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庭仕事の真髄を読んで

分厚い本「庭仕事の真髄」を先日ようやく読み終えた。
サブタイトルには老い・病・トラウマ・孤独を癒す庭
とある。
スー・スチュアート・スミスさんという英国の著名な精神科医・心理療法士さんである。
そして、パートナーはすごく有名なガーデンデザイナー トム・スチュアート・スミスさん。

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付箋だらけにしてとても感銘を受けたのだけど、うまく言葉にできない。
この本は手にする人それぞれ印象に残る部分が異なるのではないかと思う。

ガーデニングの作業は一般的に癒しの作用があると言われている。
いやいやガーデニング作業をしなくても、自然・植物は見るだけで癒しの効果があるとされている。
元々植物好きでガーデニング作業が好きな人でも、けがをしたり深く傷ついたりすると、ガーデニング作業から遠ざかってしまうことがあるだろう。そして大好きだった自分の庭が荒れてくると、心苦しくなりたちまち心に悪影響を及ぼす存在になる時がある、と常々感じている。
植木屋・庭師というのはそのお手伝いの存在なのではないかなと思う。


ただ、緑の量が多ければいいものではないとされている。
officeでの効果的な緑視率は10~15%だそう。
そしてこの本「庭仕事の真髄」第12章によると、緑と地面の比率は
7対3が最も効果的だそう。(学生時代私も窓からの緑視率で7対3と聞いた記憶がある。そのうち調べてみたい)
緑が少なすぎると庭はゆっくり落ち着けないし、効果も少ないそうだ。
それは・・・分かる。

そして、園芸療法の庭としてつくるとき、利用する人に合わせてタイプの違う庭をつくる、とある。
そりゃそうなのだけど、印象的だったのは重度の自閉症の方の庭。
自然界の変化しやすさは極度の不安を引き起こすから、変化の少ない常緑の直線的な空間で、感覚的な豊かさはないそうだ。
外気は患者さんのネガティブなオーラを晴らすのに役立つから、
この変化の少ない庭の中でブランコやシーソーに乗っていると次第に落ち着いてくるそうだ。

実は、その感覚は私も分かる。
今のこの時期と11月頃が実は苦手なのだ。
11月は日が沈むのがとても早くなり、とても寂しくなってしまう。
春はちょっと弱っていると、生気を吸い取られる気がする。きれいだなとも思うけど、あまりたくさん出歩く感じでもなく、身近ななじみの場所の変化を楽しみたい。元気な時もソワソワと落ち着かない。(ムスコの新学期でもあるからかもしれないけど)今の時期、気温も芽吹きも虫たちも動き出し世界に生命力が溢れすぎているように感じるときがある。
特に春の今の時期、不安になる人も一定数いるのではないかと思う。日本ではこの桜の時期は新生活の変わり目の時期。
日本中が変化が大きい時期でかなり精神的にも気合が入る時期だと思う。

日本人は元々繊細だし、元々の植生も常緑樹が多い地域では
常緑の背景で、1本2本大木のサクラなどの花が咲いているのを見るのが一番
美しいと感じる。

・・・と、どんどん話がそれていってしまったけれど、
園芸をやる人には是非読んでもらいたい本。
最初がちょっと読みづらいと感じたけど、途中からどんどん読めてしまうので、頑張って読み進めてほしい。

ちなみに、園芸療法に関わる方は必読!だと思う。(ひよっこが言うなという感じだけど)
ご年配、体に障害がある方、病気の方、精神的に休養や必要な方や、犯罪を犯してしまった方、心が傷ついてしまった子どもたち、非行少年少女、発達障害の子、戦争のトラウマなど抱えた方がガーデニングによって癒された具体例が施設や団体の名前も記載され、たっぷりと書かれている。

私のつたない記事でこの本の素晴らしさが伝わるか疑問だけど、
だまされたと思って読んでほしい。

私も自分の付箋の個所をことあるごとに読み返したい。
自分が揺らいでいるときに軸となる本となりそうだと感じている。

大好きなクリス智子さんの書評を載せておきます!


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