Mリーグ2020レギュラーシーズン第4週
2020年10月も早いもので、気が付けばあっという間に1ヶ月が過ぎていた。スーパーで売られる果物は、梨や葡萄から柿、林檎、蜜柑に変わり秋から冬の準備を感じる今日この頃です。
1.今週のMVP
恐らくファンそれぞれ好みの違いがあれど、今週のMVPは全員見解が一致したと思われます。
村上淳選手(赤坂ドリブンズ)
2020年10月27日(火)の第1試合 村上(赤坂ドリブンズ)/堀(サクラナイツ)/松本(渋谷Abemas)/和久津(セガサミーフェニックス)
勝負の分かれ目となった東3局8巡目
頭探しをしている村上選手が79ソウを切っているが場況を判断した上で、8ソウ1枚を残す。
和久津選手が9巡目一向聴で5ソウをカンする。
聴牌受入れは、1、2,3、4、5、6萬と5、6、7、8、9筒の11種と多くここは積極的に暗槓をしたいところ。
槓された直後の村上選手の手牌7がカムバック。勿論残す。フリテンになる事も承知の上、5ソウ暗槓という超絶な情報から6ソウが山にいる事を推測。
同巡の堀選手の手牌。堀選手も攻撃に参加しそうな気配。
松本選手の6筒がモロ乗りして1ソウと赤そしてダブ東も含め親番の18000が確定したため、56萬の形からチーをして東バックとする。
和久津選手の12巡目間5萬の仮聴牌を張る。もちろん和久津選手は、5萬の待ちが悪く、枚数が少ない事を認識している。但しこのリーチを拒否するようであれば、5ソウの暗槓は相当温いと言わざるを得ない。案の定その後の展開を招く。
村上選手がフリテンの69待ちのフリテン聴牌(闇聴牌維持)
村上選手の4ソウを堀選手ポンして、58ソウ待ちの聴牌を取る。堀選手が周囲の打点の高さを感じて必死に消化活動をする。
同巡、松本選手が待望の東を重ね18000の47ピン待ちとなる。
2巡程度様子を視て、和久津選手が降りた事を感じ、更には安め9ソウが無くなり、リータンピン3色ツモドラ1の7翻確定し、かなりの確率裏1がありそうな。とすると、リーチして自模れば、12000~16000となる。これは、親番が18000を確定していても戦えると判断している。
戦えている松本選手との直接対決を制するべきであり、勝負所と捉えている。そして未だ東場であり、最悪のケース南場の親番があると判断。
フリテンリーチを決行。
松本選手には残念だったが、村上選手が海底を自模り倍満を確定し、ゲームの流れを一気に引き寄せる。そこからは、村上選手に勝負の流れが押し寄せた上に完璧な勝負感覚(リーチ、ダマ、仕掛け、防御のバランス)とほぼ完璧な手順でこのゲームを制した。
和久津選手の5ソウ暗槓はプロ全員がしているだろう。但し、その後の責任の取り方が不味かった。槓した事により、村上、松本選手の攻撃力が増した。途中堀選手が消化活動で58ソウ聴牌をとった後、和久津選手が8ソウを掴んだ時点で降りだした。(攻撃を維持して放銃が正しい判断)
暗槓する選手は、放銃しても絶対に降りてはいけない。その責任を取れないならば最初から暗槓せずに自摸切りすればいいだけ。
特に、数牌の真ん中周辺の暗槓は、周囲の選手にその色の判断材料を大いに与える。もし、隠していたら周囲の選手より優位にその色を判断できるので、一流の選手の戦いではリーチ無しの暗槓による情報開示は損でしかない。
責任のとれない暗槓はすべきではない。逆に暗槓せずに放銃してもそれは非ではない。暗槓のベストタイミングは、暗槓した直後にリーチを掛けれるタイミングがベスト。
この試合、村上選手が南場で大事を取った(全てダマ聴牌)が、東場の制し方をみた感じ、全てリーチをしても自模上がっていただろう。村上選手が59600点で済ましてくれたというのが正しいだろう。
それにしても充実している村上選手の78ソウ引き戻してのフリテンリーチをした時の柔軟性(修正力)と判断力はとても素晴らしかった。
・・・・
2人目は、瀬戸熊選手(雷電)
2020年10月29日(木)第1試合 岡田(サクラナイツ)/近藤(セガサミーフェニックス)/瀬戸熊(雷電)/勝又(風林火山)
この入場シーンを観た瞬間に瀬戸熊選手が良い内容を打ち、かなりの確率連帯することを感じました。
この試合前までの瀬戸熊選手の出場シーンでは、邪念が多かった。
「俺がトップを獲る」「俺が雷電を引っ張る」「俺がMリーグを盛り上げる」「ジーク・ジオン! ジーク・ジオン!」
もしくは、周囲主にスポンサーや監督からの期待や気配を感じ、受動的な精神状態であった。
それが、この出場シーンでは、
「与えられた手牌の中、自分にできる最善を行い、良い試合をしたい」
という能動的な精神状態にあり、精神のド真ん中にいた。今月初めて、本来の強い瀬戸熊選手が来たと感じました。こういう精神状態を保てるとどのような選手でも、ましてや瀬戸熊選手だから、必ずファンを感動させるプレイが起きます。
試合内容は、岡田選手が積極的に攻めて先手を取りつつ、近藤、勝又両選手も集中を切らさない好試合の中、瀬戸熊選手が落ち着いた攻守を魅せ、僅差の勝負をものにした。
このような精神状態を保てる瀬戸熊選手は、今後の活躍が楽しみです。
2.今週のMVP候補
・二階堂亜樹選手(風林火山)・・・勝負所で、リーチ下で暗刻の6ソウを押して、素晴らしいチートイツで勝負を決める。
・滝沢和典選手(風林火山)/佐々木寿人選手(KONAMI)・・・佐々木寿人選手と純粋に自チームがトップを獲るための事に専念した2人の試合は熱い。
・高宮まり選手(KONAMI)・・・嬉しい初トップ
・園田賢選手(赤坂ドリブンズ)・・初トップ
・前原雄大選手(KONAMI)・・麻雀とMリーグに対する誠実さを感じた。
3.今週の試合状況
赤坂ドリブンズの村上選手の絶好調さが際立っています。村上選手1人だけは、既にファイナルに参加している。
赤坂ドリブンズが好調を維持している中、他チームも緩やかにエンジンが掛かってきており、試合内容も月初に比べて良くなってきており来月も楽しみです。
ここまでくると技量以上に試合に挑む精神状態が内容にモロに影響を及ぼしています。
4.その他
美しい実況者(小林 未沙さん、松嶋桃さん 等) とソーシャルディスタンスをとり、仕方なく麻雀に集中する土田プロの解説は最強説。
選手に忖度なしに、公平に牌理や鳴きのタイミングなどの本音を語る土田プロの解説は、大変面白かった。選手や若いプロが解説するとどうしても悪い手でも忖度してしまうので。。
・・・
普段、卓上で白魔術しか打たない魔術師が、黒魔術(パルプンテ又はメガンテ)を発動した試合については別ノートに記載した。
鬼滅の刃ブームに乗ろうとしたが、何かしっくりこない高宮まり選手
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