した。
・3/15
 Mr.Music音源提出締切日だが、音源集まらず。
・3月下旬ごろ
 楓が美兎との通話で音源が集まっていないことを知る。人気が出始め多忙になっていた美兎に代わって、楓が音源を集めることに。
・4/1
 CFでMixソフトを購入。この時点では楓がMixをするつもりだった。
・4/20
 ミディとのMix講座コラボ。Mixの勉強をする。
・5/12
 一期生によるにじさん人狼。本来は同時にMr.Music公開予定だった。
・5月上旬
 音源が出揃う。Mixはにじさんじの音響担当に依頼。しかし、提出後に足りてないパートがあり再度集めることに。
・7/5
 Mr.Music公開。

 Mr.Musicとにじさん人狼は、一期生のつながりの強さを表す出来事だったのですが、この一期生コラボが楓さんの尽力によるところが大きかったことがわかるかと思います。
 元々、にじさんじはグループではなく、あくまで「個人勢の集まり」でした。それがVtuber界でも指折りの箱推しユニットとして捉えられるようになるまでまとまりを持つようになったのは、積極的にコラボを行っていた楓さんの働きによるものが大きかったと言えるでしょう。

 Mr.Musicについてもう一つ。このMr.Musicに楓さんが込めた想いについて。

「人狼は配信で終わっちゃうから、ずっと残るものがしたい。で、歌とか?ってなって、美兎ちゃんが8人で歌える曲かー、うーん、ってなって、その何曲か探してくれたんだけど、その中でしっくり来たのがMr.Musicで」
「いや本当に。美兎ちゃんありがとうって感じでね。ほんと美兎ちゃんのおかげで一生残る宝物が出来たよ」
   ――7/2配信 お雑談をいたします!3より

 音楽=ずっと残るもの、というのは、3歳から音楽を習い老人になっても音楽を続けたい語っていた楓さんならではの考えでしょう。

 また一期生のMr.Musicは、間奏部分に全員による雑談パートがあります。これは楓さんが「にじさんじらしいこと」として企画した部分です。8人全員がたわいもない話を一斉に喋る、わちゃわちゃした感じは、まさしく私たちが普段見ているにじさんじそのものです。
 雑談と言うのは、時が経てば、どうしても記憶が薄れていくものです(私の作成している年表はそれを補うためのもの)。楓さんは、それを音楽の中に封じ込めました。

 Vtuberブームが始まったばかりで、いつ終わりが来るかもわからない活動の中で、一期生の出会いを、「にじさんじらしさ」を形として永遠に残したい、という想いがこのMr.Musicには込められています。


4.12000を超えるファンアート

 はい。もはやニュースではなくまとめ的な見出しになりましたが、このまま進めます。

 バーチャルYoutuberのイラストを人力で収集している蒼天画廊さんによれば、12/30 午前0時現在で12618のイラストがTwitter上にアップロードされています。これは電脳少女シロさん、月ノ美兎さんに次ぎ、Vtuberの中で3位です。

 最近は忙しいためか不定期になりましたが、初期は専用タグ付きのファンアート巡回を毎日のように行っていました。巡回では、ほとんどのファンアートにいいねを付ける、iPhoneに全部保存する(本人が配信で語っていた)、初期には一部にコメント付きでリツイートするといったことも行っていました。

 定期配信であったお絵かきの森配信(現在は不定期化)では、第3回以降ファンアート巡回を行っています。生放送で、直に声と表情付きでファンアートの感想が聞ける、喜んでいる様子が見られる、というのは当時としては新鮮だったのではないかと思われます。

 初期のお絵かきの森では高い声をあげて喜んでいる様子が見られます。よければ見てみてください。

 こういった「ファンとの距離が近い」と言ったことに加えて、楓さんには創作をしたいと思わせる不思議な魅力があるように感じます。ファンアートに限らず、イメージソングやSSなど多くの創作が熱心に行われています。

5.130回を超えるコラボ

 樋口楓といえばコラボ。活動初期から積極的なコラボを行い、現在までに130回を超えるコラボ(企業案件やにじくじなどの番組も含む)を行っています。はい、数えました。

 コラボが多い理由は、楓さん曰くも単独配信よりもコラボ配信の方が気が楽だから、だそうです。このコラボの多さがにじさんじ一期生のグループ感の強さを作り出しました。
 またオフラインコラボがまだ珍しい時代(といっても7ヵ月ぐらい前)から、積極的にオフラインコラボを行っており、8月以降はオフラインコラボの方が多くなっています。4/27の静凛さんとのコラボから始まり、6/17の寝落ち耐久配信などで、オフラインコラボの強さをVtuber界に知らしめたのも楓さんの成果と言えるでしょう。(下記ツイートは10/24にオフラインとオンラインコラボの回数をまとめたもの)

 コラボの中から生まれたかえみと、でろもい、かえる、JK組といったコンビやグループは、それぞれに違った楽しさを持つ一種のシリーズとして視聴者に受け入れられました。

6.月ノ美兎の夏休み

 ※お詫び
 本項目についてまとめようとしましたが、何か書こうとするたびに動悸と息切れが激しくなり、2018年内にはまとめきれそうにないので、スキップさせていただきます。
 内容の振り返り用にインデックスを置いておきます。

 あとRebeccaさんによる振り返り動画もおすすめです。(丸投げ)

7.よみうりランドにじさんじDay

 遊園地とのコラボというVtuber界でも初のリアルイベント。3Dモデルの初登場もここでした。

 9/17のオープニングイベントでは電脳少女シロさんやミライアカリさんといた面々とも初共演しました。
 9/24のにじさんじDayでは1000人定員のイベントが1部、2部ともに完売し、にじさんじファンの持つ熱量の大きさが明らかになりました。
 大きなリアルイベントではありましたが、楓、美兎、凛、える(と天の声・刀也)という、いつものメンバーがいつものようにはしゃいでいる様子を見て、こんな大きな舞台でもこれまでの活動と地続きなのだな、と思った記憶があります。

8.3D化~新プラットフォームへ進出 

 3D化後、Abema、REALTY、clusterなどのプラットフォームに進出し、活動の幅を拡げました。
 特にREALITYではフルトラッキング3Dで、踊ったり物を蹴ったりする楓さんが見られました。楓さんはデビュー当初から3Dになって足や手を動かしたいと言ってたので、その夢が叶った形になります。

 にじさんじ内部で3D化の話題が出たのは5月の10万人到達時点だったそうです。しかし、3D化の発表は8月の終わりごろ、お披露目は9月と、結構な時間が経っています。これはいちからは元々2Dアプリ「にじさんじ」を開発、売るための会社として発足していたためです。今でいうREALITY Avatarの2D版と配信プラットフォームでの収益化を目指した会社でしたので、そもそも会社設立当初は3Dモデルの技術者もいませんでしたし、所属するバーチャルライバーの3D化もデビュー前には考えていなかったはずです。
 それでも、外注に頼らず自社で3Dモデル技術者を雇って、バーチャルライバーの3D化を行うようにしたのは、にじさんじメンバーの3Dがにじさんじのまま、活動の幅を広げていけるようにするための決断だったと思います。
 その大きな決断をさせたのは、月ノ美兎さんをはじめとしたバーチャルライバーたちの努力と活躍によるところが大きかったかと思います。

9.新衣装6種公開

 デビュー当初の冬制服に加えて、私服、夏制服、ハロウィン、秋服、冬服、クリスマスが2018年にお披露目されました。

 楓さんはデビュー当初から好きなファッションブランドをTwitterでフォローする、私服について語るなど、ファッションへの関心が高いことをアピールしていました。
 新衣装公開後には、衣装を選んだ理由などを話すのですが、特に「自身が指定したこと」と「ねづみどし先生に任せたこと」を分けて話すことが多いように感じます。これは衣装の細かい部分まで自身の自己表現の一種として捉えていることと、楓さんが「ママ自体がおしゃれ」というねづみどし先生に対する尊敬から来ることだと思われます。

 服飾関連の専門学校に通っているという轟京子さんとコラボしたい、ファンのファッションチェックをしたいといった企画も話していたので、今後は配信の企画でもファッションへのこだわりが見られるかもしれません。

10.マビノギ公式配信

 楓さん本人が何度も語っていますが、楓さんがバーチャルライバーを始めたきっかけはマビノギを広めることでした。マビノギ歴は9年。小学生の時に、近所のゲームが好きなお兄ちゃんお姉ちゃんに教えてもらってマビノギをはじめ、その後何度か引退と復帰を繰り返しながらも、現在に至るまでプレイしています。
 プレイ歴が長いだけあって、配信に参加したマビノギプレイヤーからはプレイがうまいとの評価も聞こえました。配信をしながら、喋りながら、さらにはコメントも拾いながらプレイが出来るマルチタスクのスキルは、マビノギで培われたものかもしれません。

 本人としては「マビノギしか語ることがないくらい好き」と言うほどのマビノギファンなのですが、どうしても古いゲームなので、かなり早い段階(3/7配信)で「マビノギを広めたかったけど、需要がなかった」と語っていました。4/1での配信でマビノギをプレイ後は、ぱったりとプレイしなくなりました。
 しかし、夢をあきらめたわけではなく、8/31の配信では「マビノギを広めたいという気持ちは変わっていない」と語っていました。
 その想いは、11/29、ネクソン公式からアカウントをもらっての公式マビノギ配信に繋がっていきました。

11.1st LIVE KANA-DERO決定 現地チケット完売

 楓さんがYoutubeに初めて投稿した自己紹介動画では、個人的な将来の夢として「ライブに出て歌ったり踊ったりしたい」ということが語られています。

 当時は遠い将来の夢だったはずなのですが、その7ヵ月後の8月頃にはライブの計画が始動。8/17の「月ノ美兎の夏休み」では、観客に歌ってほしい曲を質問したり、9月にはライブ用の新曲の収録も行っています。

 初ライブにして2000人を超えるキャパシティを持つZepp大阪ベイサイドを会場を選んだことに驚いた人も多かったかと思われますが、楓さん自身も会場が決まってから「お母さんと妹と弟の友達の三人しかライブ会場に来てくれない夢を2日に1回ぐらい見てた」と語るぐらいのプレッシャーだったようです。ただ、実際にチケットが発売されると、ネットでの有料配信があるにもかかわらず、現地チケットは完売しました。Vtuber業界でも、これほどの熱量を持ったファン層を持った人は少ないのではないでしょうか。

 ライブに実現への道のりで、一番大きかったのは楓さん自身が初期から「ライブをやりたい」と言っていたことですが、もう一つ大きな要素として「ファンメイドのイメージソング」について、ここで語っておきたいと思います。

 楓さんは、いわゆる「歌枠」をするタイプではなく、普段の配信ではほとんど歌わないVtuberでした。初期の「歌ってみた」は、Twitter上にあげた「空色デイズ」と自作の「もいもい絵描き歌」ぐらい。

 では、どこで歌声を聞いていたかというと、ファンメイドのイメージソングです。3/21と3/22に「Harmony!!」「Maple」「放課後Melty」という三つのイメージソングがニコニコ動画に投稿されました。このイメージソングに対する「お礼」のような形で、楓さんがこれらを歌ったものがYoutubeにアップされました。
 楓さん自身はカラオケにもほとんど行くことがないタイプであり、自身ではあまり歌が得意ではない(音楽に対して厳しいゆえの評価だと思いますが)と思っていたようです。しかし、イメージソングを歌う中で幅広い表現を持つ歌声が評価され、歌うま系Vtuberとして認知されるようになっていきました。
 またライブでは「MapleDancer」を作曲者であるかずぺそさん作曲による新曲、さらに自身がお気に入りの曲として語っている「奏でろ音楽!!」も歌われることになっており、ファンメイドのイメージソングがなければ、ライブの実現はなかったと言っても過言ではないでしょう。

 ちなみに、イメージソングは40曲以上、作曲者は15人以上いるらしいのですが、数えていないので詳しい数は把握できていません。ファンアートの部分でも書きましたが、楓さんには人を創作へと駆り立てる不思議な魅力があるようで、現在でもイメージソングは増え続けております。

そして2019年へ

 2018年は年としては区切りですが、バーチャルライバーとしての活動は切れ目なく続いています。というか、これを書いている数時間後にはcount0があり、休む暇がありません。
 ちなみに、この上記で紹介された自己紹介動画では、もう一つの夢として「アニメに出る」ということが語られています。BGMを消してるので、演出的にはギャグの一種として言ったのだと思われますが、2019/1/9からスタートする「バーチャルさんがみている」に出演が決定していますので、これも叶った夢の一つです。

 2018年に数々の夢をかなえた楓さんの来年の目標は「今年は生きる希望をみんなにもらったから、来年はみんなが生きててよかったと思えるぐらい、みんなに貢献する」だそうです。

 もう十分なくらい生きる希望をもらっているので、これ以上もらうと死んでしまうのではないかという気がするのですが……来年も楽しみにしておきましょう。

 では、2019年も良い年になるという確信を抱いて、本記事を終わらせていただきたいと思います。皆さん、よいお年を。

 

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