岐路にたつオーストラリアの年金制度問題
オーストラリアの年金が岐路にたっている。オーストラリアは世界的にも優良な年金制度をもつ国としてしられてきた。オーストラリアの年金制度は「MELBOURNE MERCER GLOBAL PENSIONINDEX」によると世界3位だ。しかしそれが今岐路にたっている。
source : MMGPI(2019)
オーストラリアのA$2.8兆の年金業界は、その歴史上最大の課題に直面している。オーストラリアにはPension(ペンション)、Superannuationという2つの年金があり、Pensionは日本の国民年金のようなもので、Superannuationは、確定した掛金を個人別に積立・運用する確定拠出型年金のようなものだ。
保守党は現在この雇用者年金保険料の法制化された引き上げ(現在の9.5%から2021年には10%、2025年には12%へ)をやめにする可能性があることをなんども示唆している。これは賃金の伸びを鈍らせ、苦戦している企業に圧力をかけ、経済を減退させることへの懸念が原因だ。
年金基金、労働党、労働組合など、この年金制度の支持者たちは、この動きは、環境、社会、ガバナンスの問題を提唱する組合連動型の産業年金基金の力を削ぐことを目的とした、与党自由党の新自由主義的な狂信者たちによるイデオロギー的な戦いの一環であると主張している。
この問題は2022年にもこなわれる次回の選挙の焦点になりそうだ。
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