Mリーグ 上を目指すには
Mリーグ23-24シーズンをみて感じた事がある。
幾つかのチームや選手の目線が低くなり過ぎて、選手そしてチームが何処に向かっていいのかわからずに彷徨っているように感じた。
今まで、興行を理由に選手全員に均等に勝ち星がばらけるように展開し、チームポイントが限りなく均等になるように調整する事で、選手やチームの人気にバラつきがでないように毎年調整している。
各チームのファンの反応やMリーグ全体の視聴率や売上を鑑みた上で、どのようなシナリオに乗せたら良いのかを考えている。
毎年、試行錯誤しているがパターンも出つくしており、選手自体もオーナー企業やキーマンの顔色を見ながら反応を変えている。
でも、視聴しているユーザーの多くは、1年程度ドップリ視聴すると大体選手全員の力量と虚々実々の世界の分離ができてしまう。すると、デジャブのように繰り返される成長の無い興行麻雀には飽きがくるようになってしまう。
恐らく、その飽きの来ない感覚は持って3年良くて2年位だろう。
麻雀タレント・地下アイドル・麻雀コンパニオンの世界感だけで、次の5年間を乗り越えられるとは到底思えない。気軽に接しられる麻雀タレントを売りだけに他のスポーツ競技には、今のままでは到底追いつかない。
多分必要な世界観は、「SLAM DANK」の世界だろう。
漫画 SLAM DANK は、昭和世代そしてその子供世代まで愛されるバスケ漫画最高峰の漫画です。あの漫画が非常に素晴らしいと感じるのは、高校生にとって全国大会出場する事への険しさやそれを達成するための飽くなき練習とチーム一丸となる姿勢。常勝するチームもあれば、有力な選手を抱えつつも試合で敗れるチームもでてくる。
高校生の全国大会のある競技全てに通じるスピリッツをスラム・ダンクは持っている。
私の高校生時代は、囲碁で2度全国大会に出場させてもらったが、半端ない努力が必要だった。勉強を全て放棄して、大学受験なんぞ知るか全てを全国大会に目がけて全ての時間を注ぐのみ。
そんな生き方をしていた。
丁度、スラムダンクの連載期間と私の高校生時代の青春は重なっていた。
そして、悲しい事に全国には恐ろしい位強い猛者達が一杯いて、優勝から入賞するまでのトーナメントは一発勝負で厳しい戦いを継続する。
そして、全国大会で負けては涙を流して、来年死ぬ気でやるぞと決意を固めるのだが、全国に出場するライバル高校生達も皆同じ位の熱量で日々の鍛錬によどみがない。
高校3年生になると今年が最後かという18歳位の青年・女性達が時間が限られている中の無常さと勝負で必ず結果を伴い、敗者と勝者を分ける。そして全国大会が終わると走馬灯のように、強くなるために藻掻いていた息苦しさから解放された瞬間に、何とも言えない脱力感と何とも言えない悲壮感が漂う。
各地区予選を勝ち抜いた各都道府県の代表1~2名が、全国大会で優勝のための険しい道のりを超えようと全員が僅か3年という青春に人生の全てを注ぎ込む。
そして、高校3年間という長いようで短い期間を過ぎて、大人になるための第2の目標を求めるようになる。
このようなこと全てがスラム・ダンクでは丁寧に描写しているし、臨場感が溢れている。その上で、落ちこぼれの桜木と天才肌の流川そしてチームメイトのそれぞれの描写が繊細で、成長する過程を当時の小中高生達が自分達とっキャラクターと重ね合わせていた。
今のMリーグでスラムダンクに近い世界観を出せているチームはどこだろうか。恐らく、Piratesと赤坂ドリブンズだろう。
今後Mリーグが発展していくには、安易なタレント路線、性的指向、興行的なポイントのやり取りだけでは何れオワコンになる。
必要なのは、高校生が表現できている。
厳しいレギュラー争い
チームで戦う地区予選
チームで戦う全国大会
限られた時間
世代交代
これらの要素を麻雀業界全体でMリーグに表現できて初めて、オワコンにならずに次のステージに行けると思う。今の段階では、一部の主要団体の雇用(飯を食うための)を守るためのフィールドになっており、全国大会に何度も挑んでいる高校生にも負けていると思う。
Mリーグ関係者、選手、運営者が迷ったら全員でスラムダンク全巻を読み直して、このような熱い青春・熱い戦いをMリーグの舞台で表現できるにはと考えた方がいいだろう。
迷ったら、成長をテーマにスラムダンクの世界感を麻雀のチーム戦に表現できたら今からもう一段上の世界に行けるのだと思う。
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