今村夏子「こちらあみ子」

読んじゃった。
ふふふ。

恥ずかしながら、初めて今村夏子さんの小説をひとつ読んでみたけれど、恐ろしかった。

「恐怖」は「信憑性」や「興味」を高めるスパイスだと良く言うけれど、この作品にはそういったスパイス的な恐ろしさがあった。

決して難しい話ではないが、題材は極めて難しい社会問題だ。しかしそれをコメディカルな今村ワールドの中で描いていくのがたまらなく面白かった。

「こちらあみ子」の中に、あと二つ短編がはいっている。そのひとつが本命の「ピクニック」だ。

なんだろうこの余韻は。
私はこの余韻を抱えながら夜を迎えるのかと思うとゾッとする。それほどに心を抉られた。

今見えてる世界と、見えていない世界。
理想と現実の交差点のような場所。

世の中は自分の見る角度によって大きく変わる。
今見えてるものが本当なのか、もう一度考えたい。
いや、やはり辞めた。
そんなことはどうでもいい。
本当だろうが、嘘だろうが大した問題ではない。
私が私であれば充分なのだ。
そして、大切なものを大切にすることが、人生において最も重要なことなのだ。

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