儚い人の魅力


 疲れてる人ってフェチだなって、人に話して理解されたことは一度もない。
こんなに魅力的なのに どうしてみんな気づかないんだろうってとっても不思議になる人がいる。
 
 こないた友達に、きな子って目が 死んでる人好きだよねって言われた。
心外だ。 彼女は私のことをよくわかっている。似合う服や好みの食べ物までよく知っているのに、 私がどんな人に心を盗られるかは、知らないみたい。目に光がない人を好きになる人なんているのかな。いないんじゃないかな。
 私が好きになる人は、決まって目の奥に強い光を閉じ込めてる。誰にも見せてやるかと大事な光を隠している。(でも 決まってそういう人は自分が光を閉じ込めてることを忘れている。)そんな光がうっかり漏れてしまうとき。私はどうしてもその人の奥に入ってその光をもっとみたくなる。
 


 今恋をしている人がいるから。

 その彼は、本当によく自分の光の見方を知らない。私もよくわからない。外からの光が強すぎて、明るすぎて見えなくなっている。ステージの真ん中でスポットライトを様々な角度から与えられている君へ。

 私がその光に右手を突っ込んで、左手で支えてぐっと引っ張るよ。
そしてあなたを客席の2列私の左隣に座らせて、ステージの光はやっぱり上から降るオレンジに変えようって決めて、 君はそんなオレンジのステージで素敵なオーケストラの指揮を悠然と行うよ。

 だからきっと、その公演が終わったら、私と向き合ってあなたの目の奥の光を私だけにひとりじめさせてね。



 ああ、そんなつもりじゃなかったのにラブレターになってしまった。

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