見出し画像

Mリーグ選手入れ替えの是々非々

Mリーグ2021-2022のシーズンが終了し、Mリーグはオフシーズンとなる。

2年連続ファイナルに進出できなければ選手の入れ替えをしなくてはいけないというレギュレーションがあり、今期は優勝経験のあるPiratesが対象チームとなった。

ちなみに来年は、
・風林火山
・赤坂ドリブンズ
・雷電
の3チームもファイナルに進出しなければ選手入れ替えの対象となる。

1.人の経験によって異なる

Mリーグの選手入れ替えに関して、選手への憧れや愛着、義理・人情などで視聴されている主にエンタメ寄りの方々は、間違いなく残酷だと感じると思われる。これは、48系のアイドルが引退したり所属を交代させられたりする感覚に近しい感情に思われる。特にMリーガーとの距離感が近しいファンは、自分の家族的なMリーガーが頑張っていると感じていると思うので、尚更選手の入れ替えには感傷的になるだろう。

野球やサッカーなどの部活動などで厳しいレギュラー争いやプロを目指された経験があり、他のプロ競技を詳しく理解している方々は、Mリーグは予選もほぼ無いし、一度Mリーガーになれば成績の可否に関わらず継続し易いので他競技より甘いもしくは別物と感じるでしょう。

私の場合には、餓鬼の頃から囲碁でアマチュアながら地区大会・全国大会の争いをしていたり、今でも社会人大会でそれを体験している。更には、身近の棋士達が厳しいタイトル争いやリーグ戦やトーナメント戦の厳しい争いを感じるとMリーグの継続条件は不思議に感じる。

他競技ではどんなにトッププロでも数字やチームに対してのメリットを実績として残さなければ、毎年入ってくる新人達に座席を譲る事になる。

2.選手の固定化の善悪は

私はMリーグのnote記事を良くも悪くも4年程度継続してきましたが、常に選手の入れ替えは活性化した方が良いという事を説いています。

それは、何故かと言えばMリーガー以外の麻雀プロ達がMリーグに真剣に向き合わなくなるからです。

例えば、麻雀プロは、比較的自団体のタイトルを中心としたタイトル戦やリーグ戦に休まず参加されている印象を持ちます。麻雀プロの多くが雀荘プロの店員であったり、ゲストプロを掛け持っていたり、サラリーマンや兼業の方が殆どです。

そんな多くの麻雀プロが、自業務と掛け持ちで時間が無い中、タイトル戦やリーグ戦に何年も真面目に参加されています。その多くの麻雀プロが真剣に麻雀が強くなりたい、強くなった自分のアイデンティティを証明したいという所に挑戦し続ける理由があります。

しかしMリーグの新規参入が自団体のタイトルを獲得する以上の障壁があれば、麻雀プロ達は今後Mリーガーになりたいと思うのだろうか?

3.少ない新規参入メンバー

Mリーグは今年で4年目も経過して、次期Mリーグは5年目になりますがそれまでの選手の出入りをカウントすると

Mリーグ2018:  IN:21人 OUT:0人 (総勢:21名)
Mリーグ2019:   IN:8 人  OUT:0人 (総勢:29名)
Mリーグ2020:   IN:1 人  OUT:0人   (総勢:30名)
Mリーグ2021 :    IN:5人   OUT:3人  (総勢:32名)

このような時間経過から21名体制から13人の新規Mリーガーが参加されました。(※.滝沢選手のINOUTはカウントしていません。)

4年間で僅か13名の新規参入者であり、1年目を除く3年間で平均すると僅か3~4人という数です。正式な麻雀プロの数は分かりませんが2000名としても3/2000名という大変少ない確率です。

更には、昨年EX風林火山オーディションが実施され、EX風林火山の公言通り優勝した松ヶ瀬選手がMリーガーとなりました。これは参加した全プロはそのルールや予選には納得されたのではないでしょうか。開催前に確定されていたルールに基づき、優勝すればMリーガーに成れるという。

そして、5年後の今Piratesは残念ながら最低1名の選手が入れ替えが確定しました。そして、他団体は未だ契約は確定していませんが、一番変更があるべきチーム雷電とEX風林火山は早々と全員の延長を公言しました。

契約更新が行われる6月頃までに来年度の新規参入枠は、Piratesの1~2名しか無い可能性があります。

4.何故メンバーの固定化が不味いのか

今麻雀プロの多くの方は、Mリーガーの反響を喜ばしい出来事だと思われている方が殆どだと思います。普段されている麻雀プロのお仕事に間接的にMリーグ好調のシナジーが発揮されており、新規アマチュアファンが雀荘や教室などにチラホラ参加されだしている事でしょう。

だから麻雀プロの多くの方々、Mリーグの発展を望んでいる事でしょう。

但し、Mリーガーを目指すか?Mリーガーに指名されたいかといえば、30歳以上の多くのプロが段々と億劫になってきているように思えます。
それは、公正・公平な予選がいつまでも無くイベント的な予選しか無く、自団体のタイトルを獲得した者でさえ、候補リストに上がる程度です。

そして、多くの麻雀プロの方々は、日々の生活のため目の前の会社(雇用主)、お客様、ファンを大切にし、それぞれの地域で実績を積み重ねております。そのような麻雀プロの方々は、男性であれば可愛い嫁さんと結婚して、子供を育てて父親としての日々の責務を全うしている事でしょう。

何かのタイミングで自団体のタイトルを持ち、実力も認められ有名になり、Mリーガーになって欲しいと思ってチームオーナから声掛けが有ってもハイやりますと言えるだろうか?

恐らくだが、25歳前後の扶養者の居ない未婚の若い世代であれば、目の前の会社や関わる人に快諾をとってチャレンジする事であろう。ただし、30歳過ぎて守るべき仕事やポジション、家族を持っている方々が、培った功績を捨てて、Mリーガーになると快諾できるだろうか?

快諾できる人は、財産持ち、業界での圧倒的ポジションニング、麻雀関係の仕事を直ぐに取れる人、会社経営をして盤石な社員を抱えて週一の打合せでも会社が回せる人ぐらいだろう。そんな人は極一握りに限られてくる。

麻雀プロ達は公正・公平な予選・大会には多くの麻雀プロが時間を削って参加されている。Mリーグの新規参加率の低さと参入障壁の高さが高くなればなるほど、真剣にMリーガーになりたい人が少なくなってくる。

いざスポンサー企業、Mリーグ機構、オーナー企業そしてMリーグの選定に関わる各団体の幹部達が真剣に今のタイミングで考えなければ、今後も連盟を中心として比較的自由が利く麻雀プロしか出入りしないMリーグになるだろう。

すると必然的に連盟所属以外の麻雀プロが手を貸し難い状況が作りだされてしまう。Mリーグのオーナー企業と麻雀プロを繋ぐ立場の人達とMリーグ機構は、真剣に「Mリーグ選手入れ替えの是々非々」をテーマに考えるべきタイミングにきていると感じます。

5.纏め

この本文の主旨は、Mリーグを運営されている麻雀プロの幹部達が、オーナ企業やスポンサー企業だけの事を考えるだけではなく、麻雀プロに在籍されている方々のMリーガーに対するモチベーション管理と公正・公平さを求めなければ、手を貸してくれる麻雀プロが時間と共に減っていくという事を述べさせて頂きたかった。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?