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Mリーグ2022 沢崎誠は泣いている

Mリーグ2022-2023レギュラーシーズンも試合数が後20試合程度になってきており、ここ最近の試合も視聴させて頂いている私ですが、胸が躍らない。Mリーグ自体は、麻雀入門者・初級者を中心として恐らく盛り上がっているだろう。但し、私はテンションが異常に下がっている。

それは、何故か?

試合がガチでは無く、この時期に来てまでも皆仲良くヒーローショー麻雀をされているからだ。

1.最近の名勝負

1-1.2023年2月9日(木) 第2試合

小林・堀・黒沢・伊達選手戦。この試合が非常に良かったのが、点数差以上に全員が攻撃姿勢を維持しつつ、守備に対しても非常に集中していた試合だった。その上で選手の剣先がバチバチと対峙した瞬間に火花が飛び散り、ほんの僅かな読みの精度や体感の差が大きな点数差となる試合だった。

この試合の4選手は、好不調の波はそれぞれあれど、全選手が誰に依存することなく、自分の力で勝利を勝ち取りたいという気持ちが伝わってきた名試合だった。

点数差は結果として5万点オーバーの伊達・小林選手と箱下の堀・黒沢選手という構図になってしまったが、点数差以上の名勝負で見逃した方には、是非見直して欲しい程の名勝負でした。

1-2.2023年2月16日(木) 第1試合

佐々木・勝又・鈴木たろう・本田戦。
この試合は、魔王佐々木寿人選手が、魔王たる所以を存分に発揮した試合であり、攻撃の鬼と化していた。容赦の無いリーチラッシュに各チームの代表的強者の選手でも受けとカウンターに苦労する程の試合だった。このように強キャラの選手が好調で、手が入れば手が付けられない状態が起きるのは、麻雀として必然的な事です。
この試合の良さは、佐々木選手が何度も攻撃に参加する中、他3選手がギリギリの守備と攻撃をキチンとしなければ魔王の攻撃が止められず、魔王の親番を流す事さえ出来ない緊張感が継続していた。弩級のガチ。

2.最近のヒーローショー試合

2-1.2023年2月20日(月) 第1試合

この試合の東場の1~2局を視た瞬間に何をしたいのか直ぐに分かった。
本来必死に点棒を稼がなくてはいけない渋谷Abemasの白鳥選手、前局に四暗刻単騎に降り打ちしたセガサミーフェニックス魚谷選手。
何故かこの2人が瀬戸熊選手の攻撃を待ち、カウンターのできる手で守備にまわるなどを行っていたり、温い放銃を連発していた。(松ヶ瀬には厳しくマークしているのにも関わらず)

この試合が始まる前から、連盟所属の白鳥・魚谷選手の協力によって、雷電を勝たせる事が決まっていた試合。自分の中では以下のように見えた。

MレンジャーGold「今日は、沈みかけている連盟チームの雷電を救うのだ」
MレンジャーGold「雷電は、エース本田が不調で下支えしなければ残れん」
Mレンジャーオレンジ「アイアイサー」
Mレンジャーイエロー「俺がスペシャルリーチを掛けるときには、Gold、オレンジわかっているよね。」
Gold,オレンジ「アイアイサー」
Mレンジャーイエロー「宿敵RMUの副将松ヶ瀬を倒すんだ~」
Mレンジャーイエロー、Gold、オレンジ「行くぞ、レッド大王」

レッド大王「俺はガチで勝負して、MVP戦線に残りたいだけなんだが。」

ほぼ、シナリオ通りのゲーム展開に進行した試合。

2-2.ほぼヒーローショー

そして、レギュラーシーズンが残20試合を切っているのに、一部の選手を除きほぼ全員が上記のようなヒーローショー試合ばかりをしている。

・皆で仲良くリーチして、
・皆で仲良くそれぞれ見せ場を作りましょうね。
・1回上がった人は良い手でも守備を重視して上がっていない人を上がらせましょうね。
・1回も上がっていない人に放銃しましょうね。
・連盟系は連盟同士の点数移動にしましょうね。
・全員で仲良くリーチして全員が上がって見せ場を一杯作りましょうね。

という試合ばかりが蔓延っている。

ガチ感 Zero~。

2-3.だらける試合

ここ最近の試合は、殆ど長時間の試合ばかりで張り(ガチ)の無さが際立つ。
まるでアマチュア中級者の対局をみているような錯覚に陥る。
最近の試合の多くは、試合だけの時間で1時間半を優に超える。

熱戦?違います。 ヒーローショーです。

3.沢崎誠Pはどんな選手だったか

ここで、表題のタイトルにあるようにサクラナイツの元選手である沢崎誠Pが在籍時にはどんな麻雀を打っていたか思い出して欲しい。今年からMリーグを視聴した方々もいると思われるので、沢崎誠Pの説明をしたい。

沢崎誠Pは、現在御年68歳のお爺ちゃん雀士です。サクラナイツには初期メンバーの大黒柱として参加された日本プロ麻雀連盟を代表するような強豪選手でした。

そのお爺ちゃん雀士が卓に入ると攻撃の参加率と攻撃の打点力が高く、守備力も非常にあるので、他の選手にとっては当たりたくない選手の筆頭に入るでしょう。

そんなお爺ちゃん雀士が過去3年間のレギュラーシーズンで残した試合は全てガチ試合だった。厳密に言うならば、Mリーグに参加する連盟所属の女流選手(主に黒沢。そして亜樹、瑠美、魚谷、東城)をサポートしている試合もあるが、基本は全試合ガチンコの真剣試合をやり切っていた。

そして、沢崎誠Pが2021-2022レギュラーシーズンにおいて最終試合まで、瑞原選手とのMVP争いを演じて、伝説に残る最終試合を我々に残してくれた。

今、この記事を書きながらこの時の最終試合が決定した時の沢崎誠Pの握手とおめでとうという一言を思い出すと涙が何故か出てきます。

なんで、俺みたいな糞ガチの自称日本一の雀ゴロが、エンタメ色の濃い試合で何故涙を流すのか?

それは、沢崎Pと瑞原選手が誰にも依存せず、つるまず、ガチ試合を毎回継続しているから、その頂きにたどり着く困難さ、尊さ、積み重ねた努力を感じるからだ。

沢崎Pがいた3年間は、ガチ濃度が高まって非常に良かった。
沢崎Pも輝いていたし、同卓した若手選手が必死に喰らいついている様子も素晴らしかった。

4.沢崎誠は泣いている

Mリーガー32名に問いたい。主に連盟系のエンタメ重視でヒーローショーをやっている選手に問いたい。

視聴者は、入門者・初心者ばかりでヒーローショーだとバレないだろう?
違うよ、大人は騙せても次世代の子供達とスーパーガチ勢は気が付いているよ。

君達は、自団体の大先輩が築いた多くの試合で何を学習してきたのかね。沢崎誠Pが命がけで試合に必死になっていた背中をどのように視ていたのかね。

彼がいなくなったらガチを辞めて、自団体得意のヒーローショーをやりだしているではないか。そんなね、チームを跨いでヒーローショーをやるのであれば、潔く修学意欲旺盛なニューフェイスの若い世代にその座席を譲りなさい。

Mリーグに関しての記事は、もう書かないといって書いてしまった。
余りにも、盛り上がりとは裏腹に昨年から試合内容と選手の真剣さが欠落しているので、ここに檄文として送る。

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