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源氏物語の歴史をたどる/旅するコーチ

高校生を対象としたチームビルディング研修で、京都府宇治市をよく訪れています。宇治といったらお茶が有名です。そして今、大河ドラマで「光る君へ」が放映されていることもあり、宇治の町は活気づいています。元々宇治は源氏物語の最後の十帖(宇治十帖)で物語の舞台となっており、源氏物語と縁が深い土地です。「源氏物語ミュージアム」もいつも気になっていましたが、仕事を終えると立ち寄る時間の余裕がなく残念に思っていました。

そんな中、たまたま早く仕事が終わる日があり、これぞチャンス!とばかりに「光る君へ 宇治 大河ドラマ展~都のたつみ 道長が築いたまち~」に行ってきました。もうこのサブタイトルの「都のたつみ」を見ただけで、あぁぁぁぁ~と古に思いを馳せてしまい、なかなか怪しい人になってしまっている自覚はあります。

こんな怪しい人に付き合ってくれるのは、やはり同じような感性をお持ちの方(なんて失礼な!)ということで、宇治在住の友人に声をかけたところ、二つ返事で話がまとまりました。連絡したのは彼女が遠征中。「とりあえずOK!詳細は帰ってから」と、前日にちゃちゃっと打ち合わせして会えるこのテンポ感がたまらない。

こちらはJR宇治駅前のポスト。旅先での珍しいポストシリーズに入れておきます。

駅で合流したら、まずは腹ごしらえ。新茶の香りが漂う駅前商店街をうろうろしながら、茶そばにしようか抹茶系のデザートにしようか嬉しい迷い。

行列ができていましたが、ランチは友人もお気に入りであるという中村藤吉本店に決めました。杉玉ならぬ茶玉。杉玉は新酒ができたお知らせですが、茶玉は新茶ができたお知らせのようです。この時期だけの風物詩に出会えてラッキーでした。

古民家を改装したお店は、中庭に立派な黒松もあり、待ち時間もゆったりと過ごせました。久しぶりの再会におしゃべりをしていると30分ほどの待ち時間もあっという間に過ぎていきました。

席についたら出してくださるお茶も新茶。ポットも一緒に出してくださるので、しっかり三煎、味合わせていただきました。

迷いに迷って決めたメニューがこちら。季節限定のメニューだそうで食べ終わってお店を出たときには売り切れとなっていました。

さて、お腹が満たされたところで本日の目的である「光る君へ 宇治 大河ドラマ展~都のたつみ 道長が築いたまち~」へ向かいます。

その前に大事な前提のお話をひとつ。
実は、私、このドラマを1回も視聴したことがありません。そもそもあまりテレビ自体を観る機会が少ないのですが、今回の題材は戦国時代が取り上げられることの多い大河ドラマの中で、珍しく平安時代が舞台だということと、紫式部と藤原道長のお話ですと?!と大注目していたのであります。とはいっても、やはり視聴する時間はとれないままで、公式HPや放映日前後にアップされている記事をひたすら読み漁っている状態です。まぁ歴史ドラマですので、あらすじというか大まかな流れは知らずもがな。


ドラマ館のスタッフの方は、年配の男性が複数おられたのですが、どなたも丁寧に案内してくださり、真摯に仕事に取り組んでおられる姿がとても感じがよかったです。

展示室の入り口には、宇治と言えばの百人一首「わが庵じ(いほ)は 都のたつみ しかぞすむ 世をうぢ山と 人はいふなり」の句が。これだけでテンションがあがる。

入ってすぐのところには、人物相関図の展示。いつもは大河ドラマをみていない友人の息子ちゃんも地元・宇治が舞台とあって、このドラマは観ているそうですが、相関図を見て「え?この人とこの人が結婚するの?ネタバレやん!」と言っていたという話を聞いて、「歴史上の人物だからみんなネタバレしているけどね」と友人と笑いあいました。

大河ドラマといったらお衣装も必見。ああ美しや道長の束帯。それに比べてまひろの衣装の薄っぺらくて安っぽいこと。間近でみると明らかに二人の身分の差を感じずにはいられませんでした。

「十二単を体験しよう」というコーナーでは、どんなふうに体験できるのかと期待していたら、なんと顔出しパネル!それはないでしょう・・・。十二単の実際の重さを体験できるとあったのですが、着物にそれ相応の重りをつけているだけ。その着物を羽織ることもできなかったので、このコーナーだけは残念でした。

平安時代の香りを体験するコーナーでは、焚いていたお香の香りが素晴らしく、何度も深く吸い込んで堪能してしまいました。

好きなものを目一杯味わい、楽しむことができて、心が潤うのを感じます。

ドラマ館を出た後は、宇治の町をぶらり。宇治川沿いに紫式部の像がありました。源氏物語千年紀の時には、当時5歳だった娘と一緒に石山寺に詣でたことも良き思い出です。

そして、やっぱり宇治といえばこれを食べなきゃ!と抹茶ソフトクリーム。抹茶味のソフトクリームの上に、抹茶を振りかけてくれているので存分に抹茶を味わえました。


宇治市と京都アニメーションが連携したイラストがあちらこちらに飾られていました。現代と平安の時代が絶妙に交錯するさまが、実際の宇治のまちに重なり引き込まれる世界観でした。

今回は、残念ながら「源氏物語ミュージアム」には足を運べなかったので、ぜひまたの機会に訪れてみたいと思います。

宇治在住の友人が案内してくれたことにより、細部にわたり宇治を知ることができ、忘れられない貴重な小旅行となりました。

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