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映画館と「さかなのこ」

映画「さかなのこ」の上映が始まった9月に私は、この映画を必ず映画館で視聴する事を決めた。
自分的には、まだ半袖で出かけられる9月中に視聴したかったのですが、残念な事にベッドから転げ落ちて、肩に大きな打撲をして痛みから日常生活がままならない状態に陥ってしまった。

台風や降雨が多い時期になり、肌寒さを感じる最近になってようやく肩の痛みがほぼなくなり、体調も回復してきた。よし、体調も程よく万全にして映画館に行く事を決めた。

大学生の頃にバイトや良く遊んでいた歌舞伎町近くにあるTOHOシネマズ 新宿に向かった。28年前の大学在籍時のバイト時代、この新宿東宝ビルはコマ劇場として有名な場所だった。当時は体力が余り過ぎていたのか、大学とバイトを終えた後の開放感から、終電が無くなった週末ではこの近郊で飲み歩いていた。

当時問題になっていたポン引きにも敢えて引っ掛かかって、怖い人達が運営しているお店で脅迫される中、安全に帰れるかというハラハラ感がたまらなかった。このポン引きに遭った回数は10数回位は有に行って普通の人達が体験できない面白い経験談は、機会があればnoteに残したい。

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IT業界で仕事を始めてからも1ヶ月に1回位は、この当時にお世話になった人付き合いから歌舞伎町に顔を出していた。そして、ここ最近では疾病してからは、過去に大変お世話になった人達の連絡にも反応できずに歌舞伎町に寄る事が殆ど無くなった。コマ劇場が更地にされ、高層ビルが建設されその上にゴジラが現れたときには、流石に驚いた。知人と近場で6年前に飲食をしたことは有りましたが、新宿東宝ビルの映画館自体には入った事が無かった。

そのため、映画館へ行くぞ!と覚悟を決めた自分は、少し楽しみにしていた。最近の映画館がどのようになっているのか?そして、ビル周辺の街並みはどのようになっているのか?

新宿東宝ビル近く周辺に近くに9:50頃に着いた時に、一番驚かされたのが、
800人近い行列が要所にできていた。
何じゃこの行列は? メイウェザーが歌舞伎町いるの? 
何かの有名なコンサート?

大手パチンコ店の開店前の行列だった。
エスパス日拓新宿歌舞伎町店で300名以上、マルハン新宿東宝ビル店で500名以上とこの行列の多さは、ビックカメラでドラゴンクエストⅢを求める行列以来の多さだった。

私は、新宿東宝ビルの入り口を見つけるために10分程度彷徨った。まるで、私が抽選番号を基に並び位置を探すパチンカーの1人のようにうろついていた。ちょっとでも行動を間違えたならば、まるで割り込みをする人間と勘違いされ、いかついた兄さん達から総攻撃されそうな雰囲気さえあった。

私は、映画館に入り「さかなのこ」を視たいだけなのに。。。

群衆をかき分け、新宿東宝ビルの入り口を発見し、エスカレーターで入口に上がった。映画館のチケット販売といえば、私のイメージでは窓口にパートのおばさんが待ち構えており、口頭で○○〇の映画大人2枚でという感じだった。それが、綺麗なタッチパネルが4台程並んでいて、全て1人で選択から支払までやり切る仕組みだった。

特に感銘を受けたのが、座席を自分で指定出来る所だった。座席の位置とお客さんのそれぞれの位置が把握できて、とても良かった。

スクリーン中央よりの後ろも前も左右にも誰もいないポジショニング取りに成功した。

嬉し過ぎる。

私は、結構神経質な所があり、近くに綺麗なお姉さんが居ても緊張するし、ガサツなおじさんが居ても嫌気がさす所があり、静かな環境でノンビリしたい願望が強かった。

チケット改札口のお姉さんに見せて、「さかなのこ」が上映されているスクリーンに意気揚々と向かった。何10年振りに来た映画館は新鮮さが凄かった。

上映10分前には着席する事ができ、スクリーンに写された映像をぼんやり眺めながら上映の時を待った。そして、周囲の顧客を少し観察して、どんな人達がさかなのこを視聴しているか感じ取っていた。

仲の良い老夫婦、映画好きそうな若い女性そして男性となんか「さかなのこ」をみる人達の人の良さを感じ取れた。

上映時間が5分を切るとだんだんと周囲の会話が無くなったり、お客さんの出入りが無くなり、一気に視聴ムードがピークに達した。そして、上映が始まった。

待ちに待った「さかなのこ」上映の瞬間。

スクリーンから流れる映像、そして音響から聞こえるさかなクンの声。前後左右に人がいない落ち着いた環境。最高!テンションMAX。

上映開始から5分を経過した頃だろう。

暗闇の中を歩く人が現れ、私の後部座席に行った模様。そして「ドンッ」と背もたれの椅子が押された感触があった。映画に集中していたので、その時は全く気にはしなかった。

「さかなのこ」の主人公ミー坊の子役そして学生役が女の子か男の子か分からなくなる現象が発生する。のんさんは、女性であるが役は男の子。幼少の頃を演じている子役も女の子?

頭がバグル。

それでも必死に集中して、尊敬する宮沢吾郎棋士(役中では次郎)の動きを少しでも感じ取ろうとしていた。映画が15分経過して、内容としてミー坊が中学又は高校生になって不良の集団にカブトガニを飼育しろという場面になった。

その瞬間、「ペチャクチャ」「ペチャクチャ」と咀嚼音が真後ろで聴こえる。2~3分程意識を画面に集中させていたが、完全に自分の意識が後ろの客の咀嚼音に持っていかれた。

「プッツン!」

どこかで集中力が切れる音がした。我慢できなくなり後ろの席を見返り、何食っているのかガン見してしまった。現代的ホストっぽい少し危険な香りがするイケメン男子と奥ゆかしい女性のカップル連れだった。

俺は、心の中で静かな映画で何を食うとるんじゃと思い手元を視ると超巨大なポップコーンだった。それは、サイズでいうならば漫画にでてきそうな2人前位のバケツサイズのポップコーンだった。

自分は、後ろのカップルに眼を付ける気は無かったが、映画の不良のシーンに感化されたせいか、後を振り返り、

「おい、ポップコーン。ツラ貸せよ」

と言いそうになり、そしてポップコーンの量から咀嚼音が1時間以上続くと推測される環境に我慢が出来なくなり、怒ってそのまま立ち上がり映画館を後にした。

後を振り向いた際に、ホスト風の男性の開き直った感じとは異なり、連れの女性はこちらが映画館を立ち去る理由を察して頭を下げていた。

俺は、内心思った。「さかなのこ」を視聴する人は、善人しかおらん。

ちょっと自分が神経質だったのが悪かった。自分の思い込みで前後左右が広々と開いている空間を満喫しようとしていたのが不味かった。

また、自分が映画館を後にした理由は、この作品をトコトン集中して味わい尽くして、自分が学生時代にお世話になった宮沢先生とそのご子息であるさかなクンを感じ取りたかった気持ちが強かった。そのため、静かな環境で映像・音楽・音声・雰囲気を満喫したかった。

これから何か月経過したらVODなどで有料配信されたら改めて、自宅や落ち着いた場所で視聴したいと思います。

初めの15分しか視聴できませんでしたが、子供達に魚の面白さを感じさせるために色々な魚の映像をできるだけ多く取り込んでいた事が直ぐに理解できました。続きは今後の楽しみにしたいと思います。

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