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Air買い物

年末まで後1週間程度となり、クリスマス、忘年会、年末、年始の正月と日本人らしい時期になりました。

年末年始の食料品などの買い物は、今週位が一番価格が落ち着いていると感じます。23日位からクリスマス商戦や年末・年始の商戦が始まり、朝晩の食材が少し値上がりした感じが始まります。

そんな年末に向けて、買出しにいつもの地元のスーパーに訪れたある日にある事に気が付いてしまった。地元のスーパーは、庶民の台所といった感じで特売日を選べば物価高の中でも比較的懐に優しい良心的な価格で買えます。

そんな日にスーパーに買出しをしていると、80歳位の爺様や婆様が店内をうろついていた。下世話な話になりますが、買い物カゴと店内の滞在時間である程度、その買い物客の経済力が理解できます。

お金にゆとりのある独身男性の人は、ポンポンと買い物カゴに欲しいものを入れていきます。中流階級以上の家族連れも肉、魚などを買い物カゴに一杯放り込んで、年末に向けて買い込んでいる様子が伺えます。

そして、みすぼらしい80歳位の爺様と婆様は、店内をうろついたり商品を触れたりしても買い物カゴが増えていきません。
勿論、高齢者で鰻や和牛を買い込むタフネスボーイな爺様も見かけます。

私は、店内で爺様・婆様が生鮮食品や菓子パンなどを触れたのに買わない行為が大嫌いです。現役世代が仕事帰りで20時頃に買い物をすると生鮮食品類は、爺様婆様が触りまくって少し傷んだ状態の食品が残っています。

現役で忙しい人にこそ、新鮮で良いものを食べて欲しいと思う。

最初、この爺様・婆様の不思議な行動が一切理解できなかった。
理性で考えれば、買う気の無い人が商品を触れる行為は、以後に商品を買う人に対して失礼な行為であり、お店にとっても商品が傷みロストする可能性があるので、損失にも繋がる。

このような商品に触れるのに、買い物カゴに商品を入れない多くの爺様・婆様の行動が一切理解できていなかった。何故、そのような事をするのだろうか?

視点を変えてみた。

貯蓄も無く、財産も無く、少ない年金生活の方がコロナ前からギリギリの生活を送っていた中、コロナ後の物価高、生活費増、年金額の減少等が直撃して、少ない年金から僅かな食費で生活している高齢者に直撃している事が原因だと感じ始めた。

即ち、高齢者でほぼ買う物が無い、否、買いたくても買えない状態がある。
今まで買えてきた食材1品1品が買えなくなってきている

その、今まで買っていた1品1品を過去の習性から、触れてしまい、昔食べられていた頃を思いだしながら、食品を食べれていた頃を回想している感じだろう。

その上で、お金があれば1品追加して食べられるのが、食べたくても食べられない状況が葛藤となり、買わない物を触れる行為となっていると思う。

そうか、年金生活でギリギリの生活をしているご高齢者の中で、我慢を継続してきた方が、商品に触れて「Air買い物」をすることで物は手に入らないが精神を満たしている。

このような状況を理解した時に、ふと思ったのが、国会議員や都議会議員は、上辺の仕事をするよりは、各地域の庶民向けスーパーに1週間アルバイトで常勤すれば、全世代の生活感物価高の状況親身に理解でき、各世帯で何が必要かが必ず見えてくると感じた。

霞が関の背広を着た人達は、多分庶民の生活感が全く理解できていないだろう。普段から御用聞きしているのは、上流階級側の人間ばかりの話を耳にしているから、庶民そしてそれよりもっとギリギリの生活をしている人をここ数年の物価高、光熱費高が直面している事を直視できていない。

その直面した様子が、「Air買い物」をする爺様・婆様がコロナ前より増えたように感じる。日本の政治に多くの事は求めないが、コロナ前位の物価や光熱費位の水準に全力で戻す必要性は強く感じる。

私は長生きする方ではないが、将来何かあったら霞を食って地元のスーパーでAir買い物をして凌いでいきたいと思う。


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