早起き2019.11.15

　今日は早起きをした。
　いま参加しているオペラ団体の、練習部屋を予約するためである。9時前に大学に行くのは、家が歩いて15分のところにあるてまえ大変な偉業だと言い張ることはできないが、少なくともわたしにとって珍しいことではある。

　家を出て、よく晴れた朝の冷気に刺される。この感覚が久しぶりで、もはや喜びさえ感じる。元来わたしは暑いのが苦手で、寒い季節を好む。暑さや湿気に人間性が溶けていくのに比べて、寒さには生の実感を与えるなにかがある。寒い時にさむいさむいと騒ぎながらマフラーに顔を埋めたり、コートを襟まで閉めたりすることが心地よく感じる。まだそこまで冷えてはいないが、薄手のデニムジャケットに厚手のマフラーのアンバランスがいまは冬への歓迎の気分だ。

　無事に部屋の予約を済ませて帰りしな、炊事門脇の緑の窪みにさす日の光がとても綺麗だったので、思わず写真を撮った。

歩きながら、よくわからないルールを一生懸命に守ろうとする人間の性について考えていた。
9時きっかりに開く事務所、現地に来ないとできない部屋の予約、、、
冬どれだけ寒いなか並んでいようが、時間が来るまで扉は開かない。すこし早く開けてあげようという親切心さえ仕舞い込まれてしまうほどの、子供じみたルール、それを遵守することへの欲望。

小学校にもたくさんいたな。
やってはならないと言われたことを、頑なにやらずに通すひと。なぜダメなのかを考えないひと。それを居心地のよさとしているひと。
でも、当時は自分にもそういう面はあったのだ。よく覚えているのは、同じクラスの女の子がお菓子を持ってきているという噂に、野次馬根性で色めき立った。その子は少しだけ問題児扱いされ、あまり好かれていなかった。
先生が抜き打ちで持ち物を調べはしないだろうかと、期待さえした。怖いものみたさに。
その子をわけもわからず批判したくなった。学校にお菓子を持ってくるなんて！

すこし悲しくなりそうだったが、深い秋のよく晴れた朝に、わざわざ心を沈めることもない。

昼に美容院の予約。

Levi’s 黒デニムジャケット
UNIQLO U ベージュラムウールセーター
Levi’s デニム510 黒
H&M 淡青ソックス
LAKOLE 黒キャンバススニーカー
Men’s Bigi 濃青マフラー